アジをルアーで狙うアジング。細いラインと軽量ルアーを使う繊細なこの釣りにおいて、アジのアタリやルアーの動きをアングラーに直接反映するロッドは重要なアイテムです。

今回は初心者向けのアジングロッドの選び方と、おすすめのアジングロッドを紹介します。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部)

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アジングロッドは感度が命

アジングロッドを選ぶときに最重視したいのが感度。特にアジングの基本となる軽量ジグヘッドを使った釣りでは感度が求められます。

なぜかというと、アジは捕食の際にエサを吸い込むように捕食します。軽いジグ&ワームを吸い込んだときの繊細なアタリを感じ取って、アジの口の硬い部分である上顎に瞬時にフッキングする必要があるので、他の釣りよりも高感度なロッドが求められるからです。

また、アジングでは1g前後や、ときに0.2gといった超軽量ジグを潮に流す釣り方が主流なので、潮の抵抗を感じながらジグがどこを流れているのか感じ取れることも重要になってきます。このような感度を備えるには、繊細なティップ、テーパー(調子)、ロッド自体の軽さや、リールを付けたときのロッドバランスなども関係してきます。

【2024】アジングロッドおすすめランキング8選 初心者向けのハイコスパロッドを紹介
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アジのアタリは繊細(提供:TSURINEWSライター井上海生)

代用ロッドはおすすめしない?

軽量ルアーに対応したロッドではメバリングロッドや、汎用ライトゲームロッドなどもあります。しかしメバリングロッドはリトリーブの釣りがメインでバット(胴)近くまで柔らかい調子のロッドも多く、ファーストテーパー(先調子)モデルでもアジング専用ロッドよりは全体的に柔らかさを持ったロッドが多い傾向にあります。汎用ライトゲームロッドについてもアジング向きのものからメバリング向きのものまで特性が様々。

特に繊細なジグ単の釣りにおいては初心者のうちはアタリが分かりにくく、ロッドの特性が合わないとそれが顕著です。そのため、アジングに特化した設計で作られた専用ロッドを使うことを強くおすすめします。

アジングロッドの選び方

続いて実際にアジングロッドを購入する際に悩みがちな、硬さや長さ、ティップなどの選び方を解説していきます。

アジングロッドの長さ

アジングロッドの最適な長さは、基本のジグ単の釣りであれば操作性の高いショートロッドが向きます。ロッドが短いほどロッド本体の重量も軽くなり感度にも繋がるほか、取り回しもよく軽いルアーを投げやすいので、おすすめは5ft台や長くても6ft程度となります。

一方7ft以上のロングロッドは重いルアーやフロートなどを遠投するのに有利です。沖をアジが回遊する堤防や、サーフや地磯など、遠投が必要な釣り場であれば選択肢に入れましょう。

【2024】アジングロッドおすすめランキング8選 初心者向けのハイコスパロッドを紹介
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通う釣り場なども考慮してロッドを選ぼう(提供:TSURINEWS編集部)

アジングロッドの硬さ

アジングロッドは、硬さによってはっきりと役割が分かれていることが多く、柔らかい番手ならジグ単向き。硬いものならキャロ・フロートやプラグ向きが基本です。

また、硬さを選ぶ際には、製品の硬さ表記よりも対応ルアーウェイトを見るのが重要。ジグ単であればウェイトの下限が0.2g~0.5g程度のUL~Lクラスなどの番手が扱いやすい硬さとなり、下限が1g以上のMLなどの番手になると、重いジグやプラグ、キャロ・フロートなどは使いやすくなりますが、トレードオフで軽量ルアーを扱いづらくなります。そのため、初心者の場合は、まずはジグ単の釣りに向いた対応ルアーウェイトの軽い、柔らかいロッドを選ぶのがおすすめです。

ジグ単の釣りを覚えて、プラグやキャロ・フロートリグ向けの硬めのロッドも揃えたくなった際には、どの程度の重さのプラグやキャロなどを使うか考慮し、下限だけでなく上限ルアーウェイトも意識しながら選んでみましょう。

【2024】アジングロッドおすすめランキング8選 初心者向けのハイコスパロッドを紹介
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キャロ・フロートリグを使うなら長くて硬めのロッドが向く(提供:週刊つりニュース関東版 渡邉長士)

ソリッド?チューブラー?

