この記事をまとめると
■スタッドレスタイヤを履く際は使用年数をチェックすべき



■しかし古いタイヤでも溝は十分残っている場合がある



■そこで今回は古いスタッドレスタイヤで走るとどうなるのかを解説



ゴムが硬化して十分なグリップ力が得られなくなる

冬になると話題に上がるスタッドレスタイヤへの交換。そして交換時にチェックすべしと言われるのがタイヤの年数だ。製造から3~4年以上経過したスタッドレスタイヤは溝が残っていても交換が必須と言われるが、もしも古いスタッドレスタイヤを履いて雪道や氷上を走行したらどうなってしまうのか? 今回はその危険性を紹介していく。



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年数が経つとゴムが硬化

溝がある場合、年数が経ってはいても見た目は新品とさほど変わらない。しかし、年数が経つことでスタッドレスタイヤに起こる異変がある。それはゴムの硬化だ。スタッドレスタイヤは温度が低い雪上や氷上でもグリップ力を確保するために、サマータイヤよりも柔らかいゴムを使用している。この低温でも柔軟性を維持する柔らかいゴムが、雪上や氷上といった冬特有の路面状況でも路面に密着してくれることで、グリップ力を確保している。



しかし、年数が経過するとゴムが硬くなってしまう。そうするとグリップ力を得ることが出来なくなり、走る、曲がる、止まる、すべての動作に影響を及ぼすことになり、滑りやすくなる。μが低い(滑りやすい)雪上や氷上では滑り出したら、通常の路面より滑りが止まりにくいので危険な状況になりやすいのだ。



自分でゴム硬度を調べることも可能

じつは判断材料は年数じゃない?

年数が経過したスタッドレスタイヤはゴムが硬くなり(固くなるのはサマータイヤも同じ)、低温でグリップ力を失い危険だと紹介したが、危険となる根本の原因と言えるのは年数の経過ではなく、ゴムの硬化にある。そのため、スタッドレスタイヤが安全か否かは年数よりもゴムの硬さで判断するのが正しいと言える。



ゴムの硬さを判断する材料として上げられるのが、ゴム硬度だ。ゴム硬度は0~100までの間の数値で表されていて、数字が小さいほど柔らかくゴムが新鮮な状態と言える。あくまでも目安だが、新品のスタッドレスタイヤの場合の硬度は45程度とされていて、55~60で要注意、60で即交換と言える。



このゴム硬度を調べるゴム硬度計はタイヤショップなどには置いてあると思われるし、インターネットなどで購入することも可能だ。

気になった人は愛車のタイヤのゴム硬度を調べてみると良いだろう。



溝があるのになんでダメ? 溝が十分な古いスタッドレスで走るとどうなるのか



タイヤが劣化する原因

タイヤのゴムが硬くなる原因はさまざまだ。温度差や水分、油分、紫外線などが挙げられる。とくにスタッドレスタイヤは低温でも柔軟性を確保するために、特殊な配合をしているため分子レベルで結合などが壊れてしまうと、設計上の作動範囲から逸脱してしまい劣化してしまう。これは化学的な劣化と言える。



その他にも、適正空気圧で使用しなかったり、アライメントが狂っているために偏摩耗や欠損など物理的な劣化を起こしてしまうこともある。このような状態を防ぐためにもタイヤは適正な使用や保管が重要となってくるのだ。普段からしっかりとタイヤのことを気遣ってあげれば長く使うことも可能と言えるだろう。

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