春の陽気も増えてきた3月。春本番前の春の先取りとして3月18日、解禁日と合わせて愛知県西尾市に潮干狩りに友人と向かった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター永井航)
雨天の潮干狩り
友人は人生初の潮干狩りとなるが、熊手なども自分で購入する気合の入りよう。単純に貝のストックが多いはずの解禁日だが当日は生憎の雨。もっとも解禁日はその年の調子の話が出てきにくいので行ってみて大外れを引く可能性もある。
入口で入漁料を払い浜に入ると解禁日だからかテレビの取材をしている。すでに遠目にも貝を持っている人がいるのも確認できる。私は春先の雨の中だが友人にウェダーを提供したため、私はロングタイツと水着そしてお互い上にはカッパを羽織る格好となった。コンビニで買った透明のカッパを使っていたため、袖がダランとしたりして掘れるか不安だったが、やってみれば全く問題がなく、カッパの特性上当たり前だが風も防げてメリットの方が多かった。不安なら輪ゴムとかで袖を挟めば大丈夫だろう。

アサリにハマグリがゴロゴロ
まずさっと掘るとシオフキガイ。これらは沢山取れるのでアサリ、ハマグリが絶不調だった時に回収すれば問題ない。さて次へと思ったらいいアサリが登場。友人もハマグリを掘り当て大喜び。これはイケる!と思い掘り進めるとアサリとハマグリがゴロゴロ!ハマグリは中クラスが多いけれどアサリがデカい!!個人的にはついつい見惚れてしまうくらい良いアサリ達。

たまたま話しかけてきた、地元の方と思われる人にお話を聞くと、去年はアサリがめっきりでハマグリが少しとのことだった。その方も今年のアサリが太っていて、こんなにいいのが集まるのは久しぶりとのこと。数は出ないが特大ハマグリも飛び出し、すでに大満足状態。
周りもアサリ、ハマグリメインで多くの人が袋を一杯にしている。当日は比較的どこでも貝が採れたが、やはり強いのは障害物周り。転々と大きな岩やネットと支柱などが海にはあり、その周辺は砂とともに貝が流されにくいため貝が溜まることが多い。そういったところを重点的に攻めるのもオススメだ。

雨の中の潮干狩りの長所短所
ある程度取れた所で雨足が強まってきた。ここで少し雨の中の潮干狩りのメリットとデメリットを紹介したい。
メリット
第一のメリットは人が少ない点。特にファミリー層はほぼ居ない。つまりそれだけ競争率が下がり、広範囲に渡って貝を探しやすくなる。
そしてそもそも海のレジャーで濡れる前提でいれば余程ザーザー降りにならない限り、潮干狩りそのものがやりにくいということも無い。強いて言うなら塩が湿気りやすいため塩を使ったマテ貝採りがやりにくいくらいだ。
デメリット
雨天の潮干狩りのデメリットとしては、寒さで人の心が折れる可能性があることだ。この時期に雨はまだまだ寒いことも多い。防寒対策には力を入れたいところだ。
また雨足によって掘っても雨で掘ったところが崩れて掘りにくくなってしまうなんてこともあるだろう。ちなみに生物学的観点からみれば海洋生物の彼らは真水には強くない。そのため深く潜るなど薄い塩分濃度に対し忌避行動を見せることもあり得る。
そして、雨といえば豪雨が予想される時もあるだろう。覚悟を決めて強行するのも一手だが潮干狩りそのものがやっていないこともある。理由としては海況そのものが悪く危険な場合や周辺の河川からどんどん海に水が流入し上手く潮が引かないケースがあるだろうから、要確認だ。
トンボロ現象
当日は幸いにも雨足が強まりそうになるとすぐ止んだりと、潮干狩りの続行を考える場面にはならなかった。すでに最初の入漁料と引き換えに貰った袋には入らない始末。潮も満ち始めていたため引き上げることにした。受付で超過分の料金を支払いニコニコで後にした。

また今回潮干狩りをした場所は、島国の日本でも全国的に珍しいトンボロ現象が見られるところ。潮干狩りをしている間は全く気にしていなかったが一見の価値はある。
トンボロ現象とは簡単に言うと普段は島である陸地が、潮が大きく引いたタイミングで主陸地との間に道ができ、陸伝いになる現象である。トンボロとはイタリア語であり、日本語では陸繋砂州(りくけいさす)という。砂などが島と主陸地の間に堆積することが要因だ。
余談だがこの陸繋砂州は長い時間を経て島を主陸地と繋げる時がある(陸繋島)。観光地として有名な北海道の函館山や神奈川の江の島などは、以前は完全な島であったとされるが現在は陸伝いとなっている。長い時間を掛けて島と主陸地を繋げる自然の力には感服するものである。なにはともあれ貝も大満足で珍現象を見られて文句なしの結果となった。

帰宅しながら砂抜き
帰りは砂抜きをしながら帰ることで帰宅までの時間も有効活用。釣り人ならバッカンやらクーラーやら容器には困らないだろう。
帰宅するとハマグリ、アサリの豊漁を聞いた彼女が酒蒸しを食らおうと待っていた。追加でお湯を使った急速砂抜きをして酒蒸しに。シンプルな酒蒸しが私はもっともおすすめだ。春キャベツと貝の酒蒸しなんかも季節感がありオススメだ。

雨だからと中止にせず潮干狩りは雨こそ狙ってやるのもいいだろう。
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<永井航/TSURINEWSライター>
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