星野伸之のオリックス戦力分析&パ・リーグ順位予想 前編
リーグ3連覇後、直近2シーズンは優勝を逃しているオリックス。覇権奪還を目指して臨むシーズンのキーマンや、現状の戦力はどうなのか。
【投手陣は先発、リリーフとも充実】
――今シーズンのオリックスのキーマンを挙げるとしたら誰になりますか?
星野伸之(以下:星野) 山下舜平大です。右肘のコンディション不良で少し開幕が遅れそうですが、シーズンを最後まで投げたらどのくらいの成績を残すのか見てみたいですね。
もうひとり挙げるとすれば、椋木蓮。オフに、プエルトリコのウィンターリーグに派遣された時にはリリーフで投げていますし、今年に入ってからもリリーフ一本でいくような調整をしています。勝ちパターンのリリーフは、WBCベネズエラ代表のアンドレス・マチャド、ルイス・ペルドモ、岩嵜翔らがいますが、オープン戦ではセーブも記録するなど、一番最後をまかされる勢いが出てきましたね。
――今は復帰待ちですが、山下投手の状態をどう見ていましたか?
星野 今年はちょっと体を絞ったのかなと。投げ方に関しては少し腕の位置が下がり、なるべく球数を少なくするためなのかカットボールを試しています。それらがいい方向につながればいいですね。
三振でアウトを取っていくとなると球数が増えますし、真っすぐとカーブだけだと相手も狙いを絞りやすくなりますからね。昨シーズンに覚えたフォークボールはあまり使っていませんでしたが、今年はカットボールも含めてどうピッチングの幅を広げていくのか楽しみです。
――先発ピッチャー陣全体の仕上がり具合はいかがですか?
星野 WBCメンバーの宮城大弥と曽谷龍平は調整が必要ですが、第1クールから元気だった九里亜蓮、3月18日の広島戦でいい調整ぶりがうかがえたアンダーソン・エスピノーザ、新外国人のショーン・ジェリーも内容がよくて期待できます。田嶋大樹、山岡泰輔も仕上げてきていますね。
あと、キャンプの時からいいボールを投げていた2年目の寺西成騎。WBCの強化試合でも侍ジャパン相手にいいピッチングを見せていましたし、頭数は揃っています。
――山岡投手あたりが食い込んでくると、層が厚くなりますね。
星野 ただ、状態的にはもう少し上げていく必要があるかなと。変化球はまずまずの仕上がり具合なのですが、真っすぐのキレやスピードはもっと出せると、本人も言っていました。真っすぐのキレさえ戻れば、もっと変化球も生きてくるはずです。
――リリーフ陣は、故障していたピッチャーたちが戻ってきましたね。
星野 古田島成龍や吉田輝星が戻ってきましたし、山﨑颯一郎も状態がいいので、それなりに層は厚いです。ただ、リリーフに左ピッチャーがあまりいない。佐藤一磨を試していましたが、岸田護監督はリリーフに新しい顔が欲しいと思っているのかもしれません。
【野手、新戦力の状態は?】
――野手陣で期待している選手は?
星野 オープン戦では苦しみましたが、3年目の横山聖哉です。スイングスピードと打球の速さがすごいですし、彼が本格的に内野のレギュラー争いに絡んでくるといいなと。
外野手では6年目の来田涼斗に期待しています。守備に不安があったのですが、以前に比べて打球の追い方がよくなっています。思いきりのいいバッティングも磨きつつ、そろそろ開花してほしいですね。麦谷祐介らとの競争になると思いますが、チームの底上げという意味でも頑張ってほしいです。
――新戦力に関してはいかがですか?
星野 新外国人のボブ・シーモアは、構えがそれほど大きくなく、打ち方がコンパクトです。コツンと当てるタイプなのかなと思ったら、パワーもあって打球が飛ぶんですよ。オープン戦ではそこまで結果が出ませんでしたが、ある程度慣れてきたら面白いんじゃないですか。
外国人選手はシーズンに入ってから打ち出すこともあるので、未知数ですしね。ファーストの頓宮裕真が故障で離脱しているので、シーモアがファーストに入って打ってくれればいいのでしょうが......太田椋にファーストを守らせたりもしているので、そのあたりは臨機応変にやっていきそうです。
――オープン戦で好投が続いたジェリー投手は、どんな点がよさそうですか?
星野 身長が213cmあるので、それほど真上から投げるわけではないのに、角度があります。バッターは距離が近く感じるでしょうね。見極めが難しそうなチェンジアップも投げますし、かなり期待できるピッチャーです。
――ドラフト上位で入団したルーキーたちに関してはいかがですか?
星野 キャンプで見た時は、ドラフト3位の左腕、佐藤龍月(健大高崎)がすごくよかったです。投球フォームのバランスがいいですし、腕もしっかり振れていました。僕が見た時は山下の隣で投げていたのですが、まったくひるむことなく自信満々で投げていましたよ。高卒ルーキーなので中長期の育成プランもあると思いますけど、今シーズンの後半など、ある程度早い段階で使えそうな雰囲気がありました。
ドラフト1位の藤川敦也(延岡学園)やドラフト2位の森陽樹(大阪桐蔭)もなかなかいいボールを投げていましたが、個人的には佐藤が一番目立っていたような気がします。
――あらためて、チーム全体の印象をうかがえますか?
星野 頓宮は離脱していますが、昨年は故障で開幕にいなかった森友哉もいますし、昨年はいなかったリリーフのピッチャーも戻ってきました。ある程度いい状態で開幕できると思いますし、どんな戦いを見せてくれるか楽しみです。
(後編:星野伸之のパ・リーグ順位予想 リーグ3連覇を狙うソフトバンクの課題、昨季から巻き返しそうなチームは?>>)
【プロフィール】
星野伸之(ほしの・のぶゆき)
1983年、旭川工業高校からドラフト5位で阪急ブレーブスに入団。1987年にリーグ1位の6完封を記録して11勝を挙げる活躍。以降1997年まで11年連続で2桁勝利を挙げ、1995年、96年のリーグ制覇にエースとして大きく貢献。2000年にFA権を行使して阪神タイガースに移籍。










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