【写真】「SAMURAI SONIC vol.4」に出演した雨のハ?レート?
3月26日、音楽イベント「SAMURAI SONIC vol.4」(サムライソニック)が、TOKYO DOME CITY HALLにて開催された。このイベントに雨のパレードが出演した。


この空間を、現実から遠ざけ、心が酩酊する不思議な空間へ連れ出すように、雨のパレードのライブは『override』からスタート。浮遊感のある演奏の上で、エモく、でもソフトな歌声が響きだす。とてもスタイリッシュでアーバンソウルな歌と演奏が、この空間を優しく包み込む。フロア中の人たちは、大きく手を振り上げ、そのグループを吸い寄せる。彼らの演奏に身を浸していると、心地好くトリップしてゆくような感覚を覚える。
『if』が、その中に描いた物語へ、観ている人たちをスーッと連れだした。横揺れのソウルフルなグループに身体を預け、その物語の中に身を置きながら、主人公の気持ちの行く末をじーっと見つめていたい。身体は心地よく揺れながらも、意識は、主人公の惑い彷徨う気持ちの行く先を、やっぱし興味深く眺めていた。
『Summer Time Magic』で彼らは、観客たちと一緒に歌を交わしながら、この場にいる人たちを爽やかな夏景色の中へ連れだした。福永浩平の歌声へ導かれたようにフロア中の人たちが「オオーオーオー」と歌う様が、気持ちをエモくする。熱狂するだけが夏じゃない。
まったりとしたグルーブが、優しくフロア中に広がりだす。雨のパレードは『paradigm』を通して、会場中の人たちの腰をゆったりと揺らしていた。甘くソフィスティケートなグルーブに身を任せ、ちょっとお洒落な気分で音に酔っていたい。こんな歌や演奏でエスコートされたら,一発で落ちてしまいそうだ。
『Hwyl』では、福永浩平のメロウでソウルフルな歌声に気持ちがどっぷりと浸っていた。吐息まじりの甘い歌声で、彼は, フロア中の人たちを口説くようにせまる。男の色気も覚える歌声だ。そのフェロモンに、しばし酔っていたい。


ふたたびリズムに熱を与えながら『Halleluyah!!』を歌い奏でだす。演奏が進むごとにソウルフルなグルーブが大きく広がる。ゆったりとした大らかなグルーヴの海の上で、福永浩平の歌声が、波間でゆったり漂うように響いていた。
ライブも終盤へ、雨のパレードは『morinig』を歌い奏でながら、フロア中の人たちを温かい歌声と演奏でそっと抱きしめてくれた。今は、毛布でくるんだような暖かな音楽に包まれ、微睡みを覚えていたい。営倉か進むごと、ゆっくりと微睡みに落ちてゆく。その歌声と演奏に同化したくて,心が解けていく・・・。

最後に雨のパレードは『Tokyo』を演奏。この空間に改めて熱を加えながら、優しくステップを踏みならし、一緒にダンスを踊ろうよと彼らは誘いをかけていた。その誘いを受け、フロア中の人たちが心地好く身体を揺らし、この場に生まれたロマンティックなこの時間を、彼らと共に楽しんでいた。
(文:長澤智典)
【SAMURAI SONIC vol.4】
「SAMURAI SONIC」は『打ち鳴らせ、魂動(こどう)』をコンセプトに、2021年11月に東京・立川ステージガーデンにて初めて開催され、今回で4度目の開催となる。