この記事をまとめると
■主治医やショップはあれこれ変えず長く付き合うべきだ



■メンテナンスへの価値観がそれぞれであるほか信頼構築にも時間と労力が必要



■頻繁に変えていると要注意オーナーとして認識されるリスクもある



主治医を変えるのは本当に得策か?

メンテナンス費用が高い、納期に時間が掛かる。ウマが合わない。さまざまな理由で付き合うショップや主治医を頻繁に変えるオーナーが存在します。



でもそれって、主治医に原因があるだけなく、オーナー自身の気もちの問題である可能性も十分に考えられます。そこで、ひとりの主治医と長く付き合うことが大切な理由や、ショップをあれこれ変えないほうがいいことについてまとめてみました。



1.同じクルマでも主治医やショップによってメンテナンス方法が異なる

古いクルマであればあるほど、主治医やショップの経験と勘がモノをいうケースが多々あります。結果として「エンジンをはじめとする機関系は絶好調の状態」であっても、そこにいたるまでのプロセスやアプローチ方法、クルマに対する考え方、なによりメンテナンス方法もさまざまです。



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典型的な「結果は同じでもプロセスは異なる。そして正解はひとつではない」ケースだといえます。まず、そこを踏まえておく必要があります。



2.同じクルマでも主治医やショップによってOKのポイントや基準が異なる

ある主治医やショップの基準は「とにかくピークパワー重視」だとします。その一方で、別の主治医やショップでは「オーナーごとに乗りやすいセッティングを煮詰めること」というケースもあります。



旧車ライフにかかせない主治医! できるだけ「変えない」のが正解な理由とは?
セッティングを必要とするキャブレターのイメージ



それぞれに得意分野やクルマの仕上げ方、考え方が大きく異なるのです。オーナーが愛車にどのようなセッティングを求めるかによって、主治医やショップ選びが変わってくることも認識する必要があります。



3.主治医を変えるたびにコンディションやセッティングが上書きされる

前述したとおり、主治医やショップによって「これがベスト」とされる基準や考え方があります。以前、付き合っていた主治医やショップではベストとされたコンディションが、別のところでは「これじゃウチではちょっと……」と見なされ、結局イチから愛車のコンディションチェックを行い、その主治医やショップがベストとする仕上げに「上書き保存される」こととなるのです。



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クルマのコンディションを確認するイメージ



その都度、時間と手間、そして何より相応の費用が掛かります。それを「いくらなんでも高すぎ!」とクレームをつけるのは論外です。

繰り返しになりますが「正解はひとつではない」のです。



主治医だってひとりの人間ということを忘れずに

4.主治医やショップを変えるたびに人間関係の再構築も必要

クルマだけでなく、主治医やショップが変わることで、新たに人間関係を構築する必要があります。よりストレートに表現するなら「信頼関係」です。お互いの人となりを理解し、ざっくばらんに話せる関係になるまでにはそれなりの時間が掛かります。



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人間関係のイメージ



人間同士である以上「相性」も重要です。その業界では誰もが知る名医であったとしても、オーナーである自分とはウマが合わない可能性もあるのです。お互いにこだわりが強い者同士であればなおさらです。



5.主治医やショップの横の繋がりで要注意認定される可能性あり

クルマ好き同士で横の繋がりがあるように、主治医やショップ同士も独自のネットワークを形成しています。ひんぱんに主治医やショップを変えているようなオーナーはいつしか要注意人物と見なされ、どこに行っても門前払いされる可能性があります。



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クチコミで噂が広がるイメージ



どんなにイヤな思いをしても、主治医やショップの悪口をいいふらす、あるいはSNSなどで実名をあげて攻撃するのは避けてください。経験があるかもしれませんが「思っている以上に世の中は狭い」のです。



まとめ:転職と同じでコロコロと主治医やショップを変えるべきではない

いまの勤め先では自分の能力を発揮できない、きちんと評価してもらえない。ならば転職だ! と、無事に転職できたとしても、新たな勤め先が自分の肌に合うかどうか、そして良好な人間関係を構築できるかは、運もありますが「その人次第」ある面も多々あります。こうして嫌気が差すたびに短期間で転職を繰り返し、結果として「青い鳥症候群」に陥ってしまうのです。



同様に、理想の主治医やショップとの出会いも多少なりとも運があるとはいえ、オーナー次第で大きく変わったりします。いまどき「こちらはお客なんだから」といった横柄なスタンスで接していたり、限られた予算のなかで無理難題を押しつけたり。自ら主治医やショップとの関係を悪化させている可能性も十分に考えられるのです。



旧車ライフにかかせない主治医! できるだけ「変えない」のが正解な理由とは?
旧車ライフに欠かせないショップとの上手な付き合い方



多くの場合、主治医やショップの存在なくして、ディーラーでは面倒を見てくれない、あるいは見切れなくなってしまった年代のクルマを維持することはできません。かといって、媚びへつらう必要はありませんが、常に最大限の敬意と感謝の気持ちを込めて接するべきだと筆者は考えます。

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