厳選!2歳馬情報局(2023年版)
第6回:カルパ

 夏の北海道シリーズにおいて、多くのファンが熱い視線を送っている白毛の若駒がデビューを迎える。

 栗東トレセンの須貝尚介厩舎に所属するカルパ(牡2歳/父モーリス)である。

ソダシの弟、カルパがいよいよデビュー 白毛馬から新たな大物誕...の画像はこちら >>

カルパの姉で白毛馬として初のGI馬となったソダシ

 同馬が注目されるのは、何と言っても姉に白毛馬として初のGI馬となったソダシ(牝5歳/父クロフネ)がいるからだ。彼女は、デビュー戦を快勝すると、2戦目にGIII札幌2歳S(札幌・芝1800m)、3戦目にGIIIアルテミスS(東京・芝1600m)と、立て続けに重賞制覇を果たした。

 そして、その勢いのままGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)も勝利。2歳女王に輝いて、「白毛のアイドル」として脚光を浴びた。

 さらに、3歳牝馬クラシック初戦のGI桜花賞(阪神・芝1600m)でも激戦を制して戴冠。無傷の5連勝で白毛馬初のクラシックホースとなり、世界的にも注目される存在となった。

 その後、GIオークス(東京・芝2400m)では8着に敗れてデビューからの連勝は途絶えたものの、直後のGII札幌記念(札幌・芝2000m)では古馬相手に快勝。4歳となってからも、GIフェブラリーS(東京・ダート1600m)で3着と好走し、GIヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)ではGI3勝目を挙げるなどして話題を集めた。

 以降も、芝のマイルGIを中心に重賞戦線で奮闘。鮮やかな白毛をなびかせての華麗なる走りでファンを魅了し、アイドルホースとして圧倒的な人気を誇っている。

 そんな優秀な姉を持つカルパ。間近で見ているスタッフは、どんな評価をしているのだろうか。

関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「姉のソダシは少し気難しい部分がありますが、カルパは『それに比べておとなしいと思う』と厩舎スタッフ。父がクロフネからモーリスに代わって、『姉とは少しタイプが異なるかも』とも話していました。

 現状については、ここまでの調整過程を振り返って『前向きな性格で、追い切りを重ねるごとに走りに対する集中力も高まってきた』とスタッフ。『バランスもいい』と、まずまずの手応えを得ているようでした。馬体的にはまだ成長の余地を残しており、スタッフは『今後、さらに成長していけば』と先々への期待も膨らませていました」

 デビュー戦は、7月9日の2歳新馬(函館・芝1800m)を予定。

"レジェンド"武豊騎手が鞍上を務めるとあって、一段と注目度が増している。

「武豊騎手はカルパの追い切りにも騎乗し、今週の調教後には『動きはまずまずです。芝でしっかりやったのは初めてですから』とコメント。姉のソダシには乗ったことがないものの、『お母さんのブチコによく似ている』と語っていました」

 ソダシに続いて、白毛ファミリーから新たな"大物"の誕生となるのか。カルパの初陣から目が離せない。