この記事をまとめると
■ヘッドライトカバーが曇っていると車検の基準光量を満たせない場合がある■DIYでカバーの曇りや黄ばみを取るならクリーナーやリペアキットを使うのが手っ取り早い
■DIYでも復活しないのであれば専門業者に任せるかユニットの交換が必要
ヘッドライトが暗すぎると車検にとおらなくなる
愛車をしっかり洗車しても、どこかビシッとしない、野暮ったく見える……その原因が、黒い部分が黒々としていないこと、ウインドウガラスの透明度がないことに加え、ヘッドライトの曇り、黄ばみだ。その原因は外側と内側にあり、ハロゲンやHIDの場合はその両方が考えられ、最近のLEDヘッドライトのカバーであれば主に外側の曇りが主となる。
ヘッドライトが曇ったままだと、6400カンデラ以上という基準光量を満たすことができず、車検にとおらないこともあるので要注意である。
まず先に、LEDライトだとなぜ、ヘッドライトの内側が曇りにくいのかを説明すると、電球が発する熱量が少なく(だから雪が付いたときに落ちにくい)、ヘッドライト内外の温度差が小さく、ヘッドライトの曇りや黄ばみの原因となる紫外線を含まないからとされる(ハロゲンライトは熱をもち、紫外線を発する)。
ゆえに、ハロゲン、HIDヘッドライトのクルマに乗っているのであれば、LEDに交換することで、ヘッドライトの曇り、黄ばみを軽減することが可能になる(すでにヘッドライトが曇り、黄ばんでいるなら話は別だが)。

しかし、LEDヘッドライトでも、クルマに何年か乗っていると、新車時にはキラキラしていたヘッドライトレンズの透明度が落ち、曇ったり黄ばんだりすることもある。光源に紫外線が含まれていなくても、屋外駐車や走行時に紫外線にさらされているからだ。
さらに、安全性も考慮した(破損したときに破片が飛び散りにくい)素材のポリカーボネート樹脂は紫外線に弱く、ヘッドライトは前からの風を直接受ける部分でもあり、砂や小石などによってキズつきを受けやすい部位でもあり、新車時にコーティングされていてもキズが付き(コーティングが剥がれ)、ヘッドライトレンズの透明度を損ねてしまうというわけだ。
もちろん、ボディとヘッドライトに隙間ができ、水分や汚れが侵入すれば、LEDヘッドライトでも内側が汚れ、曇ってくることになる。ここに関しては、素人が簡単に解消、解決できるかは難しい判断になる。
DIYでも曇りや黄ばみが取れなければ専門業者で整備が必要
では、曇りや黄ばみが見られるヘッドライトレンズの外側をきれいにするにはどうしたらいいか?
DIYで行うなら、カー用品店などで手に入るヘッドライトクリーナーやリペアキットを使うのが手っ取り早い。できればクリーナーで曇り、黄ばみを落し、そのあとコーティングする2液タイプのものが望ましく、自動車メーカー純正品の多くもそれである。ヘッドライトをシャンプー洗い後、研磨剤入り(または溶剤系)のクリーナーで磨くと、表面の汚れはもちろん、紫外線による劣化被膜、細かいキズも落とすことができ、すっきり透明になるはずだ。

しかし、それだけではヘッドライトレンズを紫外線から守るコーディングまで剥がしてしまうため、第二の行程となるコーティング処理が不可欠。
が、それでもヘッドライトが曇って見えるなら、内側のクリーニングが必要。ヘッドライトユニットを外し、内側を洗い、上記のクリーナーやリペアキットを使うのだが、ヘッドライトの取り外しが難しいようであれば、プロに任せるのが賢明だ。さらに、クリーニングしても透明度が復活しないのであれば、ヘッドライトレンズの素材劣化が進行しているので、車検で失敗しないためにも、ヘッドライトの交換を検討したい。
ところで、ヘッドライトの曇り、黄ばみが気になるのに対して、テールランプが曇ったり、黄ばんだりすることはめったにない。その理由のひとつが、ライトレンズ素材の違いだ。ヘッドライトは安全のために破損したときに破片が飛び散りにくく、しかし紫外線に弱いポリカーボネート樹脂を使っているのに対して、テールランプは主に紫外線に強く、劣化・黄ばみしにくいアクリル樹脂が使われていること、車体後部はキズ付きの原因となる砂などを含んだ風の影響を受けにくいからである。

いずれにしても、ヘッドライトの曇り、黄ばみはクルマを野暮ったく見せるだけでなく、夜間の安全運転に直結するだけに、いま一度チェックし、曇りや黄ばみが見られるなら、車検云々にかかわらず、大至急ケアしておきたい。