ティップ(穂先)は柔らかいソリッドティップが使われることが多いですが、硬めのチューブラーティップが採用されたモデルもあります。

ソリッドティップはしなやかなためアタリを弾きにくく、穂先にルアーや潮の流れの重みが乗るので軽量ルアーの操作感がわかりやすいのが大きなメリットです。アジングロッドではジグ単向きのロッドを中心に幅広く採用されています。アタリの出方は竿先に出ることが多く、モタレやジグの重さが抜けるような動きを目で見て取ることに向いた、目感度重視のティップとなります。

チューブラーティップは反発力があり、アタリがあるとアジの食いついた振動が反響する「反響感度」としてロッドの手元に現れます。

反発力があることでレスポンスもいいことから、アジが小魚を追っているベイトパターンで、プラグやダート用のジグ、メタルジグなどにアクションを付けて食わせるような場面に強いです。ただ、基本のジグ単の釣りではアタリを弾きやすく、アワセのタイミングがよりシビアになるのであまり向いておらず、広くは採用されていません。

【2024】アジングロッドおすすめランキング8選 初心者向けのハイコスパロッドを紹介
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ティップの違いでアタリやジグ操作の感覚が大きく変わる(提供:TSURINEWS編集部)

また、アジングでは「ハードソリッドティップ」などの硬めのソリッドティップが採用されることも多いです。こちらはチューブラとソリッドの中間のような特性を持ち、適度に張りを持ったソリッドティップとなります。

そのほかには、柔軟ながら反響感度を高いレベルで併せ持ったチタンティップが採用されたモデルも、ハイエンドモデル限定ですが存在します。操作性・感度は格段に増すのでお財布に余裕があればこちらも検討してみましょう。

アジングロッドのテーパー(調子)

テーパーはアジングロッドの場合、掛け調子と言われるファーストテーパー(先調子)のロッドがほとんどです。理由は明確で、軽量ルアーの操作性がよく、アジのアタリを捉えてレスポンスよくアワセを入れられるので、アジングに向くためです。

その中でも細分化されていて、パッツン系と呼ばれるような竿先近くまで硬めのエクストラファストテーパー、ベリー部分に近いところまで曲がるファーストテーパーなどもあります。この辺の選択は好みもありますが、初心者であればパッツン系よりも柔らかさを残したテーパーのほうが軽量ルアーを投げやすく、ある程度オートマチックにフッキングしてくれるのでおすすめです。

また、スローテーパー(胴調子)よりのアジングロッドも一部販売されていますが、こちらはあえて曲るロッドでアジングを楽しもうといったコンセプトのものが多く、一周した上級者向けと言えるかもしれません。

【2024】アジングロッドおすすめランキング8選 初心者向けのハイコスパロッドを紹介
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微妙なテーパーの違いは実物を手に取らないと分からない部分も多い(提供:TSURINEWSライター井上海生)

アジングロッドの自重

ロッド自重もアジングロッドを選ぶときに意識しておきたいポイントです。自重が軽量なほど操作していて疲れにくいほか、感度も良くなるので軽いジグの操作感も分かりやすくなります。

ロッドの価格帯に応じても自重は変わり、5~6ftのショートロッドのアイテムを比較しても高価格帯の40g以下の超軽量ロッドから、安価なロッドでは100g近くあるものまで様々。

5~6ftなら最低限70g未満の軽さのロッドだと、持ち重りもしづらく使いやすいと思います。

また、リールとのバランスも大事。ジグ単メインのアジングでは軽量な1000番台のリールを組み合わせることが多いので、重いロッドだと先重りして軽量ジグの操作感が分かりにくくなることも……。特にハイエンドモデルなどの150g以下といった軽量リールは、軽量なロッドと組み合わせると感度も非常に良くなりますが、重いロッドとは組み合わせづらい一面もあります。手持ちのリールとのタックルバランスも意識しつつ選んでみてください。

安いアジングロッドでも使える?

アジングロッドの価格帯は1万円以下の安いロッドから、5万円以上するものまで様々。安いものは、グラス含有率が高いアジングに向かないようなロッドや、感度が足りず軽量ジグを扱いにくいロッドもありますが、選び方に気をつければ1万円前後のロッドで十分にアジングを楽しめます。

ただ、繊細な釣趣のアジングにおいて、ロッドは他の釣りよりも重要なアイテムと言えます。ミドル~ハイエンドモデルのロッドは操作性も感度も格段によくなるので、最初の1本からこだわったロッドを買うのもおすすめです。

おすすめのアジングロッドランキング

最後に初心者向けのおすすめアジングロッドを紹介していきます。

1.月下美人 AJING

ダイワのアジングロッド「月下美人 AJING」はエントリーモデルながら、軽量・操作性・感度とアジングロッドに必要な要素を十二分に持ち合わせたハイコストパフォーマンスなロッドです。定価一万円アンダーのライトゲームロッドとは一線を画すクオリティで、本格的にアジングを始めたい人の最初の1本として最適です。

初心者におすすめの番手は軽量ジグを扱いやすい「55UL-S」か「510UL-S」。その他にはジグ単に加え、ライトフロートなども扱える「68L-S」。キャロやフロート向きの「78ML-S」「80ML-T」もあります。

