今江敏晃の楽天の戦力分析&パ・リーグ順位予想 後編
(前編:今江敏晃は前田健太について「二桁近く勝てる」 監督時代にともに戦った選手ら、楽天の戦力を分析した>>)
3月27日に開幕する、プロ野球のペナントレース。昨シーズンはソフトバンクがリーグ連覇と日本一を果たしたが、2026年はどの球団に勝利の女神が微笑むのか。
現役時代にロッテや楽天でプレーし、2024年には楽天の監督を務めた今江敏晃氏に、今季のパ・リーグを占ってもらった。
【1位予想:日本ハム】
「新庄剛志監督は5年目のシーズンを迎えますが、監督が根づかせてきた野球を選手たちがしっかり理解していますね。ソフトバンクと迷いましたが、成長著しい選手たちが高いモチベーションでプレーしている日本ハムを、勢いの差で1位と予想しました。
負傷者の多いリリーフ陣にやや不安は残りますが、2年連続最多勝の有原航平を、優勝を争うソフトバンクから獲得できたことは本当に大きい。同じく14勝を挙げ、WBCにも出場した伊藤大海や、北山亘基、加藤貴之、山崎福也と続く盤石な先発陣が、試合を作ってくれるでしょう。
野手陣に目を向けると、1年間戦える体力を備えた20代の選手たちが揃っています。走力や守備などそれぞれ特長を生かしつつ、各ポジションで激しいレギュラー争いを繰り広げていますね。
実際にチームを指揮してみると、試合に出られない選手のモチベーション管理は本当に難しいんです。その点、新庄監督はベンチで出番を待つ選手の気持ちを切らさないように振る舞っていて、優勝に向けてチームをひとつに束ねています。本拠地・エスコンフィールドに訪れるみなさんの後押しや、球場全体の盛り上がりも含めて、新庄監督が胴上げされる要素が揃っているように感じます」
【2位予想:ソフトバンク】
「昨シーズンは日本一になり、戦力も揃っていますが、若手選手たちの勢いのある日本ハムに分があると思い、2位と予想しました。
先発陣はリバン・モイネロ、上沢直之、大関友久など駒が豊富な一方で、今シーズンはケガで投げられない藤井皓哉の代役探しに不安が残るかなと。昨シーズンの日本一は、藤井や松本裕樹、クローザーを任された杉山一樹の頑張りが本当に大きかったと思っています。
野手陣も、柳田悠岐、山川穂高、近藤健介、中村晃、今宮健太といった実力派が揃っていますが、軒並み30代に足を踏み入れています。1年間、安定して活躍することが難しくなる可能性もあると見ています。
周東佑京や、昨シーズンに最高出塁率のタイトルを手にした柳町達、野村勇、栗原陵矢といった中堅どころの選手や、ケガからの復帰を目指す正木智也の活躍がシーズン中に見られるようなら、自ずと連覇が見えてくると思います。戦力は豊富ですが、現状では未知数な部分が多いとも感じています」
【3位予想:楽天】
「先ほど(前編)でもお話しましたが、積極的な補強の一番の注目は、MLBから11年ぶりに日本球界に復帰した前田健太。二桁勝利も期待できますし、経験豊富なベテランの加入は、チームにいい影響を及ぼしてくれるでしょう。
前田が加わった先発陣は、荘司康誠、瀧中瞭太、古謝樹、藤井聖に加えて、リリーフから転向した西口直人や新外国人のホセ・ウレーニャ、ベテランの岸孝之なども控えています。ここに負傷離脱中の早川隆久が復帰すれば、さらに厚みを増しますね。
中継ぎはWBCを経験した藤平尚真、鈴木翔天、移籍した則本昂大の代役としても期待の西垣雅矢と充実しています。藤原聡大(花園大)や伊藤樹(早稲田大)といった実力派のルーキーも、どこかで存在感を示してほしいです。
ただ、投手陣が活躍できるかどうかは、結局のところ打線の改善次第です。現状では、昨シーズン途中に加入したルーク・ボイトなど、外国人選手らに頼らざるを得ない状況です。
そんななかでも、宗山塁や中島大輔といった成長著しい若手や、最多安打のタイトルを獲得した村林一輝、FAで残留を決めた辰巳涼介などのタレントは揃っています。外国人枠の運用も含め、選手起用の難しさはありますが、うまくかみ合えば上位進出の可能性もあると思っています。僕が監督時代に一緒にプレーした選手も多く残っていますし、頑張ってもらいたいです」
【4位予想:オリックス】
