現役時代はセカンドの名手として黄金時代の西武やヤクルトで活躍した辻発彦さんに、当時の選手たちとのエピソードを振り返りながら、守備を軸にベストナインを選出してもらった。(聞き手・上重聡さん)。
【ファーストの安心感は重要】
上重聡(以下、上重)辻さんと言えば、ゴールデン・グラブ賞を8度受賞されていますが、これはセカンドで最多となります。今回は、そんな名手の辻さんに守備を軸にベストナインを選んでいただけたらと思っております。ルールとしては現役時代、一緒にプレーをした選手が対象です。では、まずはピッチャーからお願いします。
辻 西武で言うと、郭泰源さん(西武)なんかはよかったですよ。セ・リーグだったら西本聖さん(巨人、中日、オリックス)もうまかったけど......やっぱり桑田真澄(巨人)さんかな。桑田さんは、うまかったですよ。ショートでもいけるくらいのセンスを感じました。
上重 続いてキャッチャーにいきましょう。
辻 古田敦也さん(ヤクルト)。僕もヤクルトスワローズで4年間一緒にやりましたけど、急な動きに対して対応できるというか、視野の広さがある。阻止率とか数字に出てくることだけじゃなく、広く見えていると感じることが多くて、すごいと思っていました。いろんなピックオフプレーがありますが、ノーサインのプレーでもバシっと投げてくれる。
上重 続いてファーストをお願いします。
辻 清原和博(西武)もうまかったんですよ。ただ、フライだけは......(笑)。
上重 何度かおっしゃっていますよね(笑)。
辻 フライだけは、2アウト満塁とかになると俺の顔を見るんです。「フライは辻さんがお願いしますよ」って、優しそうな目でこっちを見るんですよ(笑)。
上重 フライ以外のショートバウンドなどは、どうでしたか?
辻 うまかったですよ。
上重 ほかに候補はいますか?
辻 駒田徳広さん(巨人、横浜)かな。ファーストのイメージが強いです。ファーストのポジションは(チームにとって)重要で、ワンバンでもさらっと、こう、さばいてくれるような安心感が必要。安心して投げられるファーストがやっぱり一番です。
上重 駒田さんと清原さん、どちらにしましょう。
辻 迷うけど......、駒田さんにしましょうか。
【うまさ、速さがそろった華麗なるプレー】
上重 続いてセカンドです。
辻 篠塚和典さん(巨人)かな。うまいなと思うところは、プレーの柔らかさというか、篠塚さんも強肩ってわけじゃないんですけど、それを補う、捕ってから投げるまでの速さと正確さがありました。
上重 では、サードはいかがですか?
辻 サードもいっぱいいるな......。守備もそうですけど、足(の速さ)とか、バッティングとか見ちゃうと、松永浩美(阪急、阪神、ダイエー)さんかな。
上重 守備だと、どういうところがすごいと思っていましたか?
辻 (飛んでくるボールへの)反応がよかったところです。肩も強かったですしね。
上重 続いて、ショートにいきましょう。
辻 僕がヤクルトにいた頃だと思うんですけども、小坂誠さん(千葉ロッテ、巨人、東北楽天)ですね。
上重 どういったところにすごさを感じたんですか?
辻 打球が飛んだ時には、もうそこにいる。それこそ華麗というか、捕ったと思ったら投げている感じでした。
上重 それはスタートがいいってことですか?
辻 そうですね。(どこに飛んでくるかという)読みも当然あって、極端な話にはなりますが、二遊間はピッチャーが投げたらバットの角度でどこに飛んでくるのかわかるんですよ。彼は本当にうまいな、すごいなと思いました。
上重 辻さんがヤクルトにいた時のショートは、もう宮本慎也さんでしたか?
辻 まだ池山隆寛さんかな。(宮本)慎也もうまかったですよ。
上重 外野手はいかがですか?
辻 どう考えてもライトはイチローさん(オリックス)。それは間違いない。センターは、やっぱり秋山幸二(西武)を入れたいな。内野から外野になって、足も速いですしね。
上重 秋山さんも当時で言うとメジャーに一番近かった選手なんて言われていましたよね。
辻 間違いなくそうだったと思います。あとひとり......悩みますね。レフトは飯田哲也(ヤクルト)かな。取るだけじゃなくてやっぱり足もあったし、守備範囲も広いんだけど捕ってからが速かった。飯田の送球の速さとか、正確さはすごかったです。
上重 元々キャッチャーですからね。
【Profile】
辻発彦(つじ・はつひこ)/1958年10月24日、佐賀県出身。1983年にドラフト2位で西武ライオンズに入団。16年間の現役時代で複数のゴールデン・グラブ賞やベストナインを受賞。2017年より2022年まで6年間、埼玉西武ライオンズ監督を務めた。現在は野球解説者として活動している。
上重聡(かみしげ・さとし)/1980年5月2日生まれ、大阪府出身。PL学園時代にエースとして活躍。立教大では東京六大学リーグで史上ふたり目の完全試合を達成。卒業後の2003年にアナウンサーとして日本テレビに入社。2024年3月末をもって同社を退社し、現在はフリーアナウンサーとして活動している。
 
                         
                             
                                         
                                         
                                         
                                         
                                         
                                         
                                         
                                         
                                         
                                 
                                 
                                 
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                    









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