この記事をまとめると
■ジムニー5ドア改めジムニー・ノマドが4日で5万台の受注を得て受注停止となっている■最近のスズキは日本で展開する登録車に魅力的な車種が多い
■スズキの海外専売モデルが日本に入ってきたらまた人気を博す可能性がある
ジムニー・ノマドの人気が爆発!
2025年1月30日に日本国内で発表となった、日本でいうところの3ドアとなる「スズキ・ジムニーシエラ」の5ドア版となる「ジムニー・ノマド」が、正式発売前の予約受注中段階で約5万台の注文が入り、一時的に新規受注を停止するとのリリースが2025年2月3日にスズキより発信された。
2023年1月にインドで衝撃的なデビューを果たした「ジムニー5ドア」。インドでのワールドデビュー直後から日本では、「いつ日本でデビューするのか?」というのが話題となっていた。
2018年に軽規格となる現行スズキ・ジムニー及び登録車規格となるジムニーシエラがデビューしたその当時から、東南アジア某国で「5ドアがデビューする!」といった、願望にも近いスクープ記事を目にしたことがある。筆者が訪れたことのある、台湾、タイ、インドネシア、マレーシアなどでもジムニー(ここでいうジムニーは日本でのジムニーシエラ)の人気は相当に高いものであった。

もちろん、ジムニーブランドが確立されている日本市場でも、これを投入すれば人気が高まるのは必至だったのだが、発表から1週間も経たずに5万台もの受注が入るほどとは、誰も予想はしていなかったことと考えている。
スズキは登録車も超得意
「スズキ」といえば、日本だと「軽自動車メーカー」のイメージが強いが、2024年10月に日本国内で正式発売となった、コンパクトクーペSUVスタイルを採用する「スズキ・フロンクス」もノマドほどではないものの、日本国内でも大ヒットしている。現行スズキ・スイフトもそのスタイルはやや個性が際立つとの声もあるが、クルマとしては非常に出来のいいものとなっている。
何がいいたいかというと、日本ではいわゆる「登録車」と呼ばれるカテゴリーの、スズキ車の存在感がいよいよ日本でも増してきているように感じている……ということだ。

日本国内でフロンクスとジムニーシエラ、同ノマド以外にラインアップされている登録車としては、スズキの国内ウェブサイトベースで紹介すると、クロスビー、スイフト、スイフトスポーツ(含むファイナルエディション)、ソリオ(含むバンディット)、そしてトヨタ・ノアのOEM(相手先ブランド供給)車となるランディとなっている。

日本ではラインアップされていないものの、リヤドアがヒンジドアとなる3列シートをもつコンパクトMPV(多目的車)となる「エルティガ」もインドだけではなく、タイやインドネシアなどでラインアップされているほか、マイルドハイブリッド仕様も用意されており、なかなか魅力的なモデルとなっているので、現地では人気も高い。とはいっても、日本ではコンパクトであっても背が高めでリヤスライドドアを採用する、トヨタ・シエンタやホンダ・フリードのようなモデルが好まれるので、「いいクルマだから日本でも」とはならないだろう。

ただ、新興国では経済成長とともに消費者の嗜好性も多様化を見せてきている。インドでフロンクスがデビューしたのもその顕著な例といえるだろう。
海外市場では新興国を主戦場としているスズキ。
フロンクスやジムニー・ノマドを見て、スズキの最近の登録車は面白いなあと考え、ふとそんなことを期待してしまった。