この記事をまとめると
■東京オートサロン2025のブリッドブースでは来場者が実際の製品に座って確かめていた■初日のプレスカンファレンスではレーシングチームとのコラボシートが発表された
■「初音ミク」とのコラボシートやチャイルドシートの展示も注目されていた
有名アニメーション作品とのコラボシートが初公開
毎年、年の初めに幕張メッセで開催される「東京オートサロン」では、自動車メーカーのブースをはじめ、カスタムパーツメーカーやショップた展示する新作の車両を目当てに多くの来場者が訪れますが、カスタム用品のメーカーによる展示もお目当てのひとつになっています。
競技専用のモデルから普段乗り用のスポーツシートまでを展開する国産カスタムシートメーカーの「BRIDE」ブースを訪れると、実物展示が行われている製品に多くの来場者が興味津々で、実際の座り心地などを確かめている姿が見られました。
初日におこなわれたメディア向けのカンファレンスでは、現在の代表取締役社長で創業者の高瀬氏がマイクをもち、未発表のレーシングチームとのコラボレーションモデルの発表が行われました。
そのモデルは「D1 GRAND PRIX」などのレースに参戦中の「エヴァンゲリオンレーシング」とのコラボレーションモデル「ZETAⅣ REIMS EVA R MODEL 01/02/00」です。
大人気アニメ「エヴァンゲリオン」のカラーリングで出走するマシンに合わせて、劇中に登場する主役機3体のカラーリングをあしらった3種のシートがお目見えしました。
1種は「初号機」の紫/緑/黒の3色、2種目は「弐号機」の赤/白/黒、そして3種目の「零号機」の黄/白/黒という構成です。
「エヴァンゲリオンレーシング」と「BRIDE」の関係は以前から続くもので、競技車両のシート提供という形で協力をしていましたが、今回初めてコラボレーションによるスペシャルな製品を企画することになり、この「東京オートサロン2025」のブースで発表することとなりました。
ベースとなったのはBRIDEの競技用スタンダードモデルとして長い歴史を持つ「ZETA(ジータ)」シリーズの四世代目である「ZETA Ⅳ」です。
日本を始めとするアジア圏の人の体格に合わせてフィット感が調整され、高い評判を獲得しているシェルに、エヴァンゲリオンのカラーをあしらった表皮が組み合わされています。

ちなみにスタンダードの「ZETA Ⅳ」は背面がシェルむき出しになっていますが、このコラボモデルでは背面も表皮で覆い、色と色の境目には手間の掛かる「パイピング」が施されるなど、縫製職人こだわりの仕上げとなっているのも特徴です。
カンファレンスでは「ファンなら2脚を運転席と助手席に、そして観賞用としてもう1脚お求めください」というスピーチで観客を笑顔にしていましたが、確かに細かく眺めたくなる仕上げとなっています。
気になる価格は22万円(税込・1脚)となっていて、発表のおこなわれた1月10日より全国のBRIDE取扱店で注文可能となっています。
そしてエヴァンゲリオン・コラボモデルの横には、昨年末に発売された「ZETAⅣ RACING MIKU 2024 Ver.」も並べられていました。

こちらは人気ボーカロイドのキャラクター「初音ミク」とコラボレーションしてスーパーGT選手権に参戦中の「初音ミクGTプロジェクト」を展開する「株式会社グッドスマイルカンパニー」と「BRIDE」とのコラボレーションモデルです。
こちらも背面までカバーされた構成で、背面にはアニメのキャラクターデザインなどを手掛ける「モグモ」氏による「初音ミク」のイラストがあしらわれています。
レースのハードなイメージと、美少女キャラクターを採り入れたホワイトベースの組み合わせが、レースシーンにはあまり見られなかったエレガントな雰囲気で存在感を主張しています。
こちらのモデルも22万円(税込・1脚)となっていて、受注が2025年3月31日までの期間限定商品となっています。
旧車に対応したシートやチャイルドシートも展示
また、コラボ商品以外にも気になる新商品の展示がありました。
「BRIDE コンフォルテ・レーシング」は、チャイルドシート専門メーカーの「LEMAN」との共同開発商品で、1~4歳くらいまでを対象とするチャイルドシートに対して、それから成長した後のお子様にもレーシングな世界に触れ合ってほしいという想いを込めて、対象年齢を15カ月~12歳くらいまでとかなり広く設定した「チャイルド・ジュニアシート」というシリーズです。

チャイルドシートの最新安全規格「R129」に適合する高い安全性をベースにして、競技用シートの開発・販売で培った知見を加えて、本格シートのつくりを感じる剛性感や、成長した幼児にも子供っぽさを感じさせないレーシーな雰囲気に仕上げられています。
こちらは2025年2月3日より受注開始とのことです。
いま人気の盛り上がりを見せている国産旧車に向けて、以前から「HISTORIX」というシリーズを販売していますが、新たに改良を加えた「HISTORIX II」をリリース。

「HISTORIX」では旧車の室内サイズに合わせて全幅のコンパクトなスタイルで設計。レトロな雰囲気を崩さないようにヘッドレスト部のないローハイトスタイルです。
このスタイルは旧車のオーナーに好評を得ていましたが、室内の安全基準が変更になった1969年以降に製造の車種では、ヘッドレストがないと車検にとおせないので装備してほしい、という声が大きくなったのを受けて、この「HISTORIX II」でヘッドレストを新たに設定したモデルをリリース予定とのことです。
ヘッドレストは脱着可能となっているので、幅広い年式の旧車に対応可能になります。
また、本格レース用モデルとしてラインアップされている「HYPER」シリーズにも新規格対応の「HYPER II」が加わる予定です。

現行のモデルでは内装のレースレギュレーションの「FIA1999」という国際規格に沿って安全性などを設定していますが、その国際規格が「FIA2021」へと更新されたことで、国内レースのレギュレーションも近いうちに切り替わっていくのは必至と見られています。
当然、国内向けの製品にも「FIA2021」規格への対応が求められるので、まずはBRIDEの本格モデル「HYPER」シリーズで新規格対応品を開発しているそうです。
ブース内には参考出品として「HYPER II」が展示されていました。
「BRIDE」というと競技用のフルバケットタイプのイメージをもっている人も少なくないと思いますが、実は「トヨタ・ハイエース」などの実用車やミニバンへの装着率が増えているようで、出荷数の何割かを占めるほどになっているのだそうです。
そのため、「ユーロスター・クルーズ」や「エルゴスター」「ストリームス・クルーズ」などのコンフォート&スポーツ系シリーズでは、満足度の高い製品を目指してユーザーの使い勝手向上を盛り込んだ製品作りに力を注いでいるそうです。

そして製品とは別に、現在開発中のシート表皮マテリアルも参考展示されていました。
これは表皮メーカーと共同開発しているもので、厳しくなりゆく環境問題への対応として、製造段階でのサスティナブル性を高めた製法を確立しているそうです。

そして、これまでは明るい色の表皮ではジーンズなどの色移りしやすい衣類での運転は避ける傾向がありましたが、新たに開発された色移りを最少に抑える特性のコーティング技術によって制約のない服選びが可能となるそうです。
この表皮は製品に順次投入予定とのことでした。