3月10日(日)、阪神競馬場で3歳牝馬によるGⅡフィリーズレビュー(芝1400m)が行われる。

 このレースは先週のGⅡチューリップ賞(阪神・芝1600m)に続き、4月7日に行なわれる牝馬クラシック第1弾・GⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)のトライアルレースだ。

2017年には、フィリーズレビュー2着のレーヌミノルが、次走の桜花賞を8番人気で勝利。そのほか、2016年のアットザシーサイドと2022年のナムラクレアが、ともにフィリーズレビュー2着から桜花賞6番人気で3着に入っている。近年は勝ち馬よりも、2着馬のほうが桜花賞での成績がいいのが特徴だ。

桜花賞トライアルのフィリーズレビューは成長が見える人気薄馬、...の画像はこちら >>

 そんなレースを血統的視点から占っていこう。チューリップ賞では、過去10年で6勝、2着3回というディープインパクト系の強さを取り上げたが、このレースは大きく傾向が異なり、ディープインパクト系の勝利がない。ディープインパクト産駒とミッキーアイル産駒が2着1回ずつ、キズナ産駒が3着1回と、わずか3回しか馬券に絡んでいないのだ。

 レースと相性がいい父系はいろいろあるが、まずはダイワメジャーに注目する。2012年の出走以来13頭が出走し、2016年に8番人気のソルヴェイグが勝利し、2012年には8番人気のビウイッチアスが2着、2017年には1番人気のレーヌミノルが2着に入っている。勝率7.7%と数字は決してよくないが、馬券に絡んだ3頭のうち2頭が「8番人気」というのがポイントで、人気薄でも狙いたい種牡馬だ。

 今年、ダイワメジャー産駒はポエットリー(牝3歳、栗東・平田修厩舎)が出走予定。同馬は昨年10月の未勝利戦(新潟・芝1600m)で勝ち上がり。前走のこぶし賞(京都・芝1600m)は逃げて2着だった。

 1400m戦への出走は、新馬戦の1戦のみで2着だったが、同レースは今回と同じ阪神コース。しかも勝ったダノンマッキンリーは、続く秋明菊賞を勝ってデビュー2連勝を飾った実力馬だ。そのレースで2着に入り、3着馬に2馬身半差をつけた走りは、勝ちに等しい内容だった。

 前走は逃げて敗れたが、新馬戦も勝ったレースも差してきており、距離短縮で展開が速くなれば差す形になりやすい。新潟の未勝利戦では、重馬場とスタート直後の不利(他馬と接触)がありながら勝利しているなど、欠点が少ないのも魅力。デビュー当初はフラフラ走っている面も見られたが、前走はそういったこともなく、精神的にも成長が見られる。

 血統を見てみよう。母ブギーダモーレは、芝1600mの伊GⅢドルメーロ賞勝ち馬という良血。さらに母の父レイルリンクは、昨年のGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)を勝ったアスコリピチェーノの母の父、デインヒルダンサーと同じデインヒル系種牡馬だ。前述の2016年勝ち馬ソルヴェイグが持っていたヌレエフの血も持っている、このレース向きの血統馬だ。

 鞍上の永島まなみ騎手は、先週のチューリップ賞を勝ったスウィープフィートの主戦だったが、同レースでは武豊騎手に乗り替わりという悔しい思いをしている。人気はあまり高くならなそうだが、血統のみならず、騎手面からも応援したい。

 もう1頭、注目したい種牡馬はモーリスだ。これまで出走は4頭と少ないが、2021年に8番人気のシゲルピンクルビーが勝利し、昨年は7番人気のムーンプローブが2着に入った。

 今年、モーリス産駒はバウンシーステップ(牝3歳、栗東・高橋亮厩舎)が出走予定。同馬は同じ距離で4戦2勝、2着1回、3着1回という"1400m巧者"。前走のつわぶき賞(中京・芝1400m)は2着に2馬身半差をつけ、2歳戦の中京・芝1400mでは歴代3位タイとなる1分20秒9の好タイムで圧勝している。母バウンシーチューンはGⅡフローラS(東京・芝2000m)勝ち馬という良血でもあり、期待できそうだ。

 以上、今年のフィリーズレビューは、ダイワメジャー産駒ポエットリー、モーリス産駒バウンシーステップの2頭に期待する。