厳選!2歳馬情報局(2021年版)
第24回:スタニングスター

 ここ最近の2歳戦線は、素質馬や良血馬が早期デビューするのがトレンドとなっている。とはいえ、これから初陣を迎える2歳馬の中にも注目の逸材がまだまだいる。

 栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するスタニングスター(牝2歳/父フランケル)もその1頭だ。

 同馬は世界的に見ても、屈指の良血馬と言える。なにしろ、父はイギリスで14戦14勝という輝かしい戦績を残している名馬フランケル。母も2009年のGIフランスオークス(フランス・芝2100m)を制し、GI通算6勝を挙げている名牝スタセリタだからだ。

世界的な血統馬スタニングスター。厩舎スタッフも「素材のよさを...の画像はこちら >>

スタニングスターの姉、ソウルスターリング

 そして、全姉には日本で活躍したソウルスターリングがいる。彼女は2016年にデビューし、3連勝でGIジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)を制覇。
3歳クラシックでも主役を演じて、GI桜花賞(阪神・芝1600m)こそ3着に敗れたものの、続くGIオークス(東京・芝2400m)では見事に戴冠を果たした。好位から堂々と抜け出すと、後続に1馬身4分の3差をつける完勝劇を披露した。

 これら、まさに豪華な顔ぶれが血統表に並んでいるのが、スタニングスター。デビュー戦は11月14日の2歳新馬(阪神・芝1600m)、ソウルスターリングと同様、クリストフ・ルメール騎手が鞍上を務める予定だ。

 その初陣を間近に控えて、陣営の感触はどれほどのものだろうか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「厩舎スタッフはスタニングスターについて、『血統的にも素材のよさを感じている』と高く評価していました。普段の動きからも能力の高さを感じさせる雰囲気を醸し出しており、『芝の実戦にいけば、稽古よりもさらによくなるのでは』とスタッフ。デビュー戦でどんな走りを見せるのか、陣営も楽しみにしているようです」

 ただ、姉のソウルスターリングと同じく、妹のスタニングスターも気性的に激しい部分があるようだ。

「あるスタッフが『(スタニングスターは)かなり気難しいタイプ』と漏らしていました。そのため、追い切りでも力みすぎてしまう面があるようです。普段から少しカリカリしているみたいで、『気性的に距離は短いほうがいいかも』という話でした。

レースに向けては、この部分をどう解消していくかがポイントになるのではないでしょうか」

 激しい気性は、このファミリー特有のものなのかもしれない。ともあれ、優れた素質を秘めていることは間違いない。

 世界有数の血筋をひくスタニングスター。父母、姉と同じく、大舞台で躍動する姿を見せるのか。まずはデビュー戦の走りに注目である。