この記事をまとめると
■旧車を乗るにあたって不可欠なのが「主治医」という存在



■しかし接し方によっては関係性が崩れてしまうかもしれない



■主治医と良好な関係を築きつづけるための秘訣を伝授する



主治医と良好な関係を築けていますか?

多くの旧車・ネオクラシックカービギナーにとって救いの神であり、駆け込み寺ともいえるのが主治医の存在です。しかし、主治医との接し方を間違えると、歓迎すべき客だとは見なしてもらえなくなってしまいます。



そこで今回は、「旧車・ネオクラシックカービギナーが知るべき主治医との付き合い方のコツ」をまとめてみました。



●納期は余裕をもって

あらゆる点検整備および車検がディーラーのように数日で出来上がってくることを期待してはいけません。また「ディーラーでは3日で仕上げてくれた」などと比較するのも御法度です。ディーラーは多くのスタッフが在籍していますが、旧車およびネオクラシックカーの主治医のところは基本的に1人~数人程度。しかも、主治医の腕を頼って多くのオーナーが順番待ちをしている状態です。



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イベントやツーリングなど、どうしても間に合わせてほしい予定がある場合、早めに預ける日と完成希望日を主治医とすりあわせる必要があります。それでも遅れることがあるので、余裕をもってスケジューリングすることをおすすめします。この日までには絶対に仕上げてくださいと念押しするのも効果的です。



●知ったかぶりをしない

あなたの頼れる主治医は、その道ではプロ中のプロです。知ったかぶりは一発で見破られます。無理して対等に渡り合おうとする必要はありません。わからないことは正直に伝え、素直に教えを請うのは得策です。多くの場合、懇切丁寧に教えてくれます。



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プロによる作業のイメージ



こうして生の情報を得ることで少しずつオーナー側にもノウハウが蓄積されていくのです。聞かぬは一生の恥であり、損なのです。



●DIYは基本的に嫌がられるのでほどほどに

機械いじりが好き&得意なオーナーであれば、基本的なメンテナンスはDIYで、重整備は主治医のところへ……という人もいるでしょう。



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素人によるSIY作業のイメージ



残念ながら、手探りでいじってうっかり整備中に壊してしまい、主治医に修理を依頼すると「余計なことしてくれたなあ」と怒られる場合も多いです。主治医が本来の技術を発揮するのは、リカバリーではなく愛車のコンディションを絶妙なバランスに調律してくれるときです。どうしてもDIYで整備したい場合は、事前に主治医へ相談したり、どこまでがお互いの作業領域なのかを確認した方がよさそうです。



●部品のもち込みは嫌がられるので応相談

オークションや海外通販、あるいは友人・知人から安く部品を手に入れた。なにかのついでに主治医に交換してもらおうともち込むと「これは使わないほうがいいよ」とやんわり断られることがあります。純正品であってもコンディションがよくなかったり、サードパーティー製だと品質が怪しかったりと理由はさまざまです。



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状態が悪い中古パーツのイメージ



せっかく手に入れた部品を無駄にしないためにも、部品を購入する場合には事前に主治医に確認・相談をした方がいいでしょう。



オーナーと主治医といえども最後は「人付き合い」

●同業の悪口は筒抜け

行く先々で主治医とトラブルを起こし、半ば喧嘩別れのような形で別の整備工場の門を叩き、そこでもまたトラブル……といったことを繰り返す人がいます。いわゆる「トラブルメーカー」です。新たに敷居を跨いだ主治医のところで、過去の整備工場や主治医の悪口をいう……。これって案外筒抜けだったりするから要注意です。



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悪口のイメージ



なかには先まわりして「俺んところから追い出したから、次にそちらに行くと思うよ」と伝えられ、迎撃態勢が取られている可能性もあります。そうなれば当然ながら門前払いです。悪口がきっかけで、そのうち誰も相手にしてくれなくなってしまうので要注意です。



●値引きは御法度

ふた言目には「安くしてくれない?」と値引き交渉をしてくるオーナーさんがいます。いわゆる技術料への対価を値切るようなものなので、主治医からすればプライドが傷つけられることにもなりかねないどころか、どうでもいい客リストに載ってしまいかねません。



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整備の請求書のイメージ



なので、安心してください。良心的な主治医であれば、こちらがいわなくても、請求額以上のことはしてくれています。聞くだけ野暮というわけです。ぼったくるようなところはGoogleレビューなどですでにフルボッコにされています。



●セカンドオピニオンは避けるべき

車検はAさんのところで通して、普段のメンテナンスはBさんのところで……といった具合に主治医を使いわける人がいます。これは実際に賛否両論ありますが、個人的には主治医のセカンドオピニオンについては否定派です。



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主治医による整備のイメージ



その理由として、いじりかたにはそれぞれのやり方があり、AさんとBさん、それぞれが「どうやっていじったのかなー」と現車を見ながら状況を把握し、「あぁ、こうやっていじったのか」と理解する必要があるからです。この時点でようやく本来の目的が果たせるスタートラインに立ったことになるのです。毎回、その手間と負荷を掛けていることを知る必要がありそうです。



●まとめ:人間同士の相性はかなり大事

名医や神様といわれるほどの主治医でも、オーナーと波長が合うかは未知数です。お互いに「どうにもソリが合わないな」と感じるとしたら……。やむを得ずやんわりと事情を伝え、別の主治医のところにお世話になった方がいい場合もあります。



いずれにしても、オーナー側が横柄な態度を取るのは御法度です。とはいえ、必要以上にへりくだる必要はありません。自分では手に負えない整備も鮮やかにこなしてくれる主治医に対して、最大限の尊敬と敬意の念を忘れずに……。

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