星野伸之のオリックス戦力分析&パ・リーグ順位予想 後編
(前編:星野伸之から見た今季のオリックスは「いい状態」 特に投手陣は、新外国人やルーキーたちも期待大>>)
今シーズンのパ・リーグは、ソフトバンクのリーグ3連覇を果たすのか、ほかの5球団がそれを食い止めるのかに注目が集まる。長らくオリックスのエースとして活躍し、引退後はオリックスの投手コーチも務めた星野伸之氏にパ・リーグの順位を予想してもらった。
【1位予想:日本ハム】
――年々チーム力を上げている日本ハムを、1位に予想されました。
星野伸之(以下:星野) 伊藤大海と2年連続で最多勝のタイトルを分け合った、有原航平が加入したのが大きいです。それと、達孝太がいいですね。昨年はほとんど負けていないですし(8勝2敗)、重要なカード頭の火曜日に投げさせてもいいピッチャーだと思います。
さらに、北山亘基もいる。ハイレベルなピッチャーが4人いるので、各カードで2人は投げさせられますし、ほかにも加藤貴之や山﨑福也、古林睿煬らもいて非常に先発ピッチャー陣が充実しています。
リリーフは田中正義や柳川大晟、上原健太らがいますし、トレードで左腕の島本浩也も加わりました。打つほうも、新外国人のロドルフォ・カストロがオープン戦で結果を出していますし、打線はさらに強力になりそうです。五十幡亮汰や矢澤宏太ら足を使える選手もいるので、「優勝」を口に出してもいいメンバーが揃ったんじゃないですか。あとは新庄剛志監督の手腕次第という感じですね。
【2位予想:ソフトバンク】
――2年連続リーグ優勝のソフトバンクは2位予想ですね。
星野 昨シーズンは主力にあれだけケガ人が出て、一時は最下位も経験しながら優勝したので、やはり層は厚いです。ひとつ気になるのは、栗原陵矢をキャッチャーでも起用していること。昨年100試合以上に出場した、海野隆司のバッティングに不安があるから試しているのかもしれませんが......キャッチャーは何人かを併用していくのかもしれませんけど、それがうまくいくかですね。
課題を挙げるとすれば、先発では有原が抜けた穴、リリーフでは藤井皓哉がトミー・ジョン手術を受けて今シーズンは投げられないことです。ひとりで有原の穴を埋めるのは難しいので、昨シーズンに登板がなかったスチュワート・ジュニア、大津亮介や松本晴らがどこまで勝ちを上積みできるのかですね。リリーフの藤井の穴も大きいですが、木村光やルーキーの稲川竜汰(2位/九州共立大)ら若いピッチャーが台頭する機会になるといいですね。
――野手はいかがですか?
星野 昨年は、もともと能力が高かった柳町達や野村勇が活躍しましたが、秋広優人や廣瀨隆太ら、ほかにも能力が高い選手が多いので、また誰かが出てくるんじゃないですかね。柳田悠岐や近藤健介、山川穂高、牧原大成ら実力のあるバッターが多いですし、どちらかというと、心配なのはピッチャー陣だと思います。
【3位予想:オリックス】
――古巣のオリックスは3位予想。その理由は?
星野 3位にしたのですが、山下舜平大が戦線に戻ってきたあとに先発ローテーションの一角としてしっかり回れた場合、順位は上がると思います。新外国人のショーン・ジェリーがかなり期待できそうですし、手術明けの古田島成龍が戻ってくるなど、昨年よりもピッチャー陣が充実しています。
それと、昨年は開幕時に故障で離脱していた森友哉がいるのが大きいです。チームで力を入れて取り組んでいる盗塁に関しては、シーズン中に積極的に仕掛けていくのかどうか。得点力アップを考えると、機動力も重要な要素になると思います(昨シーズンのチーム盗塁数はリーグワーストの58個)。
課題は、昨シーズン7勝16敗2分けと大きく負け越したソフトバンク戦でいかに巻き返せるか。そのほかのカードでは対日本ハムが5割。
【4位予想:ロッテ】
――昨シーズン最下位のロッテが4位に浮上しそうな要素とは?
