厳選!2歳馬情報局(2023年版)
第4回:コンドライト

 今年の2歳戦線も、現役時代に活躍した名牝の仔たちが注目を集めている。美浦トレセンの菊沢隆徳厩舎に所属するコンドライト(牡2歳/父ドゥラメンテ)も、その1頭だ。

母アエロリットに「似ている」というコンドライトに陣営も好感触...の画像はこちら >>

アエロリットの仔として注目を集めるコンドライト

 同馬の母は、GINHKマイルC(東京・芝1600m)をはじめ、重賞3勝を挙げたアエロリット。彼女は新馬戦を快勝したあとに足踏みするが、それでもGIIIフェアリーS(中山・芝1600m)、GIIIクイーンC(東京・芝1600m)と重賞で連続2着と好走し、GI桜花賞(阪神・芝1600m)に挑んだ。

 そして、その牝馬クラシック初戦でも5着と善戦。掲示板を確保した。しかしその後は、クラシック2戦目のオークスには向かわず、牡馬混合のNHKマイルCを選択した。

 ここではスタートからすかさず2番手につけ、直線で抜け出す盤石の競馬を披露。

最後は後続に1馬身半差をつけての完勝で、戴冠を遂げた。

 以降も、同馬は重賞戦線で躍動した。NHKマイルCの直後には、古馬牝馬相手にGIIIクイーンS(札幌・芝1800m)を制覇。さらに4歳時には、GII毎日王冠(東京・芝1800m)で強豪牡馬を蹴散らして鮮やかな勝利を飾った。

 その間、GIでも奮闘。GI安田記念(東京・芝1600m)では4歳時、5歳時と2年連続で2着という結果を残し、5歳秋には現役トップクラスが集うGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)で3着となって能力の高さを示した。

 そのアエロリットが引退後、繁殖牝馬となって最初に産んだのが、コンドライト。父がここ数年で活躍馬を多く送り出しているドゥラメンテということもあって、話題を集めている。陣営は同馬について、どう見ているのか。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「厩舎スタッフはコンドライトについて、『きれいなストライドで走るし、率直に言っていい馬』と好感触を得ています。アエロリットも同じ厩舎で管理されていましたが、『見た目も筋肉質で、母に似ている』とのこと。

性格も母に似て素直で、先日のゲート試験も一発で合格し、ここまで順調にきています」

 ゲート試験をクリアし、このままレースに向かうことも可能だったが、一旦放牧へ出すことに。陣営としては、夏以降のデビューを見据えているという。その辺りの理由について、先述のトラックマンが説明する。

「馬体重が480kgほどの同馬。スタッフによると、『まだ(馬体に)緩さがあり、もう少し中身を作ってからデビューさせたい』そうです。『焦る時期ではないから』と、この馬の今後を考えたうえでの判断ですね。

だからといって、初仔にありがちな弱さはないみたいですよ。

 もうひとつ、母はおとなしい性格でしたが、ドゥラメンテ産駒はわりと気性面でクセのある馬が多いため、『今は大丈夫だけど、ゲートからデビューまで一気にこなすことで、気持ちが煮詰まるのは避けたい』という裁量があってのことのようです」

 豊かなスピードを武器にして、現役時に輝きを放ったアエロリット。その初仔となるコンドライトはどんな走りを見せるのか。デビューの時をじっくりと待ちたい。