この記事をまとめると
■自動車税の支払い書は毎年5月上旬に送られてくる■排気量や登録年数によって金額が大きく変動する
■年式の古いモデルを複数台所有していると支払額が大きくなる
そろそろ勘弁してほしい自動車税の不満
毎年5月上旬に送られてくる「都道府県からの不幸の手紙」こと、自動車税種別割の納付書。「……なんでクルマを持ってるってだけで税金を払わなければならぬのだ? 逆に『クルマによって経済をまわしていただき、誠にありがとうございます』みたいな知事の手紙を添えて、俺の口座にカネを振り込めや!」と絶叫しながら納付書を引き裂き、そのままゴミ箱に捨てたくなるわけだが、まぁ捨てるわけにもいかないため、5月末までに(渋々)納付している筆者ではある。
だが、排気量2.4リッターのクルマに乗っている筆者の自動車税額など、下記のようなクルマに乗っている人からすれば「微々たるもの」なのかもしれない。
現行型の国産新車で自動車税種別割の税額がもっとも高いのは、排気量4.5リッター超~6リッター以下のクラスに属するトヨタ・センチュリー(セダン)とレクサスIS500 Fスポーツパフォーマンスだ。いずれも排気量4968ccとなる両モデルにお乗りのオーナーは、毎年5月末までに金8万7000円也を納付しなければならない。

まぁセンチュリーセダンを個人で所有している人はほとんどいないと思うが、IS500のFスポーツパフォーマンスは、個人として所有している人もけっこういるのではないか。そんな方々には「いいクルマ買いましたね!」というリスペクトの言葉を贈るとともに、「お支払い……ご苦労さんです!」というねぎらいの言葉も、ぜひかけたいと思っている。

そして自動車税は、なぜか知らないが新車登録から13年が経過すると「重課」となり、割り増しされた罰金……じゃなかった自動車税を納めなければならなくなる。
今年2024年から見て13年前といえば、2011年。区切りのいいところで「2010年に新車登録されたクルマ」で考えてみると、前述した現行型トヨタ・センチュリー(セダン)のオーナー氏は8万7000円の税額で勘弁してもらえるのに対し、車齢13年を超えた2010年式の先代トヨタ・センチュリー(4996cc/V12DOHC)をいまも大切に維持しているオーナー氏は、重課により10万1200円を支払うはめになる。

同年式のトヨタ・ランドクルーザー200(4608cc/V8DOHC)を大切に維持している場合も、同額の10万1200円だ。……こうなるともう、市ヶ谷の陸上自衛隊駐屯地に乗り込んで「重課反対!」との演説をカマしたうえで……となるわけだが、そうもいかないため、多くの人は仕方なく、そのまま税金を納めている。ふざけた話である。

さらに頭が痛いのは、2005年式あたりの先代センチュリー(4996cc)やランドクルーザー100(4663cc)にお乗りのオーナー氏だろう。この場合、自動車税種別割は前述と同じ10万1200円なのだが、車齢18年を超えたということで「自動車重量税」のほうにも2段階目の重課が行われる。

話を自動車税に戻そう。国産車の場合、新車あるいは中古車市場に出まわっている中古車の排気量は、最大でも「4.5リッター超~6リッター以下」のクラス、つまり上から2番目のクラスに収まる場合がほとんどだ。しかし、輸入車になると、一部のモデルは余裕で最大クラスである「6リッター超」に属してしまうことになるため、莫大な自動車税を納めなければならなくなる。
毎年の自動車税で中古車が買えるぞ!?
とはいえ最近のヨーロッパ車はパワーユニットのダウンサイジング化と電動化が進んでいるため、たとえば「メルセデスAMG GT 63 4MATIC+クーペ」などという大仰な車名を持つモデルであっても、じつはエンジン排気量は3982ccでしかなかったりする。この場合の自動車税種別割は6万5500円で、まぁ高いといえば高いが、「どうってことない」ということもできなくはない金額だろう。

だが、アメリカではいまだ「大きいことはいいことだ」の精神が根付いているため、一部のスポーツモデルやプレミアムSUVは、最高税額となる「6リッター超」のクラスに属することになる。具体的には、シボレー・コルベット(6156cc/V8OHV)と同カマロ(6168cc/V8OHV)、そしてキャデラック・エスカレード(6156cc/V8OHV)あたりの税額が11万円/年だ。

しかし、自動車税も年額11万円で済むなら「まだマシなほう」といえるのかもしれない。なぜならば、「排気量6リッター超」という条件に「新車登録から13年が経過」という条件も重なると、重課により11万円では済まなくなってしまうからだ。
例えば通称「63エンジン」こと排気量6208ccのV8DOHCエンジンを搭載したW204型メルセデス・ベンツ C63 AMGの自動車税種別割は、2010年式だと重課が加わって12万7600円。

とはいえ冷静に考えてみれば、もっとも多額な自動車税を納めているのは、たくさんの旧車を同時所有している「エンスー各位」なのかもしれない。
もちろん登録を抹消したうえでガレージに保管しているエンスー氏も多いのだろうが、「登録を切らずに乗るタイプ」のエンスーだと、1台ごとの税金は大した額ではなかったとしても(なにせ小排気量でライトウェイトな場合が多いでしょうから)、それが3台分、4台分となると、けっこうな合計金額になる。
たとえば、趣味のクルマとして1970年式のハコスカ(C10型日産スカイライン)と1965年式ヨタハチ(トヨタ・スポーツ800)、1958年式カニ目(オースチン・ヒーレースプライト)の登録を切らないまま所有し、なおかつ普段の足グルマとしてスバル・フォレスターあたりを使っているエンスー氏が1年に支払う自動車税額は、じつに14万9200円だ。

……もうちょっとでいいので「お金をさほどかけずとも旧車を楽しむことができる国」になってほしいのだが、まぁあと100年は無理なのだろう。残念だが。