この記事をまとめると
■車内を土足禁止(土禁)にしている人は数こそ減ったものの存在する



■キレイ好きという単純な理由だけでなくさまざまな事情がある場合も



■理解されないケースも多いが「土禁」は当事者にとっては死活問題である



「土禁」はただのキレイ好きが理由だけじゃない!?

かつては意外と多かった「土禁」。



靴は専用のトレーに置いて、裸足または靴下でアクセル&ブレーキ、クラッチを操作し、クルマから降りるときにはその都度、靴を履いて外に出る……。まるで家の玄関のようです。



単に「汚したくないから」だけではない理由で愛車を土禁にしている人がいます。そこには「こればかりはやむを得ないか」と思うようなものも含め、さまざまな事情があるのです。



●親のクルマも土禁だった

クルマ選びに親が乗っていた車種が影響するように、子どもの頃に身についた習慣なども例外ではありません。親がミニバンに乗っていて、セカンドシート以降を土禁にしていたら……。結婚して自身に子どもが生まれて同じようにミニバンを選んだとして、土禁にする確率が高いといえます。



そうなのです。こればかりは習慣ですから、変えることはなかなか難しいのです。



一生相容れない「土禁派」vs「外靴派」! 外で乗るクルマをな...の画像はこちら >>



●リセールバリューに影響するから

どれほどきれいにしていても、こまめに洗車をしたとしても、1度でも土足のまま乗り降りすれば車内は汚れます。しかし、車内を土禁にすることでかなりの確率で汚れを回避することができます。フロアマットの汚れは純正品の上にサードパーティー製のマットを乗せれば回避できますが、カーペットやペダル類はどうすることもできません。



一生相容れない「土禁派」vs「外靴派」! 外で乗るクルマをなぜ土禁にするのか理由を探ってみた
クルマの査定用紙に記入するイメージ



土禁のまま3年乗りつづければ、初回車検を迎えるころにはその差は歴然です。ベージュやホワイト系の内装であればなおさらです。当然ながらリセールバリューにも大きく影響してきます。そこまでやるか!? という気もちもわからなくはないですが、車種によっては数十万円単位で買い取り価格に差がつくこともあるそうなので、少しでも高く売りたいのでれば致し方ない……ともいえます。



●新車マニアだから

せっかく手に入れた新車だけに、少しでも長くその状態を維持しておきたい……。ボディの養生シートは新車整備の時点で剥がされてしまうのは仕方がないとして、本来であれば処分されるはずの各種書類やシートのビニールももちろん保管対象。可能な限り工場をラインオフした状態のまま維持しておきたい……。そのまま塩漬けにしていれば、10年後、20年後に価値がつくかもしれないことよりも、完成直後の状態に魅力を感じるいわゆる「新車マニア」です。



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シートのビニールも残されている新車のイメージ



ミニカーやカタログなどの小物類は閲覧用・保存用・予備で3つ入手するのが基本。しかし、実車となると同時に3台購入は厳しい……ということで、実用と保存を兼ねて、新品同様の状態を極力維持することに全精力を注ぎこむのです。室内も当然土禁です。クルマである以上、使えば使うほど汚れますし、傷がつきます。それは百も承知だけど割り切れない……。端から見ていても気苦労が絶えず、大変そうです。



意外な理由やコレは仕方ない……な理由

●コロナ禍以来、極度の潔癖性だから

2019年12月にはじめて中国で感染が確認されて以来、世界中で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、多くの人たちの生活を一変させました。



屋外にいるときはマスク着用が必須。手が荒れてもことあるごとにアルコール消毒を行い、通勤時に電車のつり革につかまるのも躊躇ったほどです。しかし、2023年5月8日からは「5類感染症」に分類され、いまでは屋外でマスクを着用している人が減ったように感じます。

一時期はノーマスクで外を歩くのがはばかれることもありましたね。



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マスクを着用して車内で咳き込むイメージ



それでも、「また感染するかもしれない」という恐怖心から極度の潔癖性となってしまい、自分のクルマも常に消毒が必須、土足のままなんてもってのほかという後遺症に苦しむ人がいるのです。もし、友人・知人がそうであったとしたら……本人も重々承知していることなので、どうか労ってあげてください。



●愛車は移動する部屋だから

日本に暮らす日本人である以上、靴は玄関で脱ぎ、室内ではスリッパや靴下履き、あるいは裸足という人がほとんどでしょう。自身の愛車もその延長線上という人がいます。とくに人を乗せる機会が少ない、あるいはほぼない場合は土禁にしても困らせるケースは少ないといえます。



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クルマを部屋のように活用するイメージ



ただ、点検整備や車検時にはディーラーや自動車販売店のスタッフが触れることになります。こればかりは避けてとおれないので「土禁」であることを念には念を入れて伝えることです。ディーラーや自動車販売店のスタッフも、うっかり汚してしまったらのちのち大変ですし、なにかと気を遣います。



●まとめ:こだわる人にとって、土禁は死活問題

一度でも愛車を土禁にする習慣が身についてしまうと、土禁をやめるのはなかなか困難です。ましてや、個人の所有物であれば土禁にしようがしまいが本人の自由です。



一生相容れない「土禁派」vs「外靴派」! 外で乗るクルマをなぜ土禁にするのか理由を探ってみた
靴置きのイメージ



問題は同乗者がいる場合です。オーナーから「このクルマ、土禁だから」といわれたら靴を脱ぐしかありません。

それこそ汚してしまったら大変です。実際、かなり気を遣ったという経験がある人もいるでしょう。たとえ、靴を脱いで足の臭いが車内に充満しても「足の臭い<土禁」の公式が成り立っている以上、従うしかないのです。

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