この記事をまとめると
■新車購入の際につけるオプション装備には超高額なものが存在する



■高額車を中心に用意され、なかにはクルマが1台買えるほどのものもある



■下取りには反映されにくい点には注意が必要だ



輸入車だけじゃない超高額オプションの世界

新車を購入するときにつきものなのがオプション装備の選択だ。その種類としては工場で装着するメーカーオプションと、新車ディーラーで付けるディーラーオプションがある。



セールスマンとの交渉、こちらの要望のなかで見積書が作成されるわけだが、なかにはとんでもない価格、そう、軽自動車や中古車が1台買えるような高額なオプションがあったりする。



たとえば、3代目トヨタ・アルファードに設定されていたメーカーオプションのJBLプレミアムサウンドシステムだ。17基ものJBLスピーカーユニットを搭載し、DSPを内蔵した12チャンネルパワーアンプが組み合わされる。



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T-Connect SDナビゲーションシステムやETC2.0などと合わせたパッケージではあるものの、その価格は驚愕の税込65万6000~72万1600円なのだからびっくり。



車内でいい音、JBLサウンドで音楽を聴きたい気もちはわからないでもないが、お金もちしか付けられないオプションといっていいだろう。



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3代目トヨタ・アルファードにオプション設定されたJBLサウンドシステム



しかしながら、ホームオーディオでJBLのシステムを組むことを考えれば、70万円前後で極上のサウンドシステムを備えた一室が手に入れられる、と考えることもできる。



自宅でハイエンドオーディオを楽しめる環境にない音楽好きにとっては車内が唯一のオーディオルームになるわけで、自宅にオーディオルームをひと部屋新設したと思えば、納得できるかもしれない。



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3代目アルファードのオーディオシステム



が、上には上があるもので、現行トヨタ・センチュリーには、さらに高額なメーカーオプションが存在する。



まずは後席サイドシルに装着するスカッフプレートだ。その名も「匠スカッフプレート柾目」。なんと1台分で税込77万円というとんでもない価格設定になっている。



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現行センチュリーにオプション設定される「匠スカッフプレート柾目」



トヨタの匠の技術を持つ職人によって、スギやヒノキの柾目(まさめ)を用い、手作業で刻印される逸品、いや、芸術品そのものなのである。



トヨタによれば、「トヨタの試作車づくりを担っている板金職人のなかでも、卓越した技術をもつ『匠』だけが手がける匠スカッフプレート。

板の表情や叩く音、手に伝わる振動など、五感を研ぎ澄ませながら金槌で1点1点模様を打っていきます」とのこと。



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トヨタの匠が仕上げるアフターパーツ



それだけではない。フロアマットもまた特別なものだ。フックド・ラグと呼ばれる伝統技法によってハンドメイドで仕立てられた高級マット「丹後緞通(たんごだんつう)」の価格は、これまた驚きの税込40万7000円なのである。



微妙に色合いが異なる4色の糸を巧みに組み合わせることによって実現した高密度なボリューム感による、滑らかで上質な質感は格別であるが、土足で踏み入れることを考えると、庶民にはとうてい出せる値段ではない。ちなみに、シルク製のペルシャ絨毯は約60cm×約90cmというサイズで約30万円が相場だそうだ。



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現行センチュリーにオプション設定されるフロアマット「丹後緞通(たんごだんつう)」



センチュリーにはさらに、鳳凰の刺繍入りクッションはふたつで7万400円、ハーフシートカバーでさえも税込17万5000円と、お金もちにしか理解できない高額オプション群が揃っている。



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センチュリーにオプション設定されるハーフシートカバー



日産GT-Rも、超高額なオプションパーツが揃った1台だ。カーボン製のバケットシート約73万円、カーボン製リヤスポイラー約52万円、そのリヤスポイラーとカーボン製トランクリッドのセットオプションはなんと税込108万円という値段になるのだから、GT-Rはやっぱり高嶺の花。



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現行日産GT-Rのフロントスタイリング



ちなみに2007~15年モデル用のNISMOスポーツサスペンションキットは、1台分工賃込みで国産コンパクトカーが買える約166万円だ。まあ、最高額のGT-R NISMO Special Editionが3000万円オーバーなのだから、そのぐらい、どうということはないか……。



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160万円オーバーのNISMOスポーツサスペンションキット



高額オプションは高級車だけのものじゃない!

しかし、アルファードやセンチュリー、GT-Rのようなそもそも車両本体価格が高額なモデルではなく、比較的廉価なクルマにもとんでもない支払金額になるオプションはある。



たとえば、日産ノートにはメーカーオプションのNissan Connectナビゲーションシステムなどとセット装着されるプロパイロットが用意されているが、こちらのメーカーオプション価格はなんと40万円オーバー。



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現行日産ノートのフロントスタイリング



専用通信ユニット、ETC2.0ユニット、緊急停止支援システム、インテリジェントBSI、SOSコールなどとのセットではあるものの、車両本体価格200万円台のコンパクトカーにそれだけのメーカーオプションを付けるのには、かなりの勇気がいるかもしれない。一気に300万円オーバーのコンパクトカーになってしまうのだから……。



それでも、プロパイロットの高度な運転支援システムの価値を納得できれば、安心・安全のために付けておいて損はないとも思える。



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Nissan Connectナビゲーションシステムなどとセットオプションになるプロパイロット



ただし、売却する際にメーカーオプション分の価格がそのまま上乗せされるわけではないことだけは承知しておきたい。とはいえ、ディーラーオプションのようにあと付けすることもできない……。新車購入時に高額なメーカーオプションを付けるか付けないかは、慎重に判断したほうがいいのである。



こうした超高額オプションの世界をのぞき見れば、マイナーチェンジを行った新型アウトランダーに設定される電動パノラマサンルーフの14万3000円や、プレミアムオーディオ「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」の19万8000円がなんだか身近に感じる。



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三菱アウトランダーPHEVに設定されるプレミアムオーディオ「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」



蛇足ながら、トヨタ車に多いAC100V/1500Wコンセントのメーカーオプション装備は、災害大国の日本においては付けておいたほうがいい装備のひとつである。アウトドアだけでなく停電時にも大いに役立つ保険的装備でもあり、3年乗ったとすれば年1万5000円の安心料だ。あーっ、その発想が庶民そのものなんですけどね。

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