融雪剤がクルマの下まわりに付着するとサビの原因に
雪国の方ならご存じだろうが、冬場の凍結路や積雪路には、融雪剤が撒かれることが多い。融雪剤とは読んで字のごとく、雪や氷を溶かす効果があって、路面に撒くことでスリップを抑制するなどの効果が期待できる。と聞くと、いいこと尽くめのようだが、効果はいいとしても、弊害がある。
融雪剤は塩化ナトリウムや塩化カルシウムを主成分としたもの。これら、名称からもわかるように簡単に言ってしまえば塩だ。雪や氷を溶かす原理としては、理科の実験でやったように、融点を下げる効果がある。また塩化カルシウムは溶けるときに熱を発するので、これも利用している。

クルマにとって、融雪剤はありがたい存在でありながら、塩だけに腐食性が最大の問題。雪国を走っているクルマの下まわりを見ると、真っ赤に錆びていたり、サクサクに腐食していることは珍しくない。なかには穴が空いていることもあったりする。
防錆ワックスを下まわりに吹いておくのも手!
最近では無塩の融雪剤というのもあるが、普及していないため、塩化系の融雪剤を使わざるを得ないという事情もあるし、安全確保に効果があるのも事実。それだけにうまく付き合っていくしかないが、対策としては定期的に下まわりを洗浄すること。
ホースを使って、サスペンションも含めた下まわり全体に水をかけたり、洗車機の下まわりオプションを利用するのもいい。とにかく、できるだけこまめに塩分を除去するのが鉄則となる。

さらに予防という点では、防錆ワックスを下まわりに吹いておくのも手だ。欧州車では北欧での使用も考えて以前から施工されていたが、強固な被膜で塩害から守ってくれる効果がある。日本でも下まわりの防錆などで検索すると施工してくれるショップが見つかるはずだ。
最近は寒冷地仕様を別途設定することは減っていて、もともとのボディが高い防錆力を確保するようにはなっているが、融雪剤が常にかかり続けることに対しては完璧でないのは事実。防錆処理は少々費用がかかるが、目が飛び出るほど高い訳でもない。気になるようなら、ぜひ施工しておいたほうがいいだろう。
