この記事をまとめると
■背もたれのないジュニアシートとして「ブースターシート」というものがある



■対象は年齢7~12歳頃・身長125~150cm前後・体重15~36kg程度の子どもだ



■座面の厚みが複数あるので子どものシートベルト装着の可否を確認するのが重要だ



身長150cmになるまでジュニアシートの使用を推奨している

運転する大人の責任として、6歳未満の子どもをクルマに乗せるときはチャイルドシート/ジュニアシートを使用することが義務付けられています。子どもの不慮の死を死因別に見たデータでは、1歳から14歳までのすべてで、依然として死因の1位は交通事故。これを防ぐために、車内で大人がしてあげられる唯一の安全策が、チャイルドシート/ジュニアシートを正しく装着し、子どもを正しく座らせてあげることです。



それは、万が一の事故の際に、チャイルドシート/ジュニアシートを使用していなければ、子どもの死亡重症率が倍以上にふくれ上がることでも証明されています。0~1歳では約4.2倍、2~4歳では約5倍、5~12歳でも約2.4倍(2013~2022年イタルダインフォメーションより引用)。ここで、「12歳?」と不思議に思った人もいるかもしれません。



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そうなのです。6歳になったからといってすぐにチャイルドシート/ジュニアシートを使わなくなってしまうのは、ちょっと早いかもしれません。



JAFでは、子どもの身長が150cmになるまで、ジュニアシートの使用を推奨しています。というのは、多くのクルマのシートベルトは身長150cm程度以上の「大人」が使うことを想定して作られているからです。



チャイルド&ジュニアシートは知ってるけど「ブースターシート」って何? 子どもの命を守るために備えておきたい「重要アイテム」とは
後席でシートベルトをして着座している様子



「大人」とあえて区別したのは、子どもの骨格は徐々に形成されており、大人のようになるには17~18歳くらいにまでかかるといわれています。いくら身長が伸びても、骨格はまだもろいところがあるため、相応の対策が必要となるのです。



その対策として、シートベルトをそのまま使うことができるジュニアシートがあります。座面と背もたれがあり、頭部を保護するサイドサポートなどが付いている製品や、成長に合わせて背もたれを高くできる製品もあり、眠ってしまっても頭がガクっと倒れず横揺れにも強いのが特徴です。ISOFIXで車体側にワンタッチで確実に装着できる製品なら、さらにミスユースを防ぐこともできます。



試し座りすることも重要

ただ、後席が狭い、天井が低い、暑い、圧迫感があるといったさまざまな理由で、ジュニアシートの使用が困難な場合もあると思います。そんなときに活用したいのが、背もたれがなく座面だけでシートベルトを正しく使えるように調整することができるブースターシートです。使用の目安は、年齢としては7~12歳頃まで。身長は125~150cm前後まで。体重は15~36kg程度までとなります。



チャイルド&ジュニアシートは知ってるけど「ブースターシート」って何? 子どもの命を守るために備えておきたい「重要アイテム」とは
ブースターシートの上にシートベルトをして座る子ども



ブースターシートはクルマの後席に置くだけのタイプもありますが、チャイルドシートの国際的な安全基準であるR129/03に適合しているISOFIXのタイプもあります。



チャイルドシートに比べると価格が手頃で、軽くもち運びがしやすいので、複数のクルマで移動させて使う場合や、普段は取り外して大人が座ることが多い場合、帰省した際にほかのクルマに付け替えたり、お友達を乗せる時用に準備しておいたりするときなどに便利。座面の厚みがいろいろなので、そのブースターシートを使って子どもが確実にシートベルトの装着ができるかどうか、確認してから購入したいところです。



チャイルド&ジュニアシートは知ってるけど「ブースターシート」って何? 子どもの命を守るために備えておきたい「重要アイテム」とは
ブースターシートの上に座る子どもの様子



購入するときの注意点としては、粗悪品に気をつけること。ブースターシートは子ども用品ではなく安全装備品と考え、必ず国の安全基準を満たした「E」マークが付いている製品を選びましょう。



先日、シートベルトを装着していたにもかかわらず、幼い命が奪われる悲しい事故が起こってしまいましたが、シートベルトが首と腹部にかかったまま乗車することは大変危険です。必ず肩から胸の間を通り、骨盤を固定するようにかかっていることを確認しましょう。



6歳になったからといって、いきなり大人と同じように座らせるのではなく、ブースターシートを活用して子どもの命を守ってあげたいですね。

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