2.コルトUX

オリムピックの「コルトUX」はエントリーグレードでありながら、エキスパートも唸らす性能の高さを持ち、アジングファンから高く評価されてきたモデルです。軽量化・感度アップの新シートを採用するなどした新たなモデルが2023年夏に登場しています。

ラインナップは非常に細分化されており全9機種あり、超軽量ジグを使った豆アジ用のモデルからキャロ・フロート特化のロッドまで様々。初心者であれば「572UL-HS」「612UL-HS」「612L-HS」あたりのモデルがおすすめです。

3.ソアレ BB アジング

2023年8月にリニューアルしたシマノ「ソアレ BB」のアジング専用モデル。実売価格は1万円台前半ながら、大手メーカーだけあり使われている素材もハイパフォーマンスなものばかりです。自重もこの価格帯としては軽く、50gを切るモデルも存在。軽量さも大きな特徴となります。

採用しているティップでロッドの味付けが分かれており、「S54SUL-S」は柔らかめの穂先素材「タフテック」を搭載した軽量ジグ特化モデル。軽量なジグの重みを穂先に乗せつつ、アジのアタリのモタレを感じ取ることができる目感度と操作性に優れたロッドです。

他の「S58UL-S」「S610L-S」「S64UL-S」は少し硬めのソリッドティップ「ハイレスポンスソリッド」を採用しており、名前の通りレスポンスよくルアーの操作とアワセを行えます。ティップに適度に張りがあるモデルなので、プラッキングなども視野に入れるならこちらもおすすめです。

4.鯵道 5G

コスパのいいロッドで知られるメジャークラフトの最上位アジングロッドが「鯵道 5G」。新製法の「R360構造」と、最新素材「東レ(株)T1100Gカーボン」を組み合わせており、軽量で高感度なブランクスを持ちつつ、実売2万円以下とお手頃な価格で手に入るため、コスパのいいロッドに仕上がっています。

ラインナップは8機種あり、ライト・ミディアム・ヘビー・キャロモデルでわかりやすく分類されています。

最初の1本であればライトモデルを好みのレングスで買うのがおすすめです。

5.THIRTY FOUR+E

サーティフォーはアジングのパイオニアである家邊克己さん率いるメーカーで、アジングに特化した製品を販売しています。「THIRTY FOUR+E」は定価1万円台の入門者用ロッドで、現状「+E」シリーズのラインナップは「410M」のみとなります。

取り回しがよく初心者にも操作しやすい4ft10inの超ショートレングスを採用しており、対応ジグウェイトは0.3-3と、軽量ジグヘッドの釣りに特化したモデルといえるでしょう。初心者がアジングの基本となるジグ単の釣りを覚えるのに最適なロッドになっています。

6.ラグゼ 宵姫 爽

がまかつの「ラグゼ 宵姫 爽」は、高品質なブランクスとチタンガイド採用と値段以上のスペックを持ったロッドです。張りのあるバット~ベリーに繊細なソリッドティップを組み合わせており高い操作性と感度を持ちます。

「S53FL-solid」「S58FL-solid」はジグ単特化のモデルで超軽量のジグヘッドも扱いやすいモデル。「S63UL-solid」は1g前後のジグとマイクロプラグなどにも対応しており、この3つが初心者にもおすすめなモデルとなります。ほかにも対応ジグウェイトの幅が広く、バーサタイルなモデルやキャロ用モデルもあります。

7.スラム EXR

ティクト「スラム EXR」はSic-Sリングガイドや高弾性カーボンを採用し、ハイレスポンスな操作性が特徴のロッドです。中堅機種ではありますが、素材やロッドバランスにもこだわり抜いており、上位機種にも使用感は劣りません。

ラインナップも11機種あり、スタイルに応じたロッド選びが可能。初心者であればジグ単モデルの「EXR-64S-Sis」「EXR-60S-Sis」「EXR-57S-Sis」がおすすめです。エントリークラスのロッドに比べればお値段はしますが、価格に見合う感度を持ち合わせたロッドとなります。

8.スーパー アジスト TZ

tailwalkの「スーパー アジスト TZ」は定価4万円台(実売は3万円台)のハイエンドアジングロッド。ブランクからバットまで素材にこだわり抜いた高性能ロッドです。モデルは4.7ft~から6.1ftのショートロッドが5機種ラインナップされており、特性はさまざま。

おすすめはチタンティップモデルの「47/TISL」「53/TISL」で、チタンティップは軽量ジグの操作性を高める柔らかさがありつつ、チタン特有の高い反響感度も持ち合わせています。そのため、豆アジクラスのごく繊細なアタリや、ワームのズレでの微妙な抵抗の変化まで分かるほどの感度があり、アジングの醍醐味を存分に楽しめるロッド。ハイレベルなロッドでアジングに入門したい人におすすめです。

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<TSURINEWS編集部>

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