この記事をまとめると
■プロスポーツ選手にとってスランプはつきものだ■スーパーGTで走るドライバーにスランプの克服方法についてインタビュー
■データを活用して弱点を見つけたりいいイメージをもつことが改善につながるそうだ
メンタルトレーニングの秘密
野球やサッカーなどジャンルにかかわらず、多くの選手が経験するスランプ。
突如として不調や不振に陥る状態で、スポーツ選手にとっては辛い時期だといわれているが、モータースポーツで活躍するプロドライバーたちにもスランプはあるのだろうか? またスランプに陥ったとき、彼らプロドライバーたちはどのように克服しているのだろうか?
とくに、モータースポーツではクラッシュが付き物だが、大クラッシュを演じたドライバーたちは、恐怖心をどのように克服しているのか?
というわけで、2024年のスーパーGTの実質的な最終戦として、12月7~8日に鈴鹿サーキットで開催された第5戦「SUZUKA GT 300KM RACE GRAND FINAL」の会場で、数名のドライバーにスランプ克服術を尋ねてみた。
「スランプですか? 考えたこともないですね。

同様にチームメイトの井口卓人選手も「スランプと思ったことはないですね。仮にタイムが出ない状態をスランプだとしたら、その原因を見つけて対処するしかない。あとはクラッシュした経験もありますが、次に走るときに怖いと思ったことはないし、普通に走っています」と語っている。
ショックなことがあっても意外と気にしない!?
モータースポーツにおけるスランプの捉え方も選手によって変わってくるが、TGR TEAM SARDで39号車「DENSO KOBELCO SARD GR Supra」のステアリングを握る中山雄一選手は、「同じクルマに乗っても自分より速いドライバーがいることはよくありますからね。タイムが出ないときはあるんですけど、それはよいイメージをもっていないときに陥ることが多い」。

「よいイメージをもっているんだけど、うまくいかない……というフレーズを聞いたりすんですけれど、おそらく、それはイメージのもち方がうまくいってないから、実際の結果もうまく行ってないと思うので、やはりイメージが重要だと思います」と語る。

さらに、「ミスをしてうまくいかなかったことがトラウマになっている場合も、それも自分の作ったイメージが多く影響していると思いますので、やっぱりイメージのもち方が重要だと思います」と中山選手は付け加える。
ちなみに、またK-tunes Racingで96号車「K-tunes RC F GT3」のステアリングを握るベテランドライバー、高木真一選手も「スランプの自覚がないんですよね。たしかに、直近でクラッシュしたコーナーを攻めきれない……といったこともあったけれど、それも走っているうちに忘れていきます」と苦笑い。

そのうえで、高木選手は「若いころ、同じフォーミュカーでイコールコンディションで走ってもライバルより遅いときはあったので、それに悩んでいるときがスランプなのかもしれないけれど、そういったときはデータや映像を見て遅いところを探していました。あとはフィジカルトレーニングをしていましたが、結局は自分がどれだけ自信をもってレースに挑めるか……が重要。
やはり、レーシングドライバーもスランプの克服のためには、お祈りを含めてさまざまな努力を行っているのである。
