【写真】2023年に結成15周年を迎えるSKE48
2012年12月31日に放送された「第63回NHK紅白歌合戦」に、名古屋・栄を拠点に活動するアイドルグループ・SKE48が初出場した。
これまでAKB48名義で出演することはあったが、姉妹グループが紅白歌合戦に単独出場するのはSKE48が初めて。
これまでとは違うテーマ性を掘り下げた楽曲『片想いFinally』で音楽番組「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)に初出演して以降、日本ガイシホールで単独コンサートを実現させ、観客動員数を一気に更新。また、この年の「選抜総選挙」ではアンダーガールズの約半数となる8名がSKE48で占め、全国にその存在感をアピールした。そして、12月には念願だったSKE48専用劇場がオープン。デビュー5周年に向けての快進撃は止まる所を知らなかった。
そんな中舞い込んできたSKE48の紅白単独出場。転換期を迎えつつあるSKE48にとって、この年を締めくくるのにふさわしい嬉しいニュースとなった。当時、高校3年生で大学受験を控えていた筆者ではあったが、この年の紅白の事で年末は頭がいっぱいになっていた。
当日、SKE48は浜崎あゆみに次ぐ紅組の2番手として出演。披露した楽曲はグループの代名詞とも言える『パレオはエメラルド』だ。ブルーにオレンジ、グラデーション豊かな衣装でステージに登場すると、Aメロでいきなり須田亜香里がバレエの回転技「フェッテ」を披露。
あれから10年経つ2022年は、チームSが小室哲哉プロデュースによるオリジナル新公演「愛を君に、愛を僕に」をスタートし、それに続く形でチームKIIがNight Tempoや俊龍が楽曲プロデュースを手掛けた「時間がない」公演を12月にスタートさせた。コロナ渦の影響下でいち早く声出し可能公演も実現させ、当時と変わらない挑戦的な姿勢を崩さずに活動を続けた。また、大場美奈や古畑奈和といった先輩メンバーたちの卒業もあり、特にチームKIIでは世代交代とグループ色の変化も見られた。

大きな変化の波が寄せては返す中、9月に3期生の須田亜香里が卒業コンサートを日本ガイシホールで開催した。そのステージで紅白で見せた『パレオはエメラルド』のラインダンスが復活した。もちろん須田の「フェッテ」も披露され、当時、テレビで見ていたパフォーマンスを、今度は自分の目で、今のSKE48で見る事ができ、思わずマスクから心の声が漏れ出しそうになった。

これには当時のパフォーマンスを再現し、後輩たちに継ぐという趣旨もあったようで、須田を中心に紅白出場経験のあるメンバーたちが見せ方やコツを伝授したという。その成果は早速活かされ、12月の「超世代コンサート」で10期生が『渚のイメージ』内でラインダンスをアレンジして披露した事でも記憶に新しい。

卒業生から『SKE48らしさ』を受け継ぎ、それを『今』のSKE48に落とし込むのは現役メンバーたちにしか成し得ない。折しも下半期は「超世代」と呼ばれる9期生以降のメンバーたちも注目を浴びる機会が増えた。
SKE48は来年グループ結成15周年を迎える。直近で待ち望まれるのは、チームEのオリジナル新公演の発表だろうか。また、ソロCDデビューを果たした江籠裕奈や、各派生ユニットの今後の活動、10周年を迎えた6期生のコンサートなど多岐にわたるメンバーたちの活躍からも目が離せない。