この記事をまとめると
■取り締まりの実態について解説



■反則金による収入は1年間に約500億円に達する



■取り締まりの方法については問題点も



隠れて行う取り締まりは理解が得られにくい

内閣府による一般会計歳入予算概算見積書によると、交通反則通告制度に基づく反則金による収入は、1年間に約500億円に達する。その原資は、ドライバーやライダーの過失による交通違反だ。警察官が過失を確認して、それに基づいて取り締まりを行い、後日反則金を徴収する。



ドライバーやライダーの理解を得にくいのは、隠れて行う取り締まりだろう。もっともわかりやすいのは、いわゆる覆面パトロールカー、反転式警光灯を装着した交通取締用四輪車による取り締まりだ。白黒に塗り分けたパトロールカーならスグに見分けられるが、覆面パトロールカーは、一般の乗用車に見える。気付かないで速度を超過すると、取り締まられる。



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悪いのは速度を超過したドライバーだが、警察官には、市民の安全を守る役割もある。取り締まりをすることよりも、安全を守ることのほうが重要だ。



それなら警察官が高速道路をパトロールする場合、白黒に塗り分けたパトロールカーを使って安全な速度を保ち、周囲の車両に速度超過をさせない運転を促すほうが安全性を高められる(このような走行も行われている)。交通違反を発生させた後に取り締まりをするより、未然に防いだほうが安全性が高まるのは当然だ。



信号機のない横断歩道は危険

横断歩道の取り締まりにも同様のことが当てはまる。隠れた場所に警察官を配置して、歩行者の横断妨害を取り締まるなら、警察官が横断歩道の脇で車両を停止させ、歩行者を横断させたほうが安全性は大幅に向上する。



万一、警察官が陰に隠れて違反を見張っている時に、横断する歩行者と車両の衝突事故が発生したらどうするのか。交通の取り締まりが、本来は防げた事故の発生を許したことになってしまう。



とくに信号機が設置されていない横断歩道は、車両が歩行者を発見して停車させる必要がある。信号のある横断歩道に比べて、ドライバーの過失が発生しやすく、交通事故に至る危険性も高い。可能な限り信号機を設置して、ドライバーの過失と交通事故を防ぐべきだ。



「覆面パトカーでの追尾」に「隠れて一時不停止の取り締まり」! 「違反を未然に防ぐ」ことより「違反金稼ぎ」と思われても仕方がない警察による取り締まりの現状
信号機



そして警察官が信号のない横断歩道の付近で隠れた取り締まりを行うなら、歩行者が安全に横断できるように、積極的にサポートして欲しい。そうしないと、反則金を原資にした500億円を稼ぐために、取り締まりをしていると受け取られてしまう。



警察官が、もっと有意義でプライドを持てる仕事ができるように、国はもっと配慮すべきだ。好んで物陰に隠れているわけではないだろう。あれが仕事では、志を持った警察官が可衰想だ。

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