北中米ワールドカップ、森保一監督率いる日本代表は、6月26日(日本時間/現地時間25日)、グループステージの3試合目をスウェーデン代表と戦う。
日本国内では楽観論がはびこっているという。
しかしスウェーデンは、それほど容易い相手なのか?
グループステージのここまで、彼らはチュニジアには5-1で勝利したが、オランダには1-5で敗北している。ロングボールを蹴り込み、リスクを避けながら試合を進めるのが基本で、その戦い方は単純明快というよりは凡庸とも言える。結局のところ、システムが確立されていないから、場当たり的かつ不安定で、それこそが彼らの正体だ。しかし、それはイコール、弱さではない。
グレアム・ポッター監督が率いるスウェーデンは、組織や秩序に致命的な問題がある。昨年10月に監督に就任、即席で挑んだワールドカップ欧州予選のプレーオフも、"7人で守り、3人で攻める"という人海戦術でどうにか勝ち上がっている。戦術的な仕組みができていないから、再現性のあるプレーを積み上げることができないのだ。
特にディフェンス面は、動き方のメカニズムに欠陥がある。たとえば前線からの守備は、完全に個人任せで、組織だったプレッシングができない。また、フォーメーションは3バック+ウイングバックが基本だが、ウイングバックと3バックの両端は常にズレを生じさせ、サイドアタッカーやサイドバックに力のある選手を擁するオランダには好きなようにやられてしまい、大量失点を喫した。
その意味では、前がかりになった日本が、得点を取れる可能性は高いだろう。
しかし一方、攻撃に関しては、スウェーデンの破壊力は侮れない。
【攻撃陣はワールドクラスのタレント】
リバプールのアレクサンデル・イサク、アーセナルのヴィクトル・ギェケレシュのツートップは破壊力抜群で、個の力がストロングポイントになっている。ふたりともスピード、パワー、高さ、うまさ、シュート技術、戦術的なセンスに恵まれ、ほとんど弱点がない。残念ながら周りとのコンビネーションは熟成されておらず、それぞれの試合で手探りの状態なのだが......。
しかし、イサクがパスの出し手に回ったとき、あるいは加速したときは、トップレベルのディフェンダーも止められない。オランダの手練れのディフェンスも、ずいぶんと手を焼いていた。ギェケレシュも何度となく相手を振り切ってシュートまで持ち込み、迫力満点だった。彼のシュートまで持ち込む技術とハンマーのような一撃は世界でも屈指だ。
日本は3バックのふたりがマークにつき、ひとりがカバーする形になるだろう。しかし、それでイサク、ギェケレシュを封じることができるか。形勢は分が悪い。
スウェーデンがアンソニー・エランガ(ニューカッスル)のような走力のあるサイドアタッカーを、イサク、ギェケレシュとどう接続するかも焦点になる。エランガは爆発力のあるスプリントで相手を撹乱し、そこでセットプレーを得るだけでチャンスになる。ゴール前は長身選手が揃い、空中戦は脅威だ。
チームとしては不安定でも、スウェーデンの個人の力量は高い。森保ジャパンは史上最強の戦力と言われるが、DFのイサク・ヒエン(アタランタ)、ヴィクトル・リンデロフ(アストン・ヴィラ)、ガブリエル・グドムンドソン(リーズ)、MFのイェスパー・カールストロム(ウディネーゼ)、ヤシン・アヤリ(ブライトン)など、所属クラブを見ても日本と拮抗している。そして日本にはいない、イサク、ギェケレシュというワールドクラスのタレントを擁するのだ。
日本対スウェーデンは、奇妙な試合展開になるかもしれない。基本は日本が攻め、スウェーデンが守る展開にはなりそうだが、両者ともそこまで手数をかけないだろう。スクランブルを避け、「やり合わない」という可能性もある。ノックアウトステージ進出を考えた場合、どちらも必ずしも勝たなくていい。もっと言えば、引き分けでOKなのだ。
日本はすでに勝ち点4で、おそらく引き分ければ2位突破となる。状況は異なるが、ロシアワールドカップのグループステージ第3戦、ポーランド戦と似ている(日本は0-1で敗れたが、勝ち点、得失点差、総得点で並んだセネガルをフェアプレーポイントで上回り2位で決勝トーナメントに進出)。一方のスウェーデンにとっても引き分けは"もってこい"かもしれない。無理をして攻めかかって敗れた場合、勝ち点3のままではグループステージ敗退の窮地に陥るのだ。
そこで日本は主力を温存し、ノックアウトステージに備えるのもひとつの手か。中5日の試合とはいえ、疲労は募ってくる。鎌田大地、佐野海舟、中村敬斗らは休養がベターで、決戦に向けて万全の準備ができるという考え方もできる。
しかし、ひとつだけ言えるのは、スウェーデンを見くびってはいけないということだ。
森保ジャパンが相手を侮って不用意に攻め入ったら、彼らは手ぐすねを引いて待ち構えているだろう。日本はいわゆるセンターフォーワードタイプへの対処を苦手としている。守備陣は痛い目を見ることになるだろう。
日本はたとえ負けてもノックアウトステージに勝ち上がれるだろうが、3位に転落した場合は現在の勢いが失われる。

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