この記事をまとめると
■2023年5月25~28日にスーパー耐久第2戦が開催



■今回はST-Qクラスに注目した



■他のクラスに該当しない、STOが認めた開発車両が対象だ



自動車メーカーが最新技術を試す場として注目を集める

スーパー耐久の第2戦「NAPAC富士SUPERTEC 24時間レース」が5月25日~28日、静岡県の富士スピードウェイを舞台に開催。過酷な24時間レースで激しいバトルが展開されていた。



やはり、FIA-GT3車両を対象にした最高峰のST-Xクラスは抜群のスピードを持つだけに、スリリングで迫力あるアクションでギャラリーの注目を集めていたが、それと同じぐらいファンの関心を集めていたのが、ST-Qクラスだと言えるだろう。



「他のクラスに該当しない、STOが認めた開発車両」を対象にしたST-Qクラスには2021年のクラス創設以来、数多くの自動車メーカーが参入。



たとえば、トヨタのワークスチーム、トヨタGAZOOレーシングの開発パートナーであるORC ROOKIE Racingが水素エンジンを搭載した32号車「ORC ROOKIE GR COROLLA H2 concept」を投入するほか、水平対向4気筒の2400ccから直列3気筒の1400ccにエンジンを載せ替えたカーボンニュートラル燃料採用の28号車「ORC ROOKIE GR86 CNF concept」を投入。



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これと同様にスバルの社員チーム、Team SDA Engineeringもカーボンニュートラル燃料の採用はもちろん、航空宇宙カンパニーが開発したカーボンの再生利用やアイサイトを搭載した61号車「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」を投入している。



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スーパー耐久のST-Qクラスの61号車「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」の走行写真



さらにマツダの社員チーム、MAZDA SPIRIT RACINGも100%バイオディーゼル燃料、サステオを採用した55号車「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA 3 Bio concept」を投入するほか、2022年からは新たに日産のワークスチーム、NISMOがカーボンニュートラル燃料を使用した230号車「Nissan Z Racing Concept」が参戦したことは記憶に新しい。



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スーパー耐久のST-Qクラスの230号車「Nissan Z Racing Concept」の走行写真



ST-Qクラスはいまやスーパー耐久の「花形」であり、世界的にも注目を集めるクラスとなっているのだが、2023年の大会は新たなトピックが満載で、例年以上にヒートアップしていた。



各メーカーの開発モデルが素晴らしいパフォーマンスを発揮

まず、最大の注目を集めていたのが、水素エンジンを搭載した32号車「ORC ROOKIE GR COROLLA H2 concept」で、世界で初めて液体水素を採用したことだ。液体水素は気体水素に比べて充填量が約1.7倍も増えることから、より多くのラップを重ねることが可能で、途中、パーツ交換を強いられたものの、327周で完走を果たしていた。



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スーパー耐久ST-Qクラスの32号車「ORC ROOKIE GR COROLLA H2 concept」のピット作業の写真



一方、ホンダのワークスチーム、Team HRCがST-Qクラスに新規参入を開始。カーボンニュートラル燃料を使用した271号車「CIVIC TYPE R CNF-R」を投入したことも2023年のトピックといっていい。初参戦ということもあってマイナートラブルが発生したものの、271号車は520周で完走を果たした。



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スーパー耐久ST-Qクラスの271号車「CIVIC TYPE R CNF-R」の走行写真



また、MAZDA SPIRIT RACING の55号車「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA 3 Bio concept」も2023年の大会に合わせて最高出力300馬力までアップした2200ccのディーゼルエンジンを搭載するなどアップデートを実施。



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スーパー耐久ST-Qクラスの55号車「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA 3 Bio concept」の走行写真



ドライバーのひとり、堤優威によれば「パワートレイン的に厳しいところがあったんですけど、パワーアップをした結果、ST-4クラスのマシンやST-QクラスのスバルBRZと争えるようになりました。

エンジンが大きくなったことでフロントヘビーにはなっているんですけど、足まわりをうまくまとめているので走りやすくなりました」とのこと。その結果、途中、マシントラブルに祟られたものの、529周でチェッカーを受けた。



「開発車両」たちがガチレース! メーカーが全力を投入するスーパー耐久の「ST-Q」クラスの盛り上がりがヤバイ
スーパー耐久ST-Qクラス55号車「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA 3 Bio concept」の堤優威選手



そのほか、Team SDA Engineeringのエンジニア、竹内源樹は「2023年はモーテックのメーターを使用して表示の認識性を高めました。そのほか、昨年のデータをもとに信頼性を高めています」と語るように61号車「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」も細部の熟成を果たしたことにより638周で完走。



「開発車両」たちがガチレース! メーカーが全力を投入するスーパー耐久の「ST-Q」クラスの盛り上がりがヤバイ
スーパー耐久ST-Qクラスの61号車「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」のエンジニアの竹内源樹さん



さらに230号車「Nissan Z Racing Concept」も685周、28号車「ORC ROOKIE GR86 CNF Concept」は640周と、過酷な24時間レースを走破したことで、各メーカーの開発モデルは素晴らしいパフォーマンスを発揮した。



「開発車両」たちがガチレース! メーカーが全力を投入するスーパー耐久の「ST-Q」クラスの盛り上がりがヤバイ
スーパー耐久ST-Qクラスの230号車「Nissan Z Racing Concept」の走行写真



まさにST-Qクラスのマシンは近未来を感じさせる開発車両で、しかも、そのパフォーマンスはほかのクラスに参戦する既存のマシンを凌駕するほどレベルが高い。噂によれば、Team HRCはカーボンニュートラル燃料を使用した271号車「CIVIC TYPE R CNF-R」のほか、もう一台、シーズン終盤には違うコンセプトを持つマシンを投入すると言われているだけに、今後の動向に注目したいものだ。

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