今回ご紹介するのは「ジグヘッド+オキアミ」による釣法です。シチュエーション毎に有効なアクションや工夫の必要性をより具体的に伝えたいと思い、この釣法を開発したフルタさんに教わってまいりましたので、その真髄と釣果をご報告致します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・松永一幸)
冬の渋い時期に効くジグヘッド+オキアミ釣法
寒さも際立つこの時期、アジングもメバリングも良型狙いのベストシーズンに突入します。しかし、ベストシーズンとは言え、日中にワームで釣果を得るには難しい状況に変わりはありません。
きっと原因は腕前の悪さと思われますが、「デイでは釣れない!」と諦めて納竿する事の多かった筆者。そこでご紹介したいのが「ジグヘッド+オキアミ」による釣法です。
フルタさんの使用したタックル
・ロッド: Providence FER-58
・リール: 16‘ストラディックCI4 C2000S
・ライン: エステル0.2号
・リーダー: フロロ0.8号

一投に一匹をゲットする好調さに苦笑い
筆者もこの釣法を好んで取り入れているのですが、釣果としては日中のワームよりリアクションが多くなる程度で、メバルやガラカブがたまにヒットするも、良型が混じるのは少ない印象です。
しかし、「フルタ式」を繰り出すフルタさんは、一投に一匹の釣果。もしや購入したオキアミの数と同じ数の魚を、海から連れて来るのでは?と思わせる程で、目の前にした光景は脅威でした。
たまに招かざる良型ゲスト
どうしても、エサが目立つ演出になる為、フグからのリアクションは強めになる傾向も……。「フグの居るタナさえ明確になれば、避けるのは簡単だ」と話すフルタさん。笑いながら緊張感高まるファイトを制する姿は、女性を感じさせない逞しさがあります。
「やっぱりね!」と呟くフルタさんを横目に上がって来たのは大きなフグ。「君が居たんだね。」と一言。更に「もう来ないでね!」と告げて優しくリリース。フグの居るレンジは把握された様子でした。

ワームでは釣れない魚種も登場
エサが付いた釣法である為、多種多様な魚が釣果として得られます。ワームに反応しない魚も釣れるのは、反応が薄いこの季節に、モチベーションが維持しやすい要因。
アングラーとしてこの上なく楽しく釣りが出来るのは長所なのですが、釣れる魚の釣り分けが難しいのが短所だそうです。過去にグレ、ベラ、グチ、コウイカ、クロサギ以外にもウミヘビが釣れてしまったようです。
「あの時は、本当に困った。」と話されてました(長い生き物が大嫌いで虫を使わないのはその為だそうです)。また、「ボラ」の回遊が見えたら、取れるサイズなら果敢にアプローチして行くと語っておられました。
横に走るだけで、面白みは無いけど、ドラグの使い方やラインの特徴など「タックルスペック」を理解するのに重宝する様です。
「ちょっと前のヒラはつまらなかったね……」と呼びかけられた筆者。私はエステル0.3号であの大きさは無理と思いましたが……と思いながら苦笑いしました。
オキアミならではのアクション
ここからは、オキアミをどのように動かしていくのか解説します。
基本は潮流を意識する
パイロットとなるウキが無いフカセ釣り「完全フカセ」に習い、ロッドの高感度の恩恵を最大限に活かして「潮流に流す」のが基本スタイルとなる様です。
払い出し、引か」、もぐりと多種ある潮流ですが、軽めのジグヘッド(0.5号)を潮流の特徴に合わせて送り込む「全誘導・全層」と言ったフカセ釣りに似た形です。
一番の違いは撒き餌が無いところです。フカセ釣りの経験がある筆者としては、撒き餌はこのスタイルに欠かせない印象ですが、フルタさんは、「釣りたい魚を目指してアプローチをかけていけば必ず出会えるよ」と語ります。
更に、基本スタイルの理由を訪ねたところ、「その潮の中に居るから、そうしているだけなのよね」と答えていただきました。
風との付き合い方
プランクトンパターンをイメージする当て潮や向かい風の状況では、ウインドドリフトをしているようです。まず、キャスト後にカウントを取り、狙いのタナまでジグヘッドを送り込みます。その後、ベールを起こしティップから出ているメインラインと海面との間の糸ふけで帆を作ります。
そして、帆に当たった風で押された分の弛んだ糸ふけを巻き取ります。この時、寄って来たルアーの位置が、狙っているタナのレンジをキープ出来る様に、風で押される帆の大きさと弛みの基準を作り、アタリが出た時のものを再現するのが肝要です。
しかし、帆を作るのに少し工夫が必要な様で、エサなので完全向かい風の状況が取れなくても、アジングやメバリングが成立するようですが、ジグヘッドの重さと風の強さのバランスを見つけるのが難しいようです。
エサも重さが決まってないので、オキアミの水分含有量は気にしていないと、すぐにレンジからハズレたりすることもあり、計量器で測る訳では無いのですが、乾燥させると狙い易いとのこと。
実際に、係船柱の上でオキアミを乾燥させて調整されていました。

ボトム付近をリトリーブ
「日中の釣行で、より楽しくゲーム性を残した釣りがしたい」をコンセプトに開発したので、ボトム感知はやり易いとのこと。何せラインが見える状態ですから、カウントしておけば次から楽なのはどの釣りでも共通です。
それを踏まえて、エサならではのアクションをします。フワフワと漂わせる感じで、スーパーデッドスローリトリーブで誘います。イメージとしては、ボトムを気ままに転がるプランクトンとのことです。
中層でラインテンションをかけて待つ
勿論、ルアータックルでジグヘッドリグを使用しての釣法ですから、テンションフォールも有効です。少し違うのは風でラインを押されてリグの動きがおかしくなっても当たって来る為、そのままウインドドリフトに発展させる方法も有効です。
また、オキアミを使用しているので、小エビにも見えると考え、跳ねる動きから息絶えた雰囲気を演出するのも効果が出やすいとのこと。
筆者のタックルで挑んでもらう
ロッド:TZS-S632AJI
リール:08’ツインパワー1000S
ライン:PE0.25号
リーダー:フロロライン0.8号

筆者のタックルとフルタさんのタックルを入れ替えて、釣行に挑んでもらいました。少し、PEラインとロッドの性格に苦戦しそうですが、「特に問題無いですよ」とサクッとガラカブを釣ってもらいました。筆者は、少し自信喪失です。
筆者は釣れずフルタさんは釣る
筆者もフルタさんのタックルをお借りして釣りをするも、ロッドから伝わる情報が格段に増えたのにも関わらず、魚の居る場所をサーチ出来ません。
少しコツが必要なようで、この釣法には特有のロッドワークがあるようです。
オキアミを使うと冬でも魚が釣れる
筆者もデイアジングの経験はあるも、そのハードルは高く、断念した過去があります。しかし、オキアミを使うとリアクションが返って来るのは明確で、コツを掴めば色んなターゲットに巡り会えそうな雰囲気は期待大です。
更に、釣り分けが難しい為、たまに大物もかかるので、ランディングネットは必要とのことです。皆さんもアジングの際は、「ビビッ」と来たオキアミをワンパック購入して、釣行するのをおすすめします。

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<松永一幸/TSURINEWSライター>