この記事をまとめると
■クルマの故障や事故は、いつ誰に起こってもおかしくない■万が一の際に必要な道具は搭載場所や使い方を把握しておくと良い
■この記事では確認事項を10点挙げて解説する
ドライブ中のトラブルは誰にでも起こりうる
クルマの故障や事故なんて、自分には関係ない、起こるわけない。なんて思っている人もいるかもしれませんが、本当にそうでしょうか。首都高速道路では、2021年に約4万件ものパトロール隊出動事象があったそうです。
まず1点目は、何かが起こって路肩などに停止する際に、後続車両に異変を知らせ、二次災害を防ぐために道路に設置する「三角表示板」または「停止表示版」。これは一般道では表示義務はありませんが、高速道路(自動車専用道路)では表示義務があります。
違反すると点数1点と反則金が課せられますが、そもそも、三角表示板をちゃんと積載して走行しているでしょうか? これは新車を購入したとしても、標準装備で付いてくるものではないので、自分の意志で購入しないと積載されていません。ない人は今すぐ、カー用品店などで入手しておきましょう。組み立て式になっているものがほとんどなので、事前に一度、組み立て手順を予習しておくといいですね。
2点目は、同じく車両への常時装備が定められている、発炎筒。前席のドアポケットやグローブボックスのなか、助手席の足もとなどに装備されているクルマが多いのではと思いますが、その存在を確認して「装備されている」と安心するのはまだ早いのです。
その発炎筒は、JIS規格を満たしているものでしょうか? 有効期限内のものでしょうか? この2つに当てはまらないと、車検をクリアできないので注意が必要です。また、発炎筒と同じように危険を知らせる非常道具として発煙筒もあるのですが、こちらは道路で使用すると煙で視界を遮ってしまい、二次被害の原因を作ることにもなりかねないので、絶対に使用しないようにしましょう。
3点目は、故障で停止しているクルマの原因として多いパンクの際に応急処置する道具である、パンク修理材。最近は燃費向上のためやコスト削減のために、スペアタイヤを積むクルマが激減し、多くはその代わりにパンク修理材が装備されています。まずはそれがどこに入っているのか確認することと、使い方をあらかじめ頭に入れておくことが大切です。
パンクする場所というのは、作業しやすい場所とは限りません。猛暑の日や雨の日ということも考えられますので、そんな中で1から使い方を確認する余裕はないかもしれないですよね。パンク修理材にもいろんなタイプがあり、前に使ったことがあっても同じものかどうかはわからないので、確認した方がいいでしょう。また、使用期限もありますので、期限切れになったら忘れずに買い替えましょう。
4点目は、やはりパンクした時に出番となるのが、テンパータイヤ。省スペースや軽量化のために、実際に装着されているタイヤよりも細くて小さいサイズのタイヤが搭載されているものです。
こちらはあくまで応急処置用のタイヤなので、パンクした場所から修理工場へ向かうまでの、最低限の距離を走るためにあり、最高速度は80km/h程度、連続走行距離は100km程度というものがほとんど。ですが、万が一パンクした際にこれが使えないとなると、積載車を呼んだり大ごとになりますので、日頃からきちんと状態を確認しておきましょう。空気圧チェックや、ひび割れなどがないかどうか。
日頃からしっかり備えておけば助かる可能性はグンと高まる
5点目は、パンクした際にテンパータイヤに履き替えるために必要な、ジャッキとジャッキアップポイントの確認です。昔は当たり前のように標準装備されていたジャッキですが、最近はスペアタイヤやテンパータイヤの代わりにパンク修理材が搭載されることが多くなり、ジャッキも搭載されなくなってきています。ですが、テンパータイヤに交換するためには必需品となりますので、搭載場所と使い方をマスターしておきましょう。
ジャッキで車体を持ち上げる際には、どこにでもジャッキを当てて良いわけではなく、指定のジャッキアップポイントがありますので、取扱説明書などで確認を。また、使用する際には必ず平坦な場所で行い、タイヤの前後に石などで輪止めをして車体が動き出すことにないようにしましょう。
6点目は、こちらもタイヤ交換をする際に必要となる、工具です。最低限、手動タイプのトルクレンチがあれば交換できますが、自分のクルマのタイヤのナットにサイズが合っているかどうか、確認しておきましょう。
7点目は、どうにも自力で走行不可能になってしまった際に、他の車両に牽引してもらうときに必要な牽引フック。これがどこに搭載されているか、知っていますか? レスキュー隊に来てもらったとしても、この牽引フックがないと助けてもらえなくなりますので、一度確認しておくことをおすすめします。荷室の床下収納など、よく探さないと見つからない場所にあることも多いので、いざという時にさっと取り出せるようにしておきましょう。
8点目は、最近はいろんな場所が電動化されていて、エンジンが再始動できなくなるとリヤゲートが開けられない、というクルマもあります。
そんな時にも、万が一車外から開けられなくなった時に、手動で車内からリヤゲートを開ける緊急手段というのがあるはずなので、一度、取扱説明書などで確認しておくといざというときに慌てずに済むと思います。
9点目は、豪雨や豪雪による運転中の被災が増えている昨今、車内に常備する人が増えている、防災エマージェンシーバッグ。携帯トイレや防寒具、最低限の水や食料、ホイッスルといった、ドライブでの出先で被災した際に命を守るための道具がコンパクトにまとまっています。
まずは、購入してから年数が経ったものは、経年劣化や有効期限切れになっていないかどうか。何かで使ったことを忘れていて、減っていれば補充をしておきましょう。また、赤ちゃんや女性、お年寄り、持病がある方などがよく乗るクルマであれば、オムツや生理用品、常備薬といった備えをプラスしておくとさらに安心です。
10点目は、故障や事故の際に真っ先に連絡するところといえば、警察や道路の緊急ダイヤルに続いて、加入している保険会社ですよね。連絡先の電話番号はわかりますか? 「スマホに登録してあるし、なければ検索すればいいじゃん」と思っている人は、要注意。事故や故障の際に、いつもどおりスマホが使えるとは限りません。もちろん、スマホに登録しておくのもいいのですが、必ずお財布にメモを入れておくとか、毎日使うバッグに緊急連絡先リストを入れておくなど、もしもスマホが使えなかった時のことを考えて、準備しておきたいですね。
ということで、明日は我が身かもしれないドライブ中のトラブルですが、日頃からしっかり備えておけば助かる可能性はグンと高まり、安心して走行できると思います。