基本的にはドライビングを変えずに運転して良い
FF、FR、4WD、そしてMRとRR。クルマの駆動方式は基本的にこの5種類。それぞれ得手不得手があって、目的によって使い分けられているわけだが、公道にて制限速度内で走っているようなときは、駆動方式によってドライビングを変える必要は基本的にない。
さすがに、エンジンが運転席より前にある、FF、FR、4WDと、エンジンが運転席より後ろにあるMR、RRとでは、特性の違いは小さくはないが、タイヤからスキール音が出るほど攻めない限りは、特別なドライビングは不要で、どのクルマも同じように運転すればOKだ。例外があるとすれば、雪道など滑りやすい路面。
雪道では、4WDが圧倒的に強く、きちんとしたスタッドレスタイヤさえ履いていれば、発進や上り坂でもそれほど気を遣う必要がなく、比較的普通に走れる。
またFFも駆動輪の上に重たいエンジンが載っているので、雪道は強い。直進安定性もいいが、コーナーでアクセルを強めに踏むとアンダーステアが出やすい。反対にリヤの荷重が少ないぶん、ブレーキでリヤが不安定になる傾向があるが、FFのリヤのスライドは、アクセルオンで収束できる。

FRは静止状態での駆動輪への荷重が少ないので、滑りやすい路面では発進時に繊細なアクセルワークが必要。コーナーリング中も、アクセルオンで、アンダーステアも出るし、オーバーステアも出るので、丁寧なアクセルワークと、カウンターステアも必須!?

駆動方式よりもどんなタイヤを履いているかのほうが重要だ
MRやRRは、エンジンが後ろにあるので、トラクション性能は優れているが、実用車ではなくピュアなスポーツカーのためのレイアウトといってもいいので、雪などの悪天候の日は、そもそも乗らないのが正解……。

ただし、昨今のクルマは優れたスタビリティコントロールがついているので、それらVSCなどを活用すれば、駆動方式が違うからといって運転の仕方に神経質にならなくても大丈夫。逆にいえば、どんな駆動方式、どんなスタビリティコントロールでも、オーバースピードだけはフォローしきれないので、スピードコントロールは非常に重要。
「雪道で一番スリップしているのは4WD」とよく言われるが、4WDを過信するのは禁物。4WDは駆動力は抜群だが、四輪に駆動するメカの分だけ車重が重く、同じ車種の2WDより80kgぐらいは重い。

あとはタイヤ。雪の日はもちろん、雨の日や晴れの日でも、どんな駆動方式かよりも、どんなタイヤを履いているかのほうがむしろ重要。いまのクルマなら、条件に合ったグリップ力に余裕のあるタイヤを履いて、オーバースピードさえ気をつければ、どの駆動方式のクルマでも基本に忠実な運転で問題なしだ。
