この記事をまとめると
■クルマの保管環境は屋根付きかつシャッター付きのガレージが1番の理想だ



■青空露天駐車でもコーティングやこまめな洗車でクルマを綺麗に保つことはできる



■近くに電線や線路などがある場合はボディカバーを付けておくのも有効だ



青空駐車でもボディを綺麗に保てるぞ!

クルマ好きなら、大枚をはたいて手に入れたクルマをいつまでも美しく保ちたいと願うものではないか。筆者もそうである。



クルマの保管場所としては、露天と屋根付きがあり、理想は屋根付き、というより完全に外界から遮断された、雨風、鉄工所や鉄道線路から飛散する鉄粉、黄砂などの影響を受けない屋内ガレージ、地下駐車場になる。

しかし、そんな恵まれたクルマの保管場所を持っているユーザーはごく一部のはずだ。



屋根付きガレージなんて夢のまた夢……でも大丈夫! 洗車の達人...の画像はこちら >>



実際、もう何十年もクルマを所有している筆者も、初めての愛車から現在に至るまで、ほぼ露天駐車である。マンションの1階の屋内駐車場に停められたのは、たった2年間にすぎない。



が、筆者は比較的1台のクルマを長く乗るのだが、なんと12年乗った2002年式ホンダ・オデッセイV6アブソルート、7年近く乗った2014年型VWゴルフヴァリアントを買い取り、下取りに出した際、ピッカピカでキズも少ないボディコンディションのよさに査定士を驚かせたものだ(だから想像以上の高値がついた)。繰り返すが、ボディカバーなど付けない露天駐車でも、である。



屋根付きガレージなんて夢のまた夢……でも大丈夫! 洗車の達人が伝える「長年の露天駐車」でもクルマをヤレさせない方法
青山氏の元愛車だった2代目オデッセイ



振り返れば、新築マンション1階の拭き抜けの屋内駐車場に当時乗っていたブラックとシルバーのマンハッタンカラーのフェアレディ280Zを停めていたときには、確かに雨風は防げたのだが、コンクリートに囲まれているため、風の強い日にコンクリートの粉塵がボディに堆積したのを覚えている。それこそ、雨風よりもやっかいな被害といっていい。そのままボディに触れば、コンクリートの粉塵がヤスリのように塗装、ガラス、樹脂、ゴムパーツを痛めてしまうのである(あくまで新築の場合かも知れないが)。つまり、屋根付き、というか、屋内駐車でも、外界からの被害が避けられないこともある、ということだ。



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青山氏の元愛車のフェアレディZ



では、これまで露天駐車ばかりしていた筆者の愛車のボディが、どうして査定士がおどろくほどのコンディションを保てたのか?  その理由の最大のポイントが、新車時のガラスコーティングの施工とその後のメンテナンスだと思っている。2014年型VWゴルフヴァリアントの場合は、新車時に自身でガラスコーティングをボンネット内、ホイールにまで施し、のちにキーパーのEXコーディングを行い、現在の愛車も、納車時にガラスコーティングを施工している。費用はかかるが、露天、屋根付き駐車場を問わず、愛車のボディを美しく保つためにボディコーティングは必須だと考える。



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愛車にコーティングするイメージ



常日頃から洗車やコーティングをしておくことがポイント

そして日々のケア。頻繁な洗車はかえってクルマを痛める、というのが、80~90年代の洗車ブームを自動車専門誌でけん引し、洗車に関する書籍、ビデオ、TV、ラジオ出演のほか、洗車関連メーカーのアドバイザーに20年間携わってきた筆者の経験上の結論だが(ボディを触るほど、微細なキズが付く)、その上で、汚れたら徹底した正しい洗車を心がけ、適度なタイミングでガラス、タイヤ&ホイール、エンジンルーム内のケアもまた、怠らないようにしているのだ。



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洗車のイメージ



ところで、露天駐車を余儀なくされる場合、ボディカバーの使用という方法がある。かつて筆者も、セカンドカーを家から離れた月極露天駐車場に停めていて、頻繁に乗らないことからボディカバーをかけていたことがある。しかし、ボディカバーも良し悪しで、安物を使ってしっかり固定しておかないなどした場合、風などの影響を受け、カバーとボディが擦れてかえってボディを痛めかねない。また、防水、湿気対策が不十分なボディカバーだと、風雨に長期間さらされていると、ボディに湿気が溜まり、いいことはない。露天駐車や、半屋根付き駐車で愛車を風雨から守りたいのであれば、高価でも定評ある上質なボディカバーを選ぶべきなのである。



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ボディカバーのイメージ



あまりにも愛車を大切にするあまり、出先でもボディカバーを付けたほうが安心……と思う人もいるかも知れないが、確かに風雨からは守ってくれるものの、問題は脱着時。ボディカバーを脱着する際は、どうしてもボディとの摩擦が生じる。それを頻繁に繰り返すとどうなるか……である。手間もかかるし、なんらかの事情で出先に1カ月以上露天駐車せざるを得ないような場合を除き、ちょっとした出先の駐車でボディカバーを付けたり外したりするのはナンセンス(クルマの窃盗団が狙うクルマの盗難防止に効果はあるかも知れないが)。そもそも、駐車中に雨が降ったりすれば、濡れたボディカバーを外して車内にしまうのもやっかいだろう(荷室に湿気が溜まる)。



つまり、露天駐車を余儀なくされても、最近のクルマのボディは塗装や樹脂、ゴムパーツも耐久性、対候性に優れ、コーティング技術も高くなっているため、新車時(または中古車購入時)にボディコーティングを施しておけば、その効果持続期間において、露天駐車によるボディのコンディション悪化については、ボディカバーをかけなくても、筆者の長年の露天駐車の経験から、それほど気にしなくていいともいえるのだ(日々のケアは不可欠だが)。



屋根付きガレージなんて夢のまた夢……でも大丈夫! 洗車の達人が伝える「長年の露天駐車」でもクルマをヤレさせない方法
青山氏の元愛車



ただし、月極め駐車場などで、木の下、電線の下、鉄工所、線路の近くは避けたい。樹液が降ってくるし、鳥のフン、鉄粉被害によるボディのダメージが避けられないからだ。そんな駐車環境にしか停められないのであれば、ボディカバーも一考だろう。

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