4月23日(日)、東京競馬場で3歳牝馬によるGⅡフローラS(芝2000m)が行なわれる。

フローラSで本命に推すのは牝系の血統がゴージャスな2頭 ここ...の画像はこちら >>

昨年9月の新馬戦を勝利したティファニードンナ

 このレースは5月21日に東京競馬場で開催されるGⅠオークス(芝2400m)のトライアル競走で、2着馬までにオークスの優先出走権が与えられる。
今年のオークス戦線はGⅠ桜花賞を勝ったリバティアイランドが圧倒的な存在になりそうで、それ以外の桜花賞組も強力だが、過去にはこのフローラSをステップにオークスで好走した馬も多い。

 近年では2021年にはユーバーレーベンが、フローラS3着からオークスを制覇。2020年の勝ち馬ウインマリリンは、オークスでデアリングタクトに次ぐ2着に入り、5歳となった昨暮れにGⅠ香港ヴァーズを勝利した。レース名がフローラSとなった2001年以降、2001年レディパステル、2010年サンテミリオン、そしてユーバーレーベンと3頭がフローラS後のオークスで勝っており、7頭が2着、6頭が3着に入っている。

 オークスに向けて必見のこのレースを、血統的視点から占っていこう。

 今年の出走予定馬は血統的に魅力的な馬が多い。
血統のいい馬は、過去のレース内容からは「通用しない」と思われても、急激な成長を見せることも少なくないが、今回はそんな馬を狙っていきたい。

 筆者が本命に推したいのは、ティファニードンナ(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。

 父がドゥラメンテなのは桜花賞馬リバティアイランドと同じ。ドゥラメンテ産駒の3歳世代は、GⅠホープフルSのドゥラエレーデなど、全種牡馬で最多となる5頭がJRA重賞勝ち馬となっている。JRAサイアーランキングでも、わずか3世代の出走ながら2位に入っており、ディープインパクト亡き後の次代のリーディングサイアー候補の1頭である。

 ティファニードンナは牝系がゴージャスだ。
祖母が牝馬にして米クラシックレースの米GⅠベルモントSを勝ったラグズトゥリッチズで、その兄弟にもベルモントSのジャジル、米GⅡピーターパンSのカジノドライヴがいる。

 さらに牝系を遡ると、5代母ベストインショウでアーモンドアイに繋がる。アーモンドアイの父は、ドゥラメンテと同じキングカメハメハ産駒のロードカナロアなので、全体的なアウトラインは同じイメージだ。

 ティファニードンナは昨年9月の新馬戦(中山・芝1800m)で勝ち上がり。3番手追走から2着馬と叩き合いを制した。続くひいらぎ賞(中山・芝1600m)では追い込み届かず3着。

今回は約4カ月ぶりの出走となるが、休養が長い分、成長に期待できそうだ。

 もう1頭はイトカワサクラ(牝3歳、栗東・牧田和弥厩舎)を推す。父は、2021年の勝ち馬ユーバーレーベンと同じゴールドシップで、この馬も牝系が豪華だ。

 母の父は英愛のリーディングサイアーであり、リーディングブルードメア(母の父)サイアーのデインヒルダンサー。その奥もストームキャット、キングマンボ、サドラーズウェルズ、シャーリーハイツと、世界的な名種牡馬が並んでおり、ドバウィ(GⅠ愛2000ギニー)やハイライズ(GⅠ英ダービー)らを輩出している名門だ。

 同馬は4月1日のデビュー戦(阪神・芝1800m)でやや出遅れ気味のスタートで、大外を回りながら直線では長く脚を使い、ゴール直前で差し切っている。
ハナ差の辛勝ではあったが、勝ち時計も上がり時計(34秒6)も優秀で、素質の高さを感じさせた。距離が延びて直線の長い東京コースは合いそうだし、実戦を1度使ってさらに強いパフォーマンスを見せる可能性も十分だ。

 以上、今年のフローラSはティファニードンナ、イトカワサクラの2頭に期待する。