この記事をまとめると
■格安中古ポルシェに初代初期もののパナメーラが仲間入りしてきた模様



■パナメーラの格安車は2009~2016年の初代モデルが中心で底値は150万円程度



■安いなりのネガもあるパナメーラだがポルシェのサルーンをぶっ飛ばせることに価値を見出せる方にはオススメ



金はないけどポルシェに乗りたいなら初代パナメーラも要検討

ポルシェの空冷911はここのところ高止まりで、今後は緩やかな値下がりが予想されています。なにしろ、ポルシェ社の調査によれば、全世界に空冷911は10万台以上の稼働車があるとのこと。オーナーの高齢化も避けられません(放出されるクルマが増える)ので、もうしばらく待てばそこそこの値段に落ち着くことでしょう。



けれども、それまで待てない! どうしてもポルシェに乗りたいんじゃ! という方々には、これまでボクスターやカイエンといった格安中古ポルシェをオススメしていました。が、そんな値下がりモデルにパナメーラが仲間入りした模様。はたして庶民がゴージャスツアラーを手に入れられるのか、チェックしてみましょう。



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パナメーラは2009年の発表と同時に日本国内に導入されました。ポルシェ初のフル4シーターの4ドアサルーンとして大注目を浴び、富裕層から絶大な人気を得たモデル。3.6リッターのV6から、V8ターボ、そしてハイブリッドモデルまで設定された上に、ポルシェらしいゴージャスなオプションもてんこ盛りなので、お金もちは選ぶ楽しみにウキウキしていたのではないでしょうか。



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ポルシェ・パナメーラのインテリア



そんな人気モデルも導入初年度からは早16年が経ったわけで、格安中古車が出まわるのも無理はありません。やはり、パナメーラといえども10年落ちとなると、ガクっと値下がりするのは輸入車のデフォルト。しかも、グランドツアラー的なキャラどおりに乗り倒したとすると、走行距離だってまぁまぁ伸びているはず。いくらゴージャス&ハイパフォーマンスを掲げても、時の移ろい=中古車市場は非道なまでに冷酷といえるのです。



さて、市場を眺めてみると、やはり格安車は2009~2016年の初代モデルが中心です。底値は150万円程度で、2016年モデルでも300万円は余裕で切るタマもちらほら。

高値を見ればきりがないのですが、ボリュームゾーンは500万~600万円程度。格安ゾーンと普通なゾーンを比べると、走行距離がかなり違っています。前者は10万km越え、もしくはそれに近い数字で、後者は5万~6万kmあたり。



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ポルシェ・パナメーラの走行シーン



また、モデルによって人気不人気の差というのはそれほどでもない印象。3.6リッターと4.8リッターのGTSも似たような走行距離なら、値段も似てくるといった具合。強いていえば、ハイブリッドモデルが同じ条件であればいくらか安めに設定されているようです。



10年落ち10万kmでもポルシェらしさは健在

となると、格安パナメーラいいじゃん! と手放しで喜ぶ方がいるかもしれません。が、やっぱり世のなかにうまい話はないわけで、ちょっとした心構えが必要かと。つまり、手に入れてからこんなはずじゃなかった、と後悔しないために知っておくべきことがいくつかあるということ。



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ポルシェ・パナメーラのサイドビュー



まずは、故障への気構えですが、エアサスやパワステポンプの不具合は過走行車では頻繁に報告されています。症状によっては数十万円単位での出費となるため、エアとオイルの漏れには重々気をつけるべきでしょう。



また、近しいオーナーの談によれば、タイヤの摩耗が恐ろしく早いのだそうです。

2トンあまりの車重に、フル乗車、4WDでかっ飛ばせば、パナメーラでなくともタイヤは減ると思うのですが、20インチのプレミアムタイヤなんていいお値段ですからね。ポルシェの乗り味をキープするには相当なコストが必要ということ、くれぐれもお忘れなきように。



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ポルシェ・パナメーラの走行中のホイール



ちなみに、パナメーラがほしいという時点で燃費なんて気にしないかと思いますが、ハイブリッド以外は街乗り5~6km/L、高速道路を流して10km/Lいくかいかないか。さほど極悪な数字とも思えませんが、ガソリン高騰のご時世ですから目をつぶるわけにもいかないでしょう。



もっとも、安いなりのネガティブがあるのは、パナメーラに限ったことではありません。むしろ、200万円そこそこでポルシェが作ったサルーンをぶっ飛ばせることに価値を見出すほうが幸せです。低重心、かつ高剛性なシャシー、贅を尽くしたサスペンション、そして右足に直結したかのようなエンジンレスポンス、これらを高次元で味わえるのはメルセデスでも、レクサスでもなく、パナメーラだけの特権です。



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ポルシェ・パナメーラの走行シーン



たとえ10年落ち、10万km越えだったとしても、そのエッセンスはいくらかでも残っているに違いありません。ポルシェに乗りたくて乗りたくて仕方がない方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう。

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