「オリックスには、2021年から2023年にリーグ3連覇を成し遂げた選手が多く在籍していますし、"ハマった時"の強さは目を見張るものがあります。ただ、近年はケガ人も多く、1シーズンを戦う上での不安要素が多いことから4位としました。
特に投手陣は宮城大弥、曽谷龍平、山下舜平大、九里亜蓮ら先発陣の駒は揃っているものの、リリーフ陣は負傷者も多く、現状ではかなり苦しいのかなと見ています。昨シーズン終盤に復調の兆しを見せた山崎颯一郎は順調な仕上がりを見せていますが、本来ならばフル回転してもらいたい吉田輝星、古田島成龍、小木田敦也、宇田川優希といった面々が、ケガから復帰して活躍すれば上位も十分あると思います。
野手陣も杉本裕太郎、中川圭太、頓宮裕真、森友哉など、長打力を秘めた打者が揃っている一方で、昨シーズンにリーグ最下位だった58盗塁が示すように、足を使える選手が限られています。投打が噛み合わないことが多い場合は、苦しむこともあるんじゃないかと思います」
【5位予想:ロッテ】
「昨シーズン最下位だったロッテの指揮官に、僕が現役時代のロッテのチームメイトで、PL学園の先輩でもあるサブロー監督が就任しました。オープン戦を見る限りでは、目先の勝利よりも、選手の育成を重視した采配をするような印象があります。
新庄剛志監督が就任した当初の日本ハムのように、勢いのある若い選手をじっくり育てる方針なのかなと思っていますが......。現状では投手陣の層が薄く、1年間戦い抜く戦力が揃っているとは言い難い印象です。
小島和哉、種市篤暉に加えて、本来なら石川柊太が先発ローテーションにしっかり入らないといけないんですが、昨シーズンから不調が続いています。
潜在能力を秘めた若手投手が多い中継ぎ陣も、現時点では計算できる投手が少なく、苦しいやりくりを強いられるんじゃないかなと予想しています。
対する野手陣は、キャプテンに就任したネフタリ・ソトや、復活を期すグレゴリー・ポランコの長打力に頼らざるを得ない状況です。彼らの打撃が、そのままチーム成績に直結すると言っても過言ではないかと。
幸いなことに、走力があり若くてイキのいい選手は揃っているので、長打が出るようになり、若い選手の躍進もあれば上位を目指せるのかなと。昨シーズンにあれだけ負けての最下位(56勝84敗3分)だったことで改革もしやすいでしょうし、OBとしての期待も込めて5位としました」
【6位予想:西武】
「ヒューストン・アストロズに移籍した今井達也の穴が、想像以上に大きいように感じています。ただ、右肘の手術で離脱したものの、昨シーズンに49登板した山田陽翔をはじめ、成長著しい若手投手はたくさんいます。彼らの成長に期待したいです。
野手陣は、オフに石井一成と桑原将志をFAで獲得しましたが、それでも昨シーズンにリーグ最下位だったチーム打率.232、リーグ4位の80本塁打という攻撃力不足の課題は残っています。タイラー・ネビン(昨シーズン21本塁打)、渡部聖弥(同12本塁打)と、本塁打を打てる打者が限られているので、安打を繋いでいかないとなかなか得点に結びつきません。
投打が噛み合えばチャンスはあると思いますが、近年の野球は安打でつないでいくことが難しくなっています。それも加味しての予想となりました。
ここまで予想してきましたが、3~6位はどこがどう入れ替わってもおかしくないと思います。交流戦あたりに流れに乗り遅れたら、一昨年の西武、昨年のロッテのような状況になりかねないため、開幕ダッシュを狙いたいところですね」
【今江敏晃のパ・リーグ順位予想】
1位 日本ハム
2位 ソフトバンク
3位 東北楽天
4位 オリックス
5位 ロッテ
6位 西武
【プロフィール】
今江敏晃(いまえ・としあき)
1983年8月26日生まれ、京都府出身。PL学園では1年時から活躍し、2001年のドラフト3位でロッテに入団。勝負強い打撃、ゴールデングラブ賞を4度受賞した守備で中心選手として活躍。2005年、2010年のロッテの日本一にも大きく貢献し、いずれもシリーズMVPに輝いた。2006年にはWBC日本代表として優勝に貢献した。2016年に楽天に移籍し、2019年に引退。2020年から楽天でコーチを務め、2024年には監督としてチームを率いた。










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