星野 スピードのある髙部瑛斗や藤原恭大が好調を維持していますし、昨シーズンの新人王の西川史礁の存在が大きいです。この3人で上位打線を組んでネフタリ・ソトやグレゴリー・ポランコにいい形で回せれば、昨年よりも得点力は上がると見ています。開幕後も3人の調子がある程度よくて、打線を固定できることが条件になりますね。
あとは、山口航輝など、いいものを持っているバッターはいるのですが......伸び悩んでいる印象です。そのあたりが打ち始めれば打線に厚みが出てくるんですけどね。
――ピッチャー陣はいかがですか?
星野 先発は種市篤暉や小島和哉がいて、続いてほしい石川柊太がちょっと不安なところに、日本で実績のあるアンドレ・ジャクソンが加入したことは大きいです。開幕投手に指名されたドラフト2位の毛利海大(明治大)も期待ですが、ルーキーに過度な期待は酷ですし、ベテランの西野勇士らにも頼らざるをえないと思います。個人的には、ドラフト1位の石垣元気(健大高崎高)がいつ頃に出てくるのか、気になっています。
【5位予想:西武】
――FA権を行使した桑原将志選手や石井一成選手を獲得するなど、補強に注力した西武は5位という予想になりました。
星野 やはり、今井達也(ヒューストン・アストロズ)が抜けたのが痛いです。ただ、平良海馬が先発に再転向し、髙橋光成、隅田知一郎、渡邉勇太朗、武内夏暉、與座海人ら先発ピッチャー陣はある程度整っています。一方、平良が務めていたクローザーをどうするのか。
野手では、新加入の桑原や石井をはじめ、林安可、アレクサンダー・カナリオらがどう機能するのか。昨シーズンから引き続き、主軸として期待していたタイラー・ネビンが故障で開幕は間に合わないようですし、新戦力にかかる期待は大きいでしょうね。昨シーズンのチーム得点はリーグ最下位でしたから、どれだけ点を取れるかが最大のポイントだと思います。
【6位予想:楽天】
――楽天を最下位に予想した理由は?
星野 前田健太や伊藤光らを獲得しましたが、かなりベテランですよね。確かに経験や技術という面では心強いですが、シーズンを通してフル回転できるかどうかは疑問です。
近年はすぐに暑くなりますし、夏場に休ませたいとなった場合、代わりの先発が何枚いるのかといった問題も出てきます。また、昨シーズンは41歳の岸孝之がチーム2位の投球イニングを記録していましたが、若いピッチャーたちがもっと頑張らなければいけません。
昨シーズンの9月に左肩を手術した早川隆久がファームで投げているようですが、現段階では計算はできませんし、先発ピッチャー陣がちょっと弱いような気がします。先発に再転向した西口直人、4年目の荘司康誠、3年目の古謝樹、ルーキーの藤原聡大(1位/花園大)らのなかから、突き抜けるピッチャーが出てくるといいですけどね。
――野手陣はいかがですか?
星野 辰己涼介が残ったのは大きいですし、新外国人のカーソン・マッカスカーがいいですね。昨年途中から加入したルーク・ボイトの長打力は脅威ですし、黒川史陽、中島大輔、宗山塁といった若手も期待できそうで、打線はなかなかいいです。
【プロフィール】
星野伸之(ほしの・のぶゆき)
1983年、旭川工業高校からドラフト5位で阪急ブレーブスに入団。1987年にリーグ1位の6完封を記録して11勝を挙げる活躍。以降1997年まで11年連続で2桁勝利を挙げ、1995年、96年のリーグ制覇にエースとして大きく貢献。2000年にFA権を行使して阪神タイガースに移籍。通算勝利数は176勝、2000奪三振を記録している。2002年に現役を引退し、2006年から09年まで阪神の二軍投手コーチを務め、2010年から17年までオリックスで投手コーチを務めた。2018年からは野球解説者などで活躍している。










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