寒い冬が終わり待ちに待った春がやってきた。これから気温水温とも上昇し、いよいよ釣りシーズン本番を迎える。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 桑原一幸)
確実に釣行するために予約は必須
海上釣り堀への釣行は、まずは予約を取ることからスタートする。飛び込みでも釣行可能な釣り堀もあるが、定員があり満員の場合は釣りができない可能性がある。釣行日が決まったら、必ず予約をしてから釣行するようにしよう。
海上釣り堀では、時期や魚の在庫状況によって放流されている魚種が変わる。状況に応じた対応(エサ、仕掛けの準備)を行うために、釣行前にはホームページや受付時に最近の状況を確認するようにしよう。
釣行当日、受付時に最近の状況を確認すると、気温水温の上昇とともに全体的にまずまずの釣果が上がっているとのこと。特に青物は冬の間はなかなか数が上がっていなかったが、直近では釣果が上向いているらしい。
当日は風のない穏やかな日に恵まれたこともあり、好釣果を期待しながら渡船に乗り込んだ。
準備は万端に
ほとんどの海上釣り堀では、乗合で釣行する場合は釣り座を決めたら準備ができた人から釣りを開始して良いところが多い。朝一は魚の反応が良い場合が多く、イケスに渡ったら速やかに釣りがスタートできるように準備しておかないと、せっかくの時合いを逃してしまうことになる。スムーズに釣りを始められる準備をしっかりとしておこう。
今回は貸切釣行ということもあり、全員の準備が整ったところで一斉にスタートした。
朝一からの好反応を期待したものの、予想に反してなかなか魚からの反応がない。しばらくすると対面の釣り座で連続してマダイがヒット。どうやら反対側の釣り座に魚が偏っているようで、対面側ではポツリポツリとアタリが出るようだが、私には全く反応がない。
シラサエビにカンパチがヒット
そこで4.3mの長いロッドに持ち替え、イケスの中央付近を狙うことにした。朝一の海上釣り堀では、効率よくその日のパターンをつかみたいので、コーナー付近でアタリが出ないようであれば中央付近を、底付近のタナで反応がないのであれば思い切って中層から反応を探る。
当日もエサをローテーションして魚からの反応を探っていると、シラサエビに当日の初アタリが出た。小さい前アタリの後に大きく穂先を引き込み、アワセを入れると当日の1匹目がヒット。ヒットした瞬間にロッドが大きく曲がり、一気に魚が走りだす。どうやら青物がヒットしたようだ。
海上釣り堀では、魚がヒットしたときに青物かマダイかを判断し、青物であれば周りの釣り人に青物のヒットを伝えるようにしないと、最悪の場合同じイケスにいる全員の仕掛けとオマツリしてしまう。
朝一はマダイも青物も高活性の場合が多い。朝一の基本はマダイ狙いとなるが、青物がヒットすることもよくあるので必要以上に仕掛けを細くしない方が良いだろう。
当日も1匹目は良型のカンパチがヒットしたが、3号のハリスを使用していたので取り込むことができた。
放流後に青物フィーバー
ここで放流タイム。多くの釣り堀では1回目の放流はマダイ中心となるが、和光では1回目が青物、マダイ混合の放流。
するとすぐに穂先が押さえ込まれた。今度は青物タックルでのヒットだったため、比較的短時間で勝負がついてワラサが上がった。
ここから一気に活性が上がる。和光の魚影の濃さもあってか、イケス内で次々と青物がヒットする。同行の森君にもワラサがヒット。
この時合いではイケス内で10匹程度の青物がヒット。青物がヒットした場合は、とにかく仕掛けをオマツリさせないように気をつけたい。
青物は活性が上がると次々とヒットするが、オマツリさせて仕掛けを失ってしまうと、大幅なタイムロスになる。仕掛けを作り直したころには時合いが終わってしまっていた……ということもよくある。周りの釣り人の状況もよく見ながら狙うようにしてほしい。
青物の活性が一段落するとマダイが数匹ヒットしたが、相変わらず対面の釣り座の反応が多い。どうにか引き出したアタリを拾って1匹目のマダイを釣ることができたが、その後再び反応がなくなってしまった。
春は幅広くタナを探ろう
そうこうしているうちに2回目の放流がきた。和光の2回目の放流はマダイ中心となる。多くのマダイなどが放流されたが、なかなか反応が出ない。アタリが出ない場合は、狙うタナとエサを変えながら反応を探る。
特に春は魚が5m前後の中層から、底(10m前後)まで幅広く散らばっている傾向がある。ミャク釣りの場合はタナを広く意識して狙い、ウキ釣りの場合はこまめにウキ下の調整を行うことが大切だ。
海上釣り堀ではエサを投入してひたすら魚からのアタリを待つイメージがあるかもしれないが、手を替え品を替えて誘わないと、なかなかアタリを引き出すことはできない。同じイケスの人と情報交換をしながら、釣れている人の使用しているエサや、狙っているタナに合わせて狙うのも有効だ。
相変わらず対面側の釣り座はマダイからの反応が多いようだ。私の釣り座では反応が少なかったが、マルキユーのホットイエローを中層から落とし込んでイサキを追加することができた。
終盤イケス中央でシラサエビのエサで再びアタリ。アワせると青物がヒット。すぐに青コールで仕掛けを上げてもらったこともあり、マダイ狙いの2.5号のハリスだったが、無事にカンパチを追加できた。
当日私はマダイの反応が少なかったものの、青物の時合いを的確に捉えて、青物5匹とまずまずの釣果となり、春の一日を満喫できた。同行のメンバーも全員がまずまずの釣果となり、和光の魚影の濃さと放流量の多さを感じさせられる一日となった。
海上釣り堀で好釣果を上げるには
海上釣り堀で一匹でも多く釣るためのポイント3つを紹介しよう。
釣れるタイミングを逃さない
海上釣り堀では、青物とマダイがメインターゲットとなる。マダイは朝一や放流時以外は1カ所に固まる傾向があり、青物はイケス内を回遊していることが多い。いずれも口を使うタイミングがあることから、一日を通して常に釣れるわけではない。
朝一、マダイ放流後、青物放流後が釣れる可能性が高い時間帯となる。この釣れるタイミングでいかに釣るかが重要となってくる。仕掛けなどはスムーズに取り出せるよう事前に準備しておき、ハリをのみ込まれてしまった場合は、ハリスを切って交換する。
また釣りの最中は先にも書いたが自分のサオだけでなく、常に周囲の状況を確認してオマツリなどのトラブルに巻き込まれないようにすることが大切だ。
エサのローテーションは必須
エサのローテーションを行うことで、突然アタリが増えることがよくある。日によって反応が良いエサが変わるため、なるべく多くの種類のエサを準備するようにしよう。
私はダンゴはマルキユーの4種類(マダイイエロー、ホットイエロー、マダイスペシャル、マダイストロング)を中心に5種類ほど準備し、漬け込みにこれだ!などで漬け込みしたアマエビ、シラサエビ、虫エサを準備する。
青物用のエサとして生きアジ、ウグイ、冷凍カツオ、冷凍イワシ、キビナゴなど15種類前後のエサを準備している。
どこの海上釣り堀へ釣行するか
放流が多い海上釣り堀に釣行するのも、好釣果を上げるポイントの一つになる。単純な放流量だけでなく、青物を多く放流している、放流魚種が多い、魚がおいしいなど海上釣り堀ごとに特色がある。皆さんの狙いに応じた海上釣り堀へ釣行するようにしよう。
今回紹介した海上釣り堀で好釣果を上げるポイントをしっかりと押さえ、皆さんも高級魚をゲットしてほしい。
<週刊つりニュース中部版 桑原一幸/TSURINEWS編>
▼この釣り場について和光
この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年4月26日号に掲載された記事を再編集したものになります。