この記事をまとめると
■インバウンドによるレンタカーの使い方が問題になっている



■軽自動車の5名乗車や標識を無視した運転などをするインバウンドが多い



■在日外国人による車検切れ車両や任意保険未加入車の事故も多発している



郷に入っても郷に従わないインバウンド

日本政府観光局の発表では、2024年11月段階での2024年1月からのインバウンド(訪日外国人観光客)の数は3337万9900人となり、この時点で2023暦年締めでの年間訪日人数を上まわっているとのこと。



日本を訪れたいというひとが増えるのは歓迎すべきことなのかもしれないが、著名な国内の観光地を中心に「オーバーツーリズム」とも呼ばれるものが発生し、地元のひとたちとのトラブルも目立ってきている。京都市内の路線バスや、鎌倉地域を走る「江ノ電」など、公共交通機関が終日インバウンドと地元のひとたちの利用で大混雑しているのならまだしも、地元のひとが利用できないといったトラブルも起こっているようだ。



このような状況はインバウンドのひとたちも十分熟知しているので、北海道などクルマで移動するほうが効率のいい地方部だけではなく、都市部でもレンタカーを借りて、効率的に日本観光を楽しもうというのも自然な流れのように見える。



軽の5人乗り! 漢字表記の標識無視! いまインバウンドが運転...の画像はこちら >>



テレビの情報番組では、東南アジアなど雪の降らない地域から日本にきたインバウンドのひとたちが、冬の雪道に四苦八苦しているリポートが流れたりするが、ことはそんなリポートを微笑ましく見ているだけでは済まない状況にもなっているように見える。



筆者も目にしたことがあるのが、軽自動車の5名乗車である。もちろん軽自動車の乗車定員は4名と決まっているが、筆者も他人のことはいえない身分なのだが、日本人は広く英会話が苦手なので、レンタカーを貸し出すときも「5名乗車は違反ですよ」くらいしか伝えられないのではないかと考えている。



軽の5人乗り! 漢字表記の標識無視! いまインバウンドが運転するレンタカーは問題だらけだった
スズキ・スペーシアギアとスペーシアカスタムの2台並び



日本人ならば「法律で決まっているのなら」と納得して従うのだが、インバウンドのひとたちには「安定感に問題が出る」など、納得できる説明がないと本質的な部分での理解もしてもらえないなか、5名乗車というものも発生することになるだろう。「旅の恥はかきすて」は万国共通のように思え、それも助長しているように見える。



日本の交通ルールを無視するインバウンド

自動車保険(任意保険)に関する考え方、とくにレンタカーに対しての認識も大きく異なるように見える。日本人の自動車保険に対する考えからは、「万が一のためにも加入はするが、使うようなアクシデントが起きないように安全運転を心がける」といったものが一般的にも見えるが、とくにレンタカーについては「保険に入っているのだから」とかなり無茶な運転をするインバウンドのひとたちも目立つように見える。



筆者もアメリカ訪問時にはレンタカーを借りて運転することはよくある。学生旅行のときはそれをしたくてアメリカをめざした。しかし、日本が左側通行なのに対してアメリカは右側通行で、しかも速度表示や距離がマイル表示、そしてガソリンはセルフ給油(当時の日本はフルサービスが一般的)とかなり勝手が異なるので、たまたま「アメリカドライブ旅行ガイド」的な本が売っていたので、それを買って「予習」をしたのを覚えている。



軽の5人乗り! 漢字表記の標識無視! いまインバウンドが運転するレンタカーは問題だらけだった
アメリカのガソリンスタンドの計量器



いまはスマホでリアルタイム検索する時代なので、街歩きに関しては「出たとこ勝負」というひとは日本人でも多いだろうが、勝手の違う異国でクルマを運転するのだからリスクも高いものと考えれば、いまでも「予習」は大切だと思うが、「標識の形や表示が違う」、「漢字表示しかない」など、自分たちに合わせるように要求する声が高まるというのもインバウンドのひとたちの特徴といえるだろう。



軽の5人乗り! 漢字表記の標識無視! いまインバウンドが運転するレンタカーは問題だらけだった
複数の道路標識



「インバウンドのひとたちが事故を起こしも保険でカバーされるのだから問題ないのでは」とも考えられるのだが、事故が多発すれば当然保険を使う機会も多くなるのだから、我々が支払う保険料が上がるというリスクが高まっていくことになる。



日本政府は今後、移民政策を進めていくようだが、現状でも在日外国人の所有するクルマのなかで「任意保険無加入車(自賠責保険すら期限切れというケースも)」が目立つことが問題視されてきた。当然、無保険車の絡む事故に遭遇すれば十分な補償は得られないので、無保険車特約と(日本人の任意保険加入率低下傾向もあると聞く)いうものが注目されるだろう。



軽の5人乗り! 漢字表記の標識無視! いまインバウンドが運転するレンタカーは問題だらけだった
交通事故現場の様子



ただし、調べた限りでは現存する無保険車特約の多くは、自賠責保険無加入車に対する特約なので、人身傷害や死亡時のみフォローしている。つまり、任意保険無加入というものは範囲外なので、車両損害補償などについてはフォローされていないのが現実のようだ。そうなると損傷したマイカーの十分な修理費用補償が期待できず、自己負担で修復などということも十分考えられる。



結果的には自己負担を回避する特約などが任意保険に盛んに設定されるようになり、それへの加入などもあり保険料の高騰など、ドライバー全体の負担が増えていくことにもなりかねない。これを「観光収入増加のため」とか、「働き手の確保」として、コスト上昇許容も致し方ないといつまでもいっていられるのか不安が残るところである。



このような問題は移民大国アメリカでもしばしば聞く話である。

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