この記事をまとめると
■アウディRS6アバントにシリーズ最強の限定モデルが登場■専用チューンが施され走行性能がさらに向上
■世界限定660台のうち日本国内割り当ては10台
まさに「トップ・オブ・トップ」な究極のRS6
現在でこそさまざまなメーカーから発売されている超高性能ステーションワゴンというジャンルだが、その起源をアウディとする見方は少なくない。1993年に発表されたアウディRS2アバントは、ポルシェとのタッグによって生まれた辛口仕立てのスペシャルモデルで、「超」がつく高性能ステーションワゴンの嚆矢ともいえる1台。
そんなRS2を思い起こさせるホットなステーションワゴンが、このたびアウディから発売された。
その名は「RS6アバントGT」。アウディの4WDシステム「クワトロ」の誕生40周年を記念したプロジェクトとして2020年に製作されたコンセプトカー「RS6 GTOコンセプト」を進化させながらも市販化したモデルであり、もともとA6シリーズのトップモデルであるRS6のなかでもトップとなる、「トップ・オブ・トップ」であると謳われる。
フロントに搭載される4リッターV型8気筒TFSIツインターボエンジンは、最高出力630馬力、最大トルク850Nmという途方も無いパワーを絞り出す。組み合わされるトランスミッションは8速ATで、駆動方式はもちろん伝統の「クワトロ」4WDだ。
これらのパワートレインとそのスペックは、ベースモデルとなるRS6アバントパフォーマンスと同一のものであるが、0-100km/hの加速タイムは、ベースモデルの3.4秒よりさらに0.1秒速い3.3秒をマークし、スピードリミッターで制限される最高速度に関しても、ベースモデルの280km/hに対して305km/hとなる。
このスーパーカー顔負けのハイパフォーマンスに対応すべく、ブレーキにはセラミックブレーキシステムが奢られ、そのキャリパーは専用のレッドカラーに彩られる。
もちろんアウディ渾身の一作が単なる直線番長で終わるはずはない。足まわりには専用の軽量アジャスタブルコイルオーバーサスペンションを採用している。3段階に調整できるダンパーや、硬められた前後スタビライザー(フロント+30%、リヤ+80%)など走りを追求したスペックで、ベースモデル比で車高が10mm低くなるだけでなく運動性能も大幅に向上している。

そのほかにも、リヤディファレンシャルには、アグレッシブなトルク配分をもたらす専用チューンが施され、限界コーナリング時のアンダーステアを軽減している。
ハイパフォーマンスなオーラ漂う内外装デザイン
内外装デザインもハイパフォーマンスを予感させるスペシャルな仕立てとなっている。
エクステリアでは、まずハイグロスブラックのシングルフレームグリルとエアインテークがさらなるワイド&ローの印象を与え、フロントエプロンの垂直ブレードやバンパーに統合されたフロントスプリッターがシャープさを演出する。
足もとにはGTのロゴが入った専用デザインの22インチアルミホイールを採用。モータースポーツにヒントを得たというリヤウイングとともに、ひと目でスペシャルなモデルだとわかる迫力が与えられている。

そのほか、ボンネットを中心にカーボン製のパーツが多用されていることも大きなトピックだ。その効果はレーシーなルックスだけでなく車重にも表れており、ベースモデル比40kgのダイエットに成功している。
インテリアはスウェード調の新素材「ダイナミカレザー」を大胆にあしらったスポーティな仕立て。
専用ロゴ入りのRSバケットシートや、ディープブラックのデコレーションパネル、フラットボトムデザインのステアリングなどがハイライトとなる特別装備だ。台数限定のスペシャルモデルを主張するシリアルナンバーがセンターコンソール上に刻印されるのもオーナーにはたまらないポイントだろう。

気になる価格は、ベース車となるRS6アバントパフォーマンス比で910万円高となる税込2820万円。
カラーバリエーションはクロノスグレーメタリックとミトスブラックメタリックの2色で、日本に割り当てられる10台のうちそれぞれ5台ずつとなる。今回オンライン発売が開始されたのはクロノスグレーメタリックを纏う5台で、ミトスブラックメタリックの5台は今秋以降順次販売店を通じて販売予定となっている。