メバリングに使用するPEラインは0.2~0.4号が主体。実は、この範囲内でも使用感に大きな違いがある。

今回はPEラインの選び方を紹介したい。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)

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メバリングのPEライン選び

メバリングでは極細PEラインを使うことが多い。0.2~0.4号が主候補だ。「それくらいの号数ならどれを使っても同じじゃないの?」と思われるかもしれないが、まったく違う。極細PEラインにも細い・太いがあり、汎用的に使える号数もあれば、シチュエーションによって使い分ける必要も出てくる。

基本は0.3号を推奨

メバリングに使用するPEラインは、前述のように0.2号~0.4号だ。その間を取って、0.3号を推奨する、というわけでもなく、0.3号はあらゆる意味で非常に優秀な号数である。ビギナーからエキスパートまで、最終的にすべて0.3号でも良いと思う。

今さら聞けないメバリングのキホン:『PEライン』の太さの選び方
PEライン0.3号でのメバリング(提供:WEBライター・井上海生)

0.3号=6lb相当

PEライン0.3号というと、各社によって異なるが、6lbに相当する。最大張力限界が、およそ2.5kgと強い。メバルの引きは軽く制御できるし、メバリングの大型ゲストとして定番であるシーバス、チヌのランカーサイズにも(ドラグをきちんと設定すれば)耐える。メバリングだけでなく、ライトブリーム(フィネス・チニング)のメインラインとしても使える号数だ。

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PEライン0.3号で取ったチヌ(提供:WEBライター・井上海生)

ノットが組みやすい

そして0.3号は、リーダーとのノットも組みやすい太さだ。さらに、その強度も保たれやすい。ライトゲームでは基本的に3.5ノットやトリプルサージェンスノットを使うが、いずれも0.3号あれば、かなり強い結束ができる。しかも、「極細」といっても慣れてしまうと、0.3号もあればかなり視認も良いので、ナイトゲームでも比較的ラクにノットが組める。

さらに細すぎず太すぎないので、キャストのアキュラシー(正確性)も良い。狙った場所にきれいに落とせる。また、PEライン0.2号台でありがちな、「ちょっとした擦れ」で切れる、という問題が、0.3号だとかなり低減できる。

0.05号の差

私は某メーカーから発売されているPEライン0.3号と0.25号を使い分けているが、この0.05号差でも明確な違いがある。0.25号はドラグの少しの設定ミスで大型魚の突然のバイトで切れる。また、リグを組んで立ち上がろうとする時、ちょっとPEラインが地面に擦っただけで切れる。非常にセンシティブなラインだ。

PEライン0.3号といっても各社によって太さ、ライン強度は違うが、何にせよ「これくらいの号数から安心して使えるライトゲームライン」であることは間違いない。初めてのライトゲームでこのクラスのPEラインを巻くなら、0.3号を選ぼう。

0.2号台は熟練者向け

メバリングでは一般に0.2号(4lb程度)が推奨されることが多いように思う。筆者もライトゲームを始めたばかりの頃は、釣具店でスタッフに確認しても、「0.2か0.1が良いと思います」といわれた。

実際、それで通年やってみた時期もあり、現在もシチュエーションに応じて0.25号という号数を使うこともある。しかし、この0.2号台の号数は、ライトゲームのエキスパート向けだ。相当な手練れであり、ライトゲームに慣れた人が、「1匹でも多く取るため」の乗せ感重視、「渋い状況に対応するため」のタフコンディション向けに使うことが多い。

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0.25号を巻いたリールはアジング向け?(提供:WEBライター・井上海生)

ラインは細ければ細いほど魚を乗せやすくなる。これはライトゲームにおいても、他の釣りにおいてもほとんど間違いない。細いほど水中での水なじみがよく、ラインテンションを適切に維持でき、魚の細かいバイトを拾えるからだ。

0.2号のデメリット

ただ、何かあるとすぐ切れるのが問題だ。張力限界も4lbもあれば問題ないし、ノットも慣れれば十分な結束強度を出せるのだが(ただ視認は0.3号と比べると明らかに落ちる)、大型魚の突然のバイト、またストラクチャーへの軽い擦れで、簡単に切れてしまう。

そのような切れが1回の釣行で1回なら良いが、風が強く吹いているなど、海の状況によっては、1回の釣りで何度も何度も発生する。筆者としては、あまりオススメしない号数である。

0.4号は特殊な状況で

PEラインの0.4号は約8lbと、メバル相手には、ラインの張力限界はオーバースペックである。「太すぎる」とも言われる号数だ。タイラバ、エギングなどにも使われる号数で、ライトゲームで使用する状況は磯のメバリングなど、条件が限られる。

ただこの号数は、非常に安心感が強い。何よりノットの結束が相当強くなるので、ドラグの設定をちょっと締めすぎている状況で、たとえば大型チヌが猛然とバイトしてきても、「グンッ」と引っ張って明らかに耐える。0.3号に比べて確実にライン強度が上がり、結束もしやすいので、そこまでシビアでもないコンディション、また通い慣れてメバルの出方がほとんど分かっている状況で、「ロストを減らしたい」というアングラーが使うことも多い。

浮力を利用した技も

また、この太さになると、PEラインそのものの浮力がかなり強くなる。

その浮力を使い、1g程度のライトゲームでは、まあ重い部類に入るジグヘッドを、オープンウォーターやちょっと遠い距離に投げて、メバルのいる表層にレンジキープさせるという、テクニカルな技が使える。

また、老眼や、夜になると目が少し見えにくくなるアングラーも、0.4号を使うと良いと思う。ラインの感覚は0.3号と多少かわるが、0.4号という太めのラインでも、そこまでメバルの乗せには影響がない。

以上、メバリングに使うPEラインといっても、0.2~0.4号について、まったく別の感覚であると紹介した。「結局、どうすればいいのか」と思われる方がいたら、やはり0.3号をオススメする。PEライン0.3号は、魚の乗せ感、張力限界、結束強度、何もかもに優れる、ライトゲームの基準となる号数である。

<井上海生/TSURINEWS・WEBライター>

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