春のGIシリーズもついにオーラス。上半期のドリームレース、GⅠ宝塚記念(阪神・芝2200m)が6月14日に行なわれる。

 今年は、GⅠ大阪杯(4月5日/阪神・芝2000m)、GⅠ天皇賞・春(5月3日/京都・芝3200m)と連勝し、春の「古馬三冠」に王手をかけたクロワデュノール(牡4歳)を筆頭に、昨年末のグランプリ・GⅠ有馬記念(12月28日/中山・芝2500m)を制したミュージアムマイル(牡4歳)、宝塚記念の連覇を狙うメイショウタバル(牡5歳)、さらに一昨年のダービー馬ダノンデサイル(牡5歳)に、GⅠ3勝の女傑レガレイラ(牝5歳)と豪華メンバーが集結。春シーズンの最後を飾るにふさわしい顔ぶれがそろった。

 その大一番を占ううえで「ポイントとなるのは大阪杯組」と語るのは、デイリー馬三郎の吉田順一記者だ。

「距離は1ハロン延びますが、舞台は同じ阪神競馬場。しかも、同じ内回りコースですから、(舞台適性のある)大阪杯組が宝塚記念でも幅を利かすのは当然のことでしょう」

 現に過去10年の連対馬を見ても、前走・大阪杯組が6連対とトップ。次いで、天皇賞・春組が5連対となっている。ゆえに、吉田記者はこう続ける。

「今年は1着クロワデュノール、2着メイショウタバル、3着ダノンデサイルと、大阪杯の上位組がそろって参戦。これらが引き続き、宝塚記念でも好勝負を演じる可能性は高いと見ています」

 ただし、クロワデュノールは前走・大阪杯組ではない。加えて、過去10年で大阪杯の勝ち馬は延べ8頭が宝塚記念に出走しているが、一度も勝っていない、という嫌なデータがある。

 なおかつ、1番人気馬も過去10年でわずか2勝と、意外と振るわない。そして、クロワデュノールの父キタサンブラックが、大阪杯、天皇賞・春と連勝しながら、宝塚記念では9着と惨敗を喫したことも、マイナス材料となる。

そうした状況を鑑みて、吉田記者もこんな見解を示す。

「大阪杯の勝ち馬クロワデュノールは、続く天皇賞・春も勝利して今季3戦目のGⅠ。そのローテーションは決してラクではなく、むしろかなりハードな臨戦と言えます。中間の攻め気配も前走以上ということはなく、やはり見えない疲れが気になるところです」

 また、吉田記者は大阪杯2着で連覇を狙うメイショウタバルにも疑問の目を向ける。

「昨年の勝ち馬ですが、有馬記念で序盤に逃げを許したミステリーウェイ(せん8歳)の存在が気がかり。大阪杯のときと比べて、思うような競馬ができない可能性があります。状態に関しては申し分ないのですが、心配のほうが大きいです」

 そうなると、伏兵の出番もありそうだが、どういった馬が狙い目になるのか。吉田記者は馬場状態に着目してこう分析する。

「開幕週だった先週の芝は、土日ともにクッション値が9.9。速いタイムが出る馬場状態でした。この週末の天気予報からすると、引き続き時計の出やすい馬場と判断していいでしょう。であれば、ある程度速い時計勝負にも対応できる馬、その裏づけがある馬に注意が必要でしょう」

 そこで、吉田記者は激走が期待できる穴馬候補を2頭ピックアップした。

1頭目は大阪杯3着ながら、思いのほか人気がないダノンデサイルだ。

【競馬予想】宝塚記念で有力なのは前走・大阪杯組 タフな展開で...の画像はこちら >>
「大阪杯上位組のなかでは、最も魅力を感じています。1週前のフォトパドックは大阪杯とほぼ似通ったシルエットでしたが、中間の攻め過程は少し違って、坂路ではなくCWコースで最終追い切りを消化。長めからしっかりと脚を伸ばしていた点は、強調材料と見ます。

 前肢の伸びが半端なく、体全体を上手に使った柔らかみのある走りは、体調のよさを物語っています。前走以上の攻め気配と断言していいでしょう。

 前走では終始窮屈な競馬を強いられて持ち味を発揮できませんでしたが、スタートから1コーナーまで距離のある芝2200mのほうが好ポジションを取れるはず。有馬記念のようなタフな競馬になることが想定され、長くいい脚を使えるのも大きな武器となります。展開面は確実に大阪杯より向くでしょうから、目標とする有力馬を目の前に捉えながら、最後の直線でまとめて面倒を見ても不思議ではありません」

 吉田記者が注目するもう1頭は、GⅡ金鯱賞(3月15日/中京・芝2000m)を勝ってここに駒を進めてきたシェイクユアハート(牡6歳)だ。

「レース間隔を詰めて使ったほうが結果を出しているタフネスが売りですが、今回は約3カ月ぶりの実戦。それでも、1週前のCWコースでの追い切りでは悪癖のモタれる面を見せず、躍動感のある走りを披露しました。

 最終の追い切りではモタれる課題を見せて、いつもどおりそれを矯正しながらの走りでしたが、前肢がのびやかで活気を前面に出していました。

好気配をうかがわせ、この攻め内容であれば、休み明けでも楽しみです。

 ハーツクライ産駒らしい成長曲線を描いて、ここに来ての充実ぶりは著しいものがあります。速い時計の競馬にも対応でき、有力馬が前でしのぎ合いになれば、展開を味方にして出し抜けを食らわす可能性も。勝つまでは微妙かもしれませんが、2、3着に突っ込んできてもおかしくありません」

 注目のクロワデュノールは春の「古馬三冠」という偉業を達成できるのか。はたまた、それを阻止する伏兵の台頭があるのか。見どころ満載のドリームレースから目が離せない。

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