元釣具屋店員の筆者が、大手釣具屋チェーンに就職して良かったことと、悪かったことをぶっちゃけて紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
釣具屋への就職
私は大学4年頃に特にやりたい仕事が無く、就活に全く身が入らないでいた。レンタカー屋、通信系会社、ゲームメーカー等色々受けたが落ちたり、内々定をもらってもいまいちしっくり来ていなかった。
夏も終わろうかという頃になってようやく、そういえば自分は釣りが好きだったと思い出し釣り具業界を目指しだした。あまりに遅い気づきであるが、なんの偶然かたまたま中部エリアの大手チェーン釣り具屋が本来なら募集していない時期に欠員により急遽募集が掛かっていた。そこに滑り込む形となり4年半勤める事となった。

悪かったところ
良い知らせと悪い知らせ、どっちから先に聞くか?と聞かれたら私は悪い知らせから聞く派なので悪かったところから述べよう。
釣具の買い物が楽しめない
これは賛否あるだろうが、私の中では悪いポイントだった。競合他社の釣具店に入ったら売り込み品は何か?プライベートブランドはどんな商品があるのか?うちにない商品がないか?と探してしまう。
買い物に来たのにいつしか視察しにきたようになってしまっている。

給与面はあまり期待できない
これは会社ごとで異なるだろうが、同じ業種であるのでそこまで大きく変わりはしないだろう。生活に困窮するような給料だったわけではないが小売り接客業なので高給取りだったとは言えない。
なにより商品に囲まれて働いているので、欲しいものがどんどん湧いてくる。店長クラスは結構貰っていたようだが……店長に上がるには狭き門をくぐる必要がある。
人気商品が買えない
これは仕方ない事であるが、激レアルアーが入荷しても買う事は出来ない。お客様ファーストである以上、どんなに欲しくても自分で買う事は出来ない。
良かったところ
続いて、良かった点を紹介しよう。
小売業と接客業について学べる
これは私が最もよかったと思っていることだ。物を売る楽しさやお客様対応など学べることは多い。自分で商品を選定し発注量を決めて売る。商売の基本だが、自分が仕入れしたものが売れて売り上げが立っていくのは楽しい。
釣りという趣味でお客様と最初から繋がっているので、店員と客の距離が近く常連様も出来やすい。
仕事が楽しい
釣りが好き、という条件付きだが仕事は楽しかった。釣り具に囲まれながらの仕事が釣り好きにとって楽しくないわけはない。新製品にいち早く触れられるし、これは売れそうだという新製品を紹介された時はワクワクした。
自分たちでオリジナルカラーのルアーを作ったりもした。大型店ならイベントで有名プロを呼んだりもするので一緒に食事や釣りに行くような機会もあった。
釣りのために休みやすい
この日はジギング行くので休みにしてください、ここ遠征明けなので遅番でお願いします、という風に融通が非常に効きやすい。大会に出るような人たちもいた。基本的にはシフト勤務なので平日の人が少ないタイミングで釣りに行くことが出来るのも釣り人にとって嬉しいポイントだろう。
釣り具購入の無駄がなくなる
たくさんの商品知識が身に付くので、釣り具の買い物で下手を打つことはなくなるだろう。入社直後は買い物をしまくりだったが、数年も経つ頃にはピンポイントで必要な物を買えるようになっていた。
モデルチェンジ等の情報も入ってくるので何を買うべきか、どの番手が今自分に必要かを迷う事は無くなるだろう。迷っても先輩方に聞けば良いのだ。

<檜垣修平/TSURINEWSライター>
