シートを取り外して乗車定員が変わると法律違反に!
スポーツ走行をするときの軽量化のために、あるいはより多くの荷物を積むために、助手席やリヤシートを外したいという人もいるだろう。だがじつは、ベンツのVクラスの2列目、3列目のシートのように、レバーひとつでワンタッチに取り外すことができるクルマは別として、ボルト等できちんと固定されているシートを外して、公道を走るのは問題がある。
というのは、車検証を見ればわかるとおり、クルマごとに乗車定員は決まっていて、シートを外すということは、その乗車定員が変わることになるからだ。
独立行政法人自動車技術総合機構によると、シートを外し、乗車定員が変わるのは、道路運送車両法の違反になり、保安基準を満たさなくなるので、そのままでは車検を通すことはできないとのこと。
ヘッドレストを取り外して乗るのもじつはNG!
では、そのシートを外した状態で、公道を走ると、即、警察の取り締まりの対象になるのだろうか?
保安基準不適合で、15日以内の改善命令を出され、それに従わない場合は処罰の対象になるが、即、切符を切られるようなことは稀。ただし、道路交通法の安全運転義務違反に問われる可能性は否めない。

現状はグレーゾーン扱いで、合法的とはいえないが、不正改造とも言いがたいので、注意や警告で終わるケースが大半のようだ。
余談だが、シートからヘッドレストを外して乗るのも、道路運送車両の保安基準違反になるので要注意。ヘッドレストは立派な安全装備のひとつなので、勝手に取り外すのは厳禁だ。

なお、日常的にシートを外してしまいたいという人は、運輸支局に出かけ、構造変更申請を行って、乗車定員を変更すれば、シートの取り外しは合法的に認められる。

それ以外、たとえばサーキット走行をするときだけシートを外したいという人は、サーキットの場内、パドックについてからシートを外し、走行が終わったら、帰宅する前にサーキットの施設内で再びシートを取り付けてから、公道に出るようにしよう。
細かくいえば、自動車保険の支払い条件などにも関わってくるので、安易に考えるといざというとき困るので気をつけてほしい。