この記事をまとめると
■ガソリンやガソリンスタンドには専門用語が多数存在する



■ガソリンスタンドのスタッフ相手だと専門用語が通じる場合がある



■知っていると万が一の際に役に立つ可能性もある



ガソリンにまつわる専門用語たち

内燃機関を搭載したクルマに乗る以上、必ずお世話になる設備といえばガソリンスタンド。他業種と同様に、この業界ならではの専門用語が存在します。ガソリンスタンドのスタッフはもちろん、一般のユーザーの方でも、「どこかで聞いたことがあるかもしれない」用語をまとめてみました。



「TBA」「ガチャマン」「特約店」! クルマ好きなら知ってお...の画像はこちら >>



たとえば、フルサービスのガソリンスタンドを利用する方であれば「ガチャマン」というキーワードを知っていると、いつかどこかで役に立つことがあるかもしれませんよ!



●TBA

「TBA」というとABSやTRCの親戚のようですが、実際には「タイヤ」のT、「バッテリー」のB、「アクセサリー」のAといった、各商品の頭文字をとったものです。ご存じのように、ガソリンスタンドはガソリン以外のさまざまな商材が店頭に並んでいます。ハイブリッドカーの普及や、純内燃機関を搭載クルマの燃費そのものが向上しているだけでなく、近隣のガソリンスタンドとの価格競争など、ガソリンを売るだけでは利益が得られにくい状況です。



「TBA」「ガチャマン」「特約店」! クルマ好きなら知っておきたい「ガソスタ業界用語」7つ
タイヤ売り場のイメージ



そこで、クルマを所有するうえで欠かせないカー用品や消耗品を販売することで、新たな収入源を得ようというのです。事実、キャンペーン期間中など、思わぬお買い得品や数量限定の特価品が用意されることもあり、日頃からチェックしておいて損はないはずです。



●ガチャマン

科学忍者隊………ではなく(わからない方はお父さんに聞いてみてください)、給油する際に「ガチャ」っと止まる状態と「満タン」とをかけ合わせた造語が「ガチャマン」です。セルフのガソリンスタンドであれば給油する量を自分で調整できますが、フルサービスの場合はスタッフの方が給油してくれます。



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給油のイメージ



給油を依頼する際に「レギュラー満タン、ガチャマンで!」と伝えれば、よほどの新人さんでない限りはそのとおり対応してくれます。もっとも、給油が「ガチャ」っと止まった時点で満タンの状態であり、そこからの継ぎ足し給油はタンクからガソリンがあふれ出すおそれがあるので、できるだけ避けたほうが安心です。



●SS

一般的には「ガソリンスタンド」と呼ばれている施設も、販売店および元売会社、そして経済産業省などでは「サービスステーション(SS)」と呼称されます。セルフ式のガソリンスタンドであれば「セルフSS」となります。



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ガソリンスタンドのイメージ



ちなみに「ガソリンスタンド」は和製英語であり、ほぼ日本国内でしか通じません。アメリカ英語では「gas station」や「filling station」、イギリス英語では「petrol station」がそれにあたります。



●災害対応型ガソリンスタンド

災害が起こったとき、施設のタンク内に燃料が残っていても停電していては給油することができません。しかし「災害対応型ガソリンスタンド」であれば自家発電設備を備えているため、災害時に施設に被害がなければ燃料を給油することが可能です。



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災害対応型ガソリンスタンドの看板



ただ、いうまでもなく、有事の際は緊急車両の給油が優先されます。

筆者自身、東日本大震災直後、給油に3時間ほどかかったことがありました。それ以来、ガソリンはできるだけ満タンかそれに近い状態を維持するように心がけています。



ひと口に「ガソリン」といっても専門用語多し

●オクタン価

エンジン内部の異常燃焼の現象のひとつである「ノッキング」。アクセルペダルを踏み込んだ際に、踏み込み量に対してクルマが加速せず、「カリカリ」「カンカン」といった音とともにパワー不足を感じたりする現象です。たとえば、ハイオク指定のエンジンにレギュラーガソリンを入れるとノッキングを起こしたりします。これはおそらくクルマに詳しくない方でも「何だかエンジンがおかしい」とわかるレベルの不具合です。



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給油機のイメージ



「オクタン価」とは、ガソリンのノッキングの起きにくさを表す数値です。ちなみに、JIS規格(日本工業規格)では、オクタン価が96以上のものがハイオク、オクタン価が89以上のものがレギュラーと定められています。



●石油元売り会社

ニュースなどでも耳にしたことがあるかもしれない「石油元売り会社」。普段、何気なく給油しているガソリン。「原油から精製したもの」であり、どこかで誰かが作らなければ「ガソリン」にはなりません。原油を海外から輸入し、製油所で精製することでガソリンや軽油、冬場にお世話になることが多い灯油をはじめとした石油製品へと生まれ変わるのです。



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タンクローリーのイメージ



製油所で精製された石油燃料は、タンクローリーで全国各地に点在するガソリンスタンドに卸されています。現在の石油元売り会社は、ENEOSホールディングス、出光興産、コスモエネルギーホールディングス、キグナス石油、太陽石油の5社です。



●特約店

原油からガソリンや軽油などの石油製品を精製するのが石油元売り会社であり、ここから「特約店」に卸され、消費者に販売する役目を担うのがガソリンスタンド(サービスステーション)という流通経路をたどっています。現在、日本国内で流通しているガソリンの約6割以上が特約店を通じて販売されており、トップシェアとなっています。



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ガソリンスタンドのイメージ



特約店と販売店のあいだで契約が結ばれると、特定のブランド(たとえば出光など)を掲げて消費者にガソリンなどの燃料が販売されるのです。ただ、灯油に関してはガソリンスタンドだけでなく、酒屋や米屋、ホームセンターなどでも購入することができます。



●最後に:ガソリンの携行缶を持ち込んで給油する行為はNG?

ホームセンターやAmazonなどでも入手可能なガソリンの携行缶。発電機や耕運機などで使いたいからガソリンの携行缶に給油して欲しい……でも、ガソリンスタンドで断られたというケースが増えつつあります。総務省消防庁ホームページによると、危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令によって、2020年2月1日よりガソリンを販売するため容器に詰め替えるときは、「①顧客の本人確認」、「②使用目的の確認」、「③販売記録の作成」が義務化されています。



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携行缶のイメージ



ただ、前述したように、実際にはガソリンの携行缶を持ち込んでの給油はNGというケースが増えつつあります。最寄りのガソリンスタンドや旅行先などの目的地で、ガソリンの携行缶をもち込んで給油が可能なガソリンスタンドを事前に調べておく必要がありそうです。

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