早いもので、小学校の頃から釣りを始めてもう20数年が経った。自分より釣り歴が長い先輩方には及ばないが、筆者もそれなりにいろいろな経験やら思い出がある。

今回はその思い出やら経験の中から毒にも薬にもならないが暇つぶしにはなりそうな話をご紹介する。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・檜垣修平)

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初心者の変な共通点

釣り初心者の友人2人の話である。一人は夜釣りでフロートリグを使用したメバリングをしており、浅瀬に仕掛けを引っかけてしまった。しかも運悪くフロートリグもろとも切れてしまったらしく、まあよくあることだよと話しているとおもむろにズボンの裾をまくり上げ海に入っていこうとする。

たしかに水深は50cmくらいのところだから回収できなくもないが波打ち際から10mくらいのところだ。フロートリグの仕掛けは500円もしないので自分からすれば、滑る危険があるし靴と靴下を濡らしてまで取りに行くのは割に合わないと言ったのだが、彼は回収に向かった。

もう一人の友人はメタルジグを回収中に引っかけてしまい、こちらの彼もズボンの裾をまくり上げ回収に向かった。浅瀬と言えば浅瀬だが、波打ち際から20mくらいの場所なのでさすがに難しいと思うのだが……。

「水族館のメバルが怖い?」元釣具屋店員の記憶に残る釣り&サカナにまつわる小話3選
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海に入って仕掛けを回収(イメージ)(提供:TSURINEWSライター・檜垣修平)

二人とも今思えばバカだったと語るが、その数百円も人によって価値は違うだろうし地球環境の為を思えば間違ってはいない。くれぐれも怪我や事故には気をつけてほしいところだ。

水族館の怖いメバル

愛知県某所のこじんまりとした水族館に行った時の話である。そこにはメバルにエサをあげられるコーナーがあった。ふれあい水槽みたいな感じで腰くらいの低くて円形の水槽がありその中にメバルが30匹ほどいただろうか。

メバルの餌付け水槽というのが珍しかったのでためしにやってみると、人影が見えたとたんに水面付近に集まってくるメバル達。

ペレット状の餌を撒くと水面を割りながら激しくボイルしていた。

小さい頃からこれを食べて育ってきたのだろう。違和感を感じたのはそのメバル達を横から観察しようとしたときである。よくよく見ると、明らかに普段釣っているメバルとは様相が異なっていたのだ。

「水族館のメバルが怖い?」元釣具屋店員の記憶に残る釣り&サカナにまつわる小話3選
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これくらい大きな目だった(提供:TSURINEWSライター・檜垣修平)

画像はイメージ用に私が加工したものだが、これくらいに目がデカかったのだ。元々メバルは目が大きい魚だがこの水槽のメバルは全てさらに目が大きい。毎日明るい環境で上から落ちてくるペレットを見逃さないようにしているからだろうか。

人間も繰り返し運動で身体に変化が起こるが、目が大きくなるのは凄い変化だ。なぜ目が肥大化したのかは分からないが、見慣れているが故に少し怖いと思った経験だった。

基本は大事!な話

私がまだ半人前の釣具屋店員だった頃の話だ。店舗の上司らと3人でボートエギングに行くことになった。私は初めてのボートエギングで、陸上からのエギングとの違いに苦戦していた。

着底すらろくにわからない状態だったので自分の中の基本に立ち返り、自分の釣りの中ではいつもトップバッターに選ぶエギ王ライブサーチ3号を水深×3秒カウントして3回シャクる、6カウントでまたシャクる、をひたすら繰り返した。

シャクり方もベーシックな糸ふけを出して行うスタイルで、ジャークや段シャクりのような応用技はしない。

「水族館のメバルが怖い?」元釣具屋店員の記憶に残る釣り&サカナにまつわる小話3選
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基本アクションが釣果に直結した(提供:TSURINEWSライター・檜垣修平)

それらが功を奏したのか、釣果は竿頭だった。間違いなくエギングの技量では上司らに劣っていた自分に何故一番の釣果が出たのかは分からない。

3号のエギが良かったのか、ラトルが良かったのか、ベーシックなシャクりが効いたのか、それら全てが要因だったのかもしれない。ただ、自分の中で未知のエリアに足を踏み出す場合、一度立ち返る基本は持っておくべきだなと痛感した日であった。

<檜垣修平/TSURINEWSライター>

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