この記事をまとめると
◼️スバル・エルテンはスバルが1997年に発表したコンセプトカーだ◼️エルテンは4輪駆動のハイブリッド車だった
◼️R1eなどの電気自動車をのちに発表し2009年にはプラグイン・ステラの発売に至った
スバルのコンセプトカー、「エルテン」とは
スバル・エルテンは、SUBARU(当時は富士重工業)が、1997年の東京モーターショーに出展したコンセプトカーだ。外観は、往年の名車であるスバル360を彷彿とさせる姿だったが、技術は独自開発によるハイブリッドで、4輪駆動を採用していた。
ガソリンエンジンとベルト式無段変速機(CVT)の組み合わせは、通常の軽自動車の動力として当たり前だが、これにモーター駆動が加わる。そのモーターは、マンガンリチウムバッテリーと、パワーコンデンサーから電力を得て、太陽光発電から充電も出来るという、環境技術を盛りだくさんに集めたシステム構成となっていた。
ハイブリッド車という考え方は、1960年代半ば以降にトヨタがガスタービンを用いたハイブリッドを考案するなど、以前から研究は行われていた。そして95年にコンセプトカーのプリウスが発表され、のちに97年の市販プリウスにつながる。スバルも、エルテンと別に、95年にはプラグインハイブリッドのコンセプトカーを発表していた。
地球環境問題が表面化した90年代の早くから、スバルが電動化の道を探っていたことをうかがわせる。
リチウムイオンバッテリーは、旭化成の吉野彰が実用化へもち込み、クルマ用としてはソニーと日産が共同で開発してルネッサEVの実験車両で採用するなど、時代が動き出そうとしていたのが90年代だった。その際、当時のスバルもリチウムバッテリーに目を向けていたのである。
そして、スバルは軽自動車のR1eを2003年の東京モーターショーに出展し、実証走行を続けながら、2009年のプラグイン・ステラ発売に至る。これは、三菱自動作工業のi-MiEV発売と同じ年のことだ。
それからソルテラ発売まで、スバルの電動化は遅々として進まない状態に陥ってしまった。2013年に、独自のハイブリッドをXVで発売し、フォレスターなどへも拡大した。
世界的なEVへの期待が高まるなか、かつて早期にハイブリッド車を構想し、またEVにも先んじて取り組み、発売にこぎつけたSUBARUの今後の電動化に期待する人は多いのではないか。

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