この記事をまとめると
■大阪オートメッセ2025が開催中■新エリア「こどもビリティ」が盛り上がっている
■ガレージ愛知のプログラムの内容を紹介
ラジコンカーの名作をスケールアップ!
大阪オートメッセ2025で絶賛展示中の「こどもビリティ」。その特徴は、まさかと思うような子ども的発想を大事にしつつ、リアルなモビリティ体験に繋げて、(大人のなりを含めた)子どもの記憶に心地よいツメ跡を残すことにある。
普通、模型やミニカーといえば、リアルに存在するものをスケールダウンした「スケールモデル」、あるいは100%に近いファンタジーから創られた想像上のモデル。
ガレージ愛知はこれまでにも、タミヤのモンスタービートル実車版を製作したり、プリウスのリフトアップを手がけたり。ランニングパーツのワンオフから板金などボディーワークまで、すべて代表の尾谷氏が手がける、車高アゲ系では有名な職人肌ガレージだ。
もとはタミヤの12分の1スケールのRCカーシリーズの名作、カスタマイズドバンこと「ランチボックス」。巨大なバルーンタイヤを履いた4×4のバンを、なんとジムニーシエラのラダーフレームやエンジンに駆動系、そしてエブリィのボディを縦方向に詰めて切ってはアルミパネル化するなどして、RCカー同様のボディに仕立て上げた。製作期間は、本業の傍らだったので2年かかったという。

ちなみにタイヤはミッキー・トンプソンの外径58インチ(約148cm)、「バハ・プロ X5」というモデルで、オフロードタイヤの雄である同社のなかでも最大サイズ、日本に輸入されたのは初だという。
子どもから大人まで楽しめる「実車ランチボックス」
このタイヤで十分に雰囲気は出ているが、ホントはRCカーとまったく同じ外観とスケール感を実現するために、もっと幅広ファットで山型トレッドパターンのバルーンタイヤを履かせたかったとか。だが、そちらを輸入するには1本あたり約250万円、4本で1千万円かかる見通しで、さすがに諦めたそうだ。

それにしてもジムニーシエラの、エンジンとトランスミッションと4輪トランスファーとリヤデフは、そのまま流用したとはいえ、ノーマルではほぼ水平にこれらのコンポーネントは並んでいる。だが実車ランチボックスでは、エンジン&トランスミッション側のシャフト出口からリヤデフまで、約150cmの高低差がある。

それでもボディ自体はアルミを多用しているため軽量で、600kg前後とのことで、こどもビリティの一環として、ウインチのワイヤーを子どもが綱引きのように引っ張る、あるいは設置されたハシゴからドライバーズシートの高さまで登ってみるアトラクションが大好評。大人もワイヤーを引っ張っては、記念写真に興じるほどの人気だった。

模型からリアルへと、通常とは逆コースで実現されたカスタムカーだが、大人が本気で遊んでいるからこその楽しさは、子どもにもきっちり伝わるものなのだ。