この記事をまとめると
■運転免許証の原型となる許可証が1903年に「乗合自動車営業取締規則」とともに誕生した



■二輪車の免許は1933年に誕生しヘルメット着用は1972年に義務化された



■1960年に道路交通法が制定されて現在のような運転免許証が交付されるようになった



運転免許には120年以上の歴史あり

クルマやバイクを運転する際に必要となるのが「運転免許」です。では、この運転免許はいつ誕生し、現在までにどのような変化があったのでしょうか。この記事では、運転免許の誕生と転換期となったポイントを紹介します。

運転免許の歴史を簡単に知りたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。



運転免許の誕生は1903年

1903年、運転免許の原型となる許可証が日本で初めて交付されました。このときに設けられた「乗合自動車営業取締規則」という規則により、運転者に免許が交付されたことをきっかけに、現在まで続く運転免許制度が始まったとされています。



その後、1907年に「自動車取締規則」が制定されたことにより、自家用車を運転する際にも許可(免許)が必要となりました。なお、このときの自動車取締規則は、各都道府県ごとに定められていたため、現在のような全国統一の規則ではありませんでした。



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現在も続く全国統一の内閣府令「自動車取締令」が制定されたのは1919年のことです。その後も、さまざまな法律の変更がなされながら今日の運転免許に至ります。



ここで少し視点を変えて二輪車の免許の歴史にも目を向けてみましょう。



二輪車の運転免許は1933年から

二輪車の運転免許の原型となる制度は1933年に誕生します。このごろは、申請のみで二輪車に乗ることができました。



その後、1947年に「道路交通取締法」が公布され、初めて二輪車に関する運転免許制度が誕生します。ちなみに、このころは二輪車を運転する際にヘルメットの着用義務はありませんでした。二輪車のヘルメット着用が義務化されたのは1972年。しかし、このときは40km/hを超える道路でヘルメットの着用を義務化するという限定的なものでした。



最初は都道府県ごとにバラバラ! いまの運転免許制度になったのはたった60年前だった!!
ヘルメットを装着する女性



その後、1978年にすべての道路で二輪車のヘルメット着用が義務化されたものの、原付に関してはヘルメット着用努力義務に留まっています。



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ヘルメットを着用して走る原付の様子



現在では当たり前となった原付のヘルメット着用が義務化されたのは1986年のことです。そのため、40年ほど前までは原付を運転する際にヘルメットを着用しなくても問題なかったということです(ヘルメットがいらなかった時代が懐かしいという方もいるのではないでしょうか)。



時代とともに種類や規定が変化

1960年に「道路交通法」が制定され現在も続く免許制度の形となった

ここからは再び免許制度に関する話に戻しましょう。



1960年、現在でも聞き馴染みのある「道路交通法」が制定されました。つまり、現在も交通関係の法律として耳にする「道路交通法」は、2025年から見て65年前に制定されたということになります。



この道路交通法が制定されてから5年後の1965年、複雑化していた運転免許の整理と統合が実施されました。また、その1年後となる1966年には免許証番号が全国統一のものになりました。



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運転免許証のイメージ



よって、現在でも続く免許制度は2025年から60年ほど前から続くものということになります。もちろん、この60年の間にさまざまな変更や新たな免許の創設など法改正がされていますが、基本的な形は60年以上変わっていません。



新たなモビリティの登場で歴史が繰り返されている?

2025年現在、電動キックボードや新たな小型モビリティなどが登場し、これらはインターネットを通じて簡単に手に入るようになっています。



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街なかを走る電動キックボード



そこで、問題となっているのが交通ルールやマナーの周知徹底と免許制度の在り方です。



現在、四輪車の免許が普通車・準中型車・中型車・大型車など細分化され複雑になっていることに加え、二輪車も原付、小型限定普通自動二輪、普通自動二輪(限定なし)、大型自動二輪など複数の免許が存在しています。



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免許証の運転できる車種類の記載欄



そして、原付に区分される乗り物は、一般原付、特定小型原付、特例特定小型原付の3つがあり、名称だけでは免許が必要なのか不要なのかがわからないという事態になっています。



四輪車・二輪車ともに、保有している免許で乗れるのかわからないという問題が発生していることからも、運転免許の整理と統合をして、より簡潔でわかりやすい制度に変更してもらいたいと思っている方も少なくないのではないでしょうか。

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