4月3日、和田防波堤で投げサビキに挑戦してきた。常連とは釣果に大差がついてしまったが、学んだこともあったので、その点にも触れて当日の様子を綴ってみたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
河内渡船で和田防波堤へ
今回釣行した神戸・和田防波堤は、ポートアイランド西側に位置する全長1140mの沖防波堤で、神戸港の沖防波堤の中でも人気の高い屈指の好釣り場だ。特に春のシーズンは、乗っ込みチヌのメッカと評され、一段と多くの釣り人が訪れる。
渡船店は複数あるが、私が利用するのはこのエリアの老舗、河内渡船。和田防、新波止、ポートアイランド赤灯波止の3か所に渡しており、多くの常連から寄せられる日々の生きた情報のほか、フィッシングマックス神戸ハーバー店とも協力関係にあるので、情報収集や下調べには事欠かない。特に、今春にリニューアルしたホームページは、釣果情報以外にも、利用案内、釣り人からの写真投稿ページなど、内容が一層充実された。
なお、大阪湾の沖波止は全域で救命胴衣の着用が義務付けられているので注意のこと。また、河内渡船をあまり利用されない人は、利用案内に関するページを事前に見て確認しておくと、釣行当日にスムーズに乗船手続きが済むと思う。
出船前に情報収集
当日の出船前に店で船長に遠投ウキサビキの最近の様子聞くと、「今は西側の、ごく狭い場所でしか釣れていない。始発便でそこに入らないと厳しい。」と教えてくれた。大体の場所は頭に入れて、店から少し離れた乗船場に移動すると、チヌ狙いのフカセ釣り、遠投ウキサビキ、ウキ釣り、ルアーと、様々な釣り方の釣り人たちが次々と集まってきた。
あちこちで釣友同志の釣り談義に花が咲いていたが、中でも常連同志の会話は貴重な情報収集の場だ。「今年は際までチヌが寄ってこない。フカセでもポイントが遠い」、「爆釣があらへん。時合いも短い」と、釣果情報にも名を連ねる名手たちにとっては、今年の乗っ込み期序盤戦の状況は物足りないようだ。
そうした中で「今日はアジや。釣れるんちゃうかな」と、既に飛ばしウキをセットした釣りザオをロッドケースの外に用意している、デカアジの二桁釣果を何度もあげている常連の姿があった。これは私にとって吉と、その常連の構えた釣り座の近くで釣ることに決めた。
朝5時過ぎ、始発便は熱気溢れる40人ほどの釣り人を乗せて出船した。
知っておきたい防波堤の構造
和田防に到着すると、私は西寄りの場所で下り、遠投ウキサビキの常連が構えた釣り座の隣に私も荷物を置いて準備にとりかかった。和田防の遠投ウキサビキは、防波堤の構造を知ることが必要だ。外向き(沖向き)はテトラ帯、内向き(陸向き)は手前から沖20mぐらいまでは海底に敷石が積まれ水深は浅い。
なお、和田防の構造の詳細は、河内渡船のホームページに図解が載っているので、そちらをご覧いただきたい。当日は小潮で9時過ぎの満潮の後、下げ潮となるので、8時~10時頃の間が勝負と考えた。
遠投ウキサビキのタックル
タックルは5.4mの遠投仕様の磯ザオ5号にミチイト5号を巻いたスピニングリール、デカアジ・大サバ狙いなので、飛ばしウキは中通しのフロートウキ20号を選択した。クッションゴムを介して、色めの大人しいハリス3号のスキンサビキを接続し、その下にまきエサカゴを付けたテンビンをセットした。テンビンのエダ先にも3本バリの遠投用サビキを接続し、幅広いタナで魚を狙うのが私の釣り方。
さらに一工夫として、デカアジ・大サバがマイクロベイトと呼ばれるイワシやボラの稚魚を捕食していることから、サビキバリのいくつかに、稚魚に似せたワームをアクセントとして付けた。
苦戦する私尻目に常連が連発
6時前から一番西寄りで釣っていた人が、早くも大サバ、中サバをポツポツと拾っていく。今日はいい流れになりそうだと期待感を胸に、私も準備を終えて釣り始めた。しばらくして、常連がデカアジを釣り上げた。沖向きでフカセ釣りに挑んでいた常連の釣友もチヌを仕留め、二人とも上機嫌の面持ち。当日は爆釣とまではいかないまでも、沖向きで何人ものフカセ釣りの釣り人がサオを曲げていて、全体的に魚の活性は高いようだ。
しかし、私の飛ばしウキはいっこうに反応がない。タナを聞いてみても「8ヒロぐらい」と、私のタナと同じ。
ここから二人の見事な共演が始まり、次々とデカアジの釣果を重ねていく。一番西側の先客も、サバ中心ながら好調を維持。活気づく周りを他所に、私はたまにガシラやサバを掛けるのがやっとの状態で取り残されてしまった。
爆釣する常連の釣り方
焦っていても釣れないと、小休止して常連の匠の技を見て学ぶことにした。常連のタックルはサビキではなく、カゴテンビン釣り。
タナは底近くで、投点は約30m。仕掛けが馴染んだら、大きくはシャクらず、竿先で仕掛けをスーッと手前に引いて、撒き餌カゴからポロポロとアミエビがこぼれるように操作する。デカアジが釣れだしたら、全く同じ投点でこの動作を繰り返し、群れを足止めする。こうした一連の動作は正に匠の技だ。
そしてこの日、決定的な違いだと感じたのは、付けエサの有無。私はマイクロベイトのワームをサビキバリに付けてはいたものの、釣りバリにオキアミを付けエサにしていた常連に、圧倒的に分があったようだ。大サバも視野に入れて、デカアジが捕食しているのもマイクロベイトだと決め込んでいた私の作戦は失敗だったようだ。
仕掛けをかえてデカアジ2匹
常連の匠の技を見て、その場で出来るマイナーチェンジを試みた。まきエカゴに詰めるアミエビの量を減らして、アタリを待つ釣りから打ち返し重視の釣りにかえるとともに、付けエサのかわりのマイクロベイトワームの一部を、ブルーから少しでもオキアミの色に似せようと薄茶色にかえてみた。投点も常連と同じ距離に合わせ、サオ先で仕掛けをスーッと手前に引くアクションも試みた。
するとマイナーチェンジが功を奏したのか、単に群れが私のほうに寄ってきただけなのかは分からないが、ようやく8時半ごろに、私もデアカジを手にすることができた。
最終釣果
さあこれからと意気込んだが、その後はサバの群れ中心になり、デカアジの回遊は散発気味に。アミエビを使い切った10時に納竿した私の釣果は、デカアジは2匹、大サバ3匹、ガシラ1匹と残念な結果に終わった。
自宅に帰ってSNSで釣果情報を確認すると、当日はデカアジ、チヌともに絶好調で、様々な数釣りの写真がページ飾っていた。私がお手本にしていた常連はその後も釣果を重ねて、50匹の大釣りだった。和田防の遠投ウキサビキは、年に数回好機が訪れるので、またの機会にリベンジに挑みたい。
<伴野慶幸/TSURINEWSライター>
▼この釣り場について河内渡船
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