この記事をまとめると
■注文を受けたら即納車できるよう、販売店では一部車種で在庫車を抱えている場合がある■在庫車は好みの内外装にすることはできないが、割引やオプションのサービスが受けやすい
■「登録済み未使用中古車」を購入する際は価格や年式に注意する必要がある
在庫車って中古とは違うの?
軽自動車では、契約から短期間で納車を希望するユーザーも多い。ほかのカテゴリーに比べて、生産/販売台数が多い事情もあり、販売店は軽自動車の在庫車を豊富に用意する。
とくに3月決算フェアでは、3月中に登録や届け出を行わないと、決算の数字に反映させられない。
最近は半導体などの供給体制が元に戻りつつあり、納期も短縮傾向にあるが、それでも3カ月以上を要する車種が目立つ。3月中に登録や届け出をするには、2023年中に契約する必要があるが、在庫車なら話も変わる。すでに車両があるから、3月中旬に契約して届け出や登録を月末までに済ませることも可能だ。
販売店では「特定の売れ筋車種は、予め決算期に売るための在庫車を用意している。希望にあった車種と仕様があれば、値引きや販売店で装着するディーラーオプションのサービスなどを通常よりも積極的に行える」という。
見方を変えると、在庫車は新規の発注と異なり、グレード、生産ラインで装着するメーカーオプション、内外装の色彩などを自由に選べない。その代わり、値引きやディーラーオプションを交渉する余地が生じるわけだ。
クルマはサイズが大きな商品だから、保管するにも広い駐車スペースが必要でコストを要する。そのために販売会社も在庫車は早めに売りたいと考えており、値引きや各種サービスの商談をしやすい。自分の好みに合った在庫車が見つかれば、選ぶ価値は高いだろう。
軽自動車はもっとお得! しかし……
とくに軽自動車は大量に売られるため、販売会社とメーカー間の受発注をシンプルにする必要があり、メーカーオプションの種類が少ない。
一方、在庫車に似たクルマとして、選ぶときに注意したいのは、登録(届け出)済み未使用中古車だ。販売会社が保管コストなども含めて、在庫車をもち切れず、新車なのに登録や届け出を行って中古車市場へ放出した車両だ。軽自動車では、メーカーが生産ペースを落としにくい事情もあり、走行距離が50km以下の届け出済み未使用中古車も豊富に流通している。
このような中古車では、車両価格が新車に比べて大幅に安くても、納車整備費用などの名目で法定外諸費用を多く請求してくる場合がある。
また、登録(届け出)済み未使用中古車には、2024年3月の時点でも、2023年式が多く流通している。走行距離は50km以下でも、最初に登録や届け出を行ったのは前年だ。このような車両は、2024年式に比べて、数年後の売却額が安くなる。売却時の査定は、車種やグレード、走行距離に加えて、年式も大切な基準になるからだ。新車の在庫と、登録(届け出)済み未使用中古車では、選び方や損得勘定が明確に異なるから注意したい。