この記事をまとめると
■新車販売の世界では年明け早々「事業年度末決算セール」がスタート■年始早々年度末決算セールになるのは納期が不安定だからだ
■狙い目のクルマは試乗車落ちなどの状態がいい新古車のような認定中古車だ
新車販売の世界ではもう令和6年終了!?
本稿執筆時点ではもうすぐ2025年がやってくる。
そして、新車販売の世界では年明け早々から事実上「事業年度末決算セール」がスタートする。正式には2月と3月で展開されるのだが、いまどきは需給状況が良好な車種でも2月受注では3月中に新規登録することはかなり厳しい。
とくに今回の2024事業年度締め年度末決算セールでは、本稿執筆時点でトヨタはほぼ完全終了に近い状況となっている。2024年12月20日にPHEV(プラグインハイブリッド車)を追加し、ガソリン車とHEV(ハイブリッド車)の一部改良実施を発表したトヨタ・アルファード&ヴェルファイアであるが、発表日にはすでに新規受注停止となっていたとのこと(初期配車分を売り切っていた)。
「店舗単位では、PHEV、HEV、ガソリン車それぞれ1台ぐらいの割り当てしかなかったと聞いております」とは事情通。
そろそろ一部改良予定ともされていたノア&ヴォクシーについては、改良時期が2025年初秋以降になるのではないかとされている。そのうえで「販売現場では少し前に、2月あたりまでの改良前、つまり現行型の新たな追加枠がすべて埋まってしまい、4月もしくは5月以降あたりまでともされる新たな新規受注枠を待っている状況だそうです(事情通)」。
カローラ系については、2025年4月以降に改良モデルの生産が開始されるとして、現状では改良前モデルの残り販売枠の奪い合いとなっているとのことである。すでにセダンとツーリングのHEVは新規受注停止、つまり改良前モデルの販売を終了しており、ガソリン車も2024年末の時点ですでに残りわずかとなっていると聞いている。

ズバリ狙いは認定中古車!
1月の可能な限り早い時期で発注したとして、事業年度末決算セール中に新規登録が間に合うことが期待できるトヨタ車としては、アクア、カローラ・スポーツ、ルーミー、プリウス(2リッターHEV)、MIRAI、ライズ、クラウンスポーツ(HEV)、クラウンクロスオーバー(2.5リッターHEV)、bZ4Xとなっている。このなかでも、クラウンスポーツとクラウンクロスオーバー、ルーミーあたりは、事業年度末決算セール期間中に納車が間に合う可能性はほかの車種より高いといえるだろう。

ただ、トヨタ以外のメーカーで需給体制が良好とされていても、働き方改革などで車両輸送やディーラーでの最終完成検査などに時間がかかるようになり、納車までは3カ月ほど見たほうがいいとされているので、トヨタ以外のメーカーであっても登録車の大半は1月の早いタイミングで発注したとしても、事業年度末までの納車はかなり厳しい状況といえるだろう。
それではどうすればいいのかという話になるが、これからの狙い目は「認定中古車」となるだろう、それも短期間展示や試乗車として使われた高年式のものだ。

多くの新車ディーラーでは受注残(受注はもらったが納車できていない状況)車両のなかから、何台事業年度末までに新規登録をかけられるのかという勝負となっているので、これから新たに新車販売台数の実績を飛躍的に高めるのはかなり困難と考えている。ただし、収益ベースでも追いかける必要があるので、これからは認定中古車を推してくるところも増えるはずだ。
一般的な新車販売価格をベースに値付けされることになるが、試乗や展示車のメーカーからの仕入れは一般的な販売車両より割安となっているので、価格設定には余裕がもたされていることが多い(つまり利幅が広い)。普段なら新車で買うより若干買い得な程度で販売していても、決算が近いとなればさらに割安な条件で販売してくる可能性もある。

ただし、認定中古車こそ好条件で良質なものは数が限られてくる。「納車が間に合いそうにないなぁ」という車種ほど、頭を切り替えて年明け早々から認定中古車に絞り込んで行動したほうが、いい買い物ができるかもしれない。