12月~2月、関東地方ではヤリイカが産卵のため浅場に接岸してくる。中には体調50cm以上のパラソル級も狙うことできる。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)
ヤリイカ釣りのタックル
先ずは、ヤリイカの基本タックルを紹介する。
竿
各社からヤリイカ専用竿が各種市販されている。終日シャクリ続けるので、軽く、手になじむものを選びたい。使いやすい長さは1.9~2.1m、オモリ負荷80~150号。
ヤリイカのソフトな前アタリを確実にとらえられる敏感な穂先で、8対2の先調子がいい。掛かったら重さが胴に乗ってくる竿が理想的。シャクリ上げた時に、穂先が跳ね上がらず、ジワッと戻るものがベスト。
リール&ミチイト
乗っ込み期を除くと、多くの場合はヤリイカのタナは水深100mより深い。また、200m前後のディープゾーンを探ることもある。したがって、ミチイトはPEライン4~5号が300mほど巻ける軽量でコンパクトな中型電動リールがいい。
また、ヤリイカは最初に落ちてきたイカヅノに反応する。イチ早く仕掛けをタナに送り込むために、自動イト送り機能や、空巻き上げ時のハイスピード機能が内蔵されたものを選びたい。
その他便利グッズ
ヤリイカゲームを楽しめの便利グッズを紹介する。
イカヅノ投入器
さまざまな形状、材質のものがあるが、アルミ製で大口径円筒タイプが持ち運びも軽くていい。また、ツノのカンナの引っ掛かりがなく、ツノ数に応じて円筒の増減ができるものも便利でお勧め。船宿にレンタルがある場合はそれを使用すればいいだろう。
投入器は船べりにセットする。ロッドホルダーの風下側に置くと、仕掛け投入時の手前マツリが減少するので具合がいい。
ロッドホルダー
空巻き上げ時や、船の移動時に竿を固定して置くために必携。
バッテリー
最近の船には電動リール用の電源設備がされているが、なければ持参することになる。その際は、仕掛けの上げ下ろしが長丁場となるので、容量が大きめな10Aほどのものを用意したい。
歯ブラシ
ツノのカンナ部にイカのスミや肉片が付着すると、乗りが極端に落ちる。常に点検し、汚れがあれば歯ブラシできれいに取り除くこと。
ヤリイカ釣りの仕掛け
ブランコ仕掛けが基本。

イカヅノ
この時期のヤリイカは、細身でシンプルな棒ヅノで、長さ11cmのシングルカンナが定番。しかし、大型が多い静岡駿河湾などでは、11cmのダブルカンナを推奨する船宿が多い。事前に確認しよう。
ツノのカラーは蛍ムラ、薄いブルー、ピンクの3色をベースとする。これに濃いブルー、黄緑、オレンジを加えて、バラエティに富んだ構成にする。一般的には、潮が澄んだ晴れた日には淡い色を、潮の濁りがある時や曇って暗い日には濃い色がいいとされている。
なお、イカがよく乗るからと言って、同色のツノのみで構成するのは、かえって逆効果になる。また下から2、3番目をアピールヅノとして、マルイカ用の赤帽7cmのウキスッテを接続すると思わぬ効果を発揮することがある。
ただし、サバが多くて邪魔になる時は外すこと。その時は、仕掛け全体を目立たない淡い色で構成し、ツノ数も減らして対応するといい。
ブランコ&直結仕掛け

ツノを枝スを介してミキイトに結ぶブランコ仕掛けが一般的。または、ツノの両端をミキイトに結び、一直線になる「直結仕掛け」を使う人を見かける。この仕掛けは、慣れると手返しが速く、サバに邪魔されにくいというメリットがある。
しかしその反面、ソフトなシャクリではツノが躍らず、またツノにまったく遊びがないので、バレやすいなどのデメリットも。従って、慣れないうちはブランコ仕掛けを使うのが無難だ。ブランコ仕掛けの自作ミキイトはフロロカーボンライン5号、枝スは同3号が標準。
「イトが細いほうが乗りがいいのでは」と考えがちになるが、サバの猛攻に耐え、ヨレや縮れを防ぐためには、これ以下のイトは使用しないほうがいい。
枝スの間隔は1~1.3m。ツノの交換をしやすくするために、ミキイトにヨリチチワを作る。
ツノ数は5~8本が扱いやすい。本数が多いほど手前マツリが多くなり、仕掛けの落下速度が遅くなるので、サバにも邪魔されやすくなる。効率を考え、自分の技量に合わせて本数を決めよう。慣れないうちは少なめに留めたほうがいい。
中オモリ&下オモリ
中オモリは使用しなくてもいいが、使う場合は先イトとミキイトの間に5~10号を付ける。メリットは竿を上げた時に、ツノがイレギュラーに動き、小魚を演出してアピールできること。また巻き上げた時、竿先にイトが絡みつくのを防げる。
下オモリは地域や釣り場により120~150号が主。潮が速い場所などでは150号を使う。船中の全員が号数をそろえることでオマツリを大きく軽減できる。
<週刊つりニュース関東版 編集部/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース関東版』2020年2月14日号に掲載された記事を再編集したものになります。