【特殊な2200mは得意・不得意の傾向が変わる】
9月15日(月・祝)、中山競馬場で3歳馬によるGⅡセントライト記念(芝2200m)が行なわれる。
このレースは10月26日に行なわれるGⅠ菊花賞(京都・芝3000m)のトライアル。近年はこのレースをステップにした馬の菊花賞成績が良好で、過去10年では2015年キタサンブラック、2021年タイトルホルダー、2022年アスクビクターモア、2024年アーバンシックと4頭の勝ち馬が出ている。
そのほか、2017年10番人気で2着のクリンチャー、2019年8番人気で2着のサトノルークスなど、人気薄で激走する馬も多数いる。菊花賞を占う上で見逃せない一戦だ。
血統的視点からこのレースを占ってみよう。今回は「中山・芝2200m」の適性に重きを置いて分析する。
2200mという距離は特殊な条件で、1600mや2000mなどを「根幹距離」と言うのに対し、それに属さない1800mや2200mは「非根幹距離」と呼ばれる。この「非根幹距離」は、「根幹距離」を得意とする実力上位馬が力を出しきれないことも多く、馬券も荒れやすい傾向がある。
種牡馬の得意・不得意も出てくるが、その点も踏まえて狙いたい種牡馬はレイデオロだ。レイデオロ産駒の全条件の芝における勝率は9.7%、連対率は16.6%だが、2200mの距離では13.8%、23.1%に跳ね上がる。さらに、中山・芝2200mに限ると26.7%、26.7%とさらにアップ。もともと、競馬場別でも中山は好成績を収めており、距離も2200mとなれば狙わないわけにはいかない。
今回、出走するレイデオロ産駒はピックデムッシュ(牡3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)だ。同馬はこれまで5戦2勝、2着3回と連対率100%を誇る堅実派で、2勝はいずれも中山・芝2200m。
母系の血も見てみよう。母の父ハービンジャーは昨年の勝ち馬アーバンシック(父スワーヴリチャード)と同じ。同じ条件のGⅡオールカマーではローシャムパーク、GⅡアメリカJCCではブラストワンピースと、2頭の直仔が勝利している。祖母の弟ユニバーサルバンクは重賞勝ちこそないものの、芝2200mのGⅡ京都新聞杯で2着に入っているように、母系からも芝2200mの適性を感じさせるだけに、重賞初挑戦・初制覇に期待したい。
【もう1頭は「逃げ」に期待】
もう1頭はエーオーキング(牡3歳、美浦・久保田貴士厩舎)を推す。同馬の父リアルスティール産駒も2200mが得意で、勝率16.1%、連対率22.6%という成績を残している。さらに中山に限ると、勝率23.5%、連対率29.4%にアップ。レーベンスティールが2023年のセントライト記念、2024年のオールカマーを勝利している。
エーオーキングも中山・芝2200mでは1戦1勝。その水仙賞では、13頭立て9番人気の人気薄だったが、1000m通過1分02秒9のスローペースに持ち込んでの逃げきりだった。
以上、今年のセントライト記念は、レイデオロ産駒ピックデムッシュ、リアルスティール産駒エーオーキングに